ドルは83円台で11カ月ぶり高値更新続く-日米金利差背景に買い

東京外国為替市場ではドル・円 相場が1ドル=83円台前半で、昨年4月以来の高値更新が続いた。 米連邦準備制度理事会(FRB)が景気判断を引き上げた一方で、日 本銀行の追加緩和観測が根強く、日米の金利差拡大を背景にドル買 い・円売りが活発となった。

ドル・円相場は日本時間朝に82円87銭まで下押しされたもの の、午前9時以降は83円台を回復して段階的に高値を更新。午後も ドルが一段高となり、一時は83円32銭と、昨年4月15日以来の 高値を付けた。午後3時35分現在は83円22銭付近で取引されて いる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部外貨商品 課長の塩入稔氏は、「ドルが強くて、それに従ってドル・円も堅調だ なとみている」と指摘。きのうの連邦公開市場委員会(FOMC)で も補強された感じだと付け加えた。

ドルが主要16通貨に対して全面高となる中、午後には対ユーロ で急速に水準を切り上げ、一時は1ユーロ=1.3031ドルと、2月 16日以来の高値を更新した。

また、日経平均株価が終値で約7カ月半ぶりに1万円台を回復す るなど、アジアの株式市場がほぼ全面高となり、リスク選好の動きを 背景とした円売りも進行。ユーロ・円相場は午後に一時1ユーロ= 108円81銭と、2月27日以来の円安値を付けた。

日米金利差拡大

日銀は13日の決定会合で、政策金利を0-0.1%に維持し、資 産買い入れ等基金も「65兆円」に据え置いた。成長基盤を強化する ための資金供給について、貸付総額を現行の3兆5000億円から2兆 円増額し、うち1兆円は日銀保有の米ドルを用いた新たな貸付枠を導 入することを決めた。

一方、FRBは13日のFOMC終了後に発表した声明文で、 「労働市場は一段と改善し、失業率はここ数カ月で顕著に低下したが、 なお高い水準にある」と指摘した。政策金利の時間軸に関しては、少 なくとも2014年遅くまで「異例な低水準」が正当化される可能性が 高いとの見解が維持された。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、日銀が「方針とし て一応緩和傾向を維持する旨を示した」半面、FOMCは量的緩和第 3弾(QE3)に全く触れず、景気認識を一部上方修正したというこ とで、日米間に「差が出始めた」と説明。米2年債利回りがかなり上 昇して日米金利差が生じていると言い、「ドルの上値を試しにいくと いうような雰囲気がある」とみている。

前日の米国債市場では、FOMCの声明内容に加え、2月の米小 売売上高が5カ月ぶりの高い伸びとなったことも相まって、10年債 の利回りが一時2.13%と、昨年12月2日以来の高水準を付けた。 日米の2年債利回り格差は昨年7月以来の水準まで拡大している。

三井住友銀行市場営業部の呉田真二ニューヨーク上席部長代理 (ニューヨーク在勤)は、米金利の動向を見ると、しばらくは米国の 緩和期待や時間軸の動きを「はがしにいく」展開になりそうだと指摘。 ややドル高方向にバイアスがかかりやすく、ドル・円相場はじりじり と時間をかけながら、85円台を目指す可能性もあるとみている。

そうした中、この日の米国時間にはFRBのバーナンキ議長が講 演する。三菱東京UFJ銀行金融市場部の亀井純野シニアアナリスト は、FOMC以上のことは出ないと思うとした上で、「期待が強まっ ている分だけ何も新たな示唆がないということが小幅な調整のきっか けにはなり得る」とみている。

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