中国:温首相、指導部交代控え政治改革訴え

10年に1度の中国指導部交代に伴い 来年退任する温家宝首相は、経済改革を支えるためには政治が変わる必 要があると訴えた。急速な経済成長を成し遂げた中国だが、国内では貧 富の格差が拡大している。

温首相(69)は14日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉 幕に合わせて開かれた3時間に及ぶ記者会見で、「政治改革の成功なく して、経済改革の実行は不可能だ」と言明。「われわれが勝ち得たもの を失う可能性すらある」とまで述べた。

中国では違法な土地収用に対する抗議活動が頻発。経済成長に伴い 住宅コストが上昇する中、消費者の購買力が低下し国民の不満が高まっ ている。年内には指導部交代が始まるが、次期指導部にとっては国内総 生産(GDP)規模で日本を抜き世界2位の経済大国となった中国の社 会秩序の維持が大きな課題となる。

2003年に就任した温首相は北京の天安門広場にある人民大会堂での 記者会見で、社会問題について悔やむことも多くすまなく思っていると 言及、任期中に起こった全てのことに責任があると語った。天安門広場 では民主化を求め集まった学生らを人民解放軍が武力弾圧した天安門事 件が1989年に起きた。

中国人民大学新聞学院の喻国明副院長は電話インタビューで、「温 首相はこれまでもこうした話をしてきたが、今回はより悲劇的な口調だ った。温首相はかなり孤立しており、共産党指導内のコンセンサスでは ないだろう」と述べた。

温首相は政治改革がなければ66-76年の「文化大革命」のような歴 史的悲劇が繰り返される恐れがあると警告、「問題を解決するため、わ れわれには政治改革が必要だということを私は深く認識している。特に 党と指導部のメカニズムの改革だ」と呼び掛けた。

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