住友電工社長:来年度営業益1500億円以上に-車やiPad向け伸長

【記者:堀江政嗣】

3月15日(ブルームバーグ):電線や情報通信部品などを手掛け る住友電気工業は来年度の営業利益で、今年度予想値と比べて50%増 となる1500億円以上を目指す。主力の自動車関連部門の回復が見込ま れるほか、部品納入先の米アップルのタブレット型端末「iPad(ア イパッド)」向けの販売増も寄与するとみている。

松本正義社長は13日、大阪市内の本社でのインタビューで、来年 度まで5カ年の中期計画に掲げた売上高や利益の目標達成は「難しい」 と前置きした上で、現在は円高の影響を排除した想定の目標到達を目 指していると述べた。そのためには、来年度の営業利益で「1500億円 以上やらないといけない」と話した。売上高は同様に2兆5000億円以 上を目指すという。

ブルームバーグ・データが集計したアナリスト16人の予想で、住 友電工の来年度営業利益の平均値1181億円と比べ、少なくとも27% 上回る水準になる。売上高は同2兆1429億円を17%上回る水準を目 指すことになる。07年5月に発表した中計では最終年度に、売上高3 兆円、営業利益2100億円、純利益1300億円の目標を掲げていた。当 時と比べて対ドル、ユーロでいずれも3割程度の円高になっている。

松本氏は主要顧客の自動車各社が来年度にかけて「かなりの増産 計画をかけている」ことを根拠に、災害の影響が大きかった今年度よ りは「どう考えても絶対いいはずだ」と話し、それに対応する形で主 力商品のワイヤーハーネスの販売が大幅に伸びるとの見通しを示した。

大口取引先のトヨタ自動車は12年のグローバル販売について、前 年比21%増の858万台を計画している。子会社のダイハツ工業、日野 自動車を含むグループ全体では同21%増の958万台と、いずれも過去 最高の販売を見込んでいる。

アップルに納入

また、アップルがこのほど発表した昨年のサプライヤーリストに は、住友電工の社名が記載されていた。松本氏によると、アップルに は以前から部品を納入していたが、品質や納期、技術改良の点で評価 を受けており、このほど新型が発表されたiPad用の基板などで「か なりの引き合いをいただいている」と販売の底上げに寄与すると述べ た。東日本大震災の被災地復興が本格化するにつれて、電線需要も増 大してくると期待を示した。

住友電工は昨年5月に今年度の業績見通しを発表。その後、タイ の洪水や戦後最高値をつけた円高など経営環境が激変する中、予想を 据え置いてきた。年度末まで1カ月を切った現段階で、売上高2兆円 予想について、松本氏は「超えていくだろう」との見通しを示す一方、 利益に関しては「難しい局面にきている」と述べ、営業利益で1000 億円の予想に対して、900億円を下回る可能性もあるとした。

環境関連など新規事業に注力

現在の中計では、07年度予想で営業利益全体の約半分を占めてい た自動車事業の比率を30%程度まで下げ、その他の事業とバランスを 取る計画だったが、昨年4-12月の連結営業利益に占める自動車事業 の割合は7割弱とむしろ増えている。

松本氏は、リーマンショック後の不況などで「自然と強いところ にリソースを投入していた。やはり自動車のボリュームに勝つ業界は ない」と自動車依存の体質から抜け出せていないと話した。

13年度から5カ年の次期中期計画では、環境やエネルギー、ライ フサイエンスなどの新規事業に力を入れることで、再びバランスの取 れた利益構成を目指すという。事業ポートフォリオを組み換える中で、 松本氏は「やめたらいい製品はやめたらどうか」と収益性の低い事業 の存廃も検討する考えを示した。

住友電工の株価は15日午前終値で、前日比0.4%高の1139円、 年初来で36%の上昇となった。この期間にTOPIX(東証株価指数) は18%値上がりしている。

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