3月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、FOMC景気判断修正で追加緩和観測が後退

ニューヨークの外国為替市場ではドルが対円で上昇。一時11カ月 ぶりの高値をつけた。米連邦公開市場委員会(FOMC)による景気判 断の引き上げで、米金融当局による量的緩和第3弾の観測が後退した。

円は対ドルで続落。2年物米国債の日本国債に対する上乗せ利回り は昨年7月以来の最大に拡大した。英ポンドは主要通貨の大半に対して 上昇。英国債利回りが4カ月ぶり高水準に上昇したことが背景だ。

UBSのシニア為替ストラテジスト、シャハブ・ジャリヌース氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は、「米国の状況が改善され つつあることから、投資家はドルを保有し、米国債をショート(売り持 ち)にしたいと考える」と述べ、「こうした利回りの動きは投資家をド ル買い・円売りに向かわせるだろう。しかしそれよりも、日本の金融当 局が積極的な緩和に動いており、米国とは明らかに違うという背景もあ る」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で1%上昇して1ドル =83円73銭。一時は83円83銭と、昨年4月14日以来の高値を つけた。ドルは対ユーロで0.4%上げて1ユーロ=1.3032ドル。円 は対ユーロで0.5%安の1ユーロ=109円12銭。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は、0.4%上昇して80.520。一時は80.629と、1月18日 以来の高水準をつける場面があった。

ノルウェー・クローネ

ノルウェー・クローネは対ドルと対ユーロで下落。ノルウェー中銀 は14日、政策金利である翌日物預金金利を0.25ポイント引き下げ

1.50%とすることを決め、クローネ上昇が成長を損ねると説明した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、16人中14人 が据え置きを予想していた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数 によると、クローネは1.5%下落。一方ドルは0.9%上昇した。

英ポンドは主要通貨の大半に対して上昇。同国2年債利回りが

0.04ポイント上昇して0.51%。一時は昨年11月以来で最高となる

0.54%まで上げた。

2年物英国債の米国債に対する上乗せ利回り格差は12ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)に拡大した。3月12日は10bp だった。

バンク・オブ・アメリカの外為ストラテジスト、デービッド・グラ ッド氏は、「対ポンドでのユーロは円に対するドルと似ている。なぜな ら追加緩和観測が後退し、英国債で比較的大きな値動きがあったから だ」と述べた。

日米利回り格差

2年物米国債と日本国債の利回り格差は28bpと、昨年7月28 日以来で最大となり、ドル建て資産の投資妙味が高まった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のストラテ ジスト、ニール・メロー氏は、「根本にあるのは米経済が強さを増して いることだ。今後もこの勢いは続く可能性が高い」と述べ、「今はリス ク志向がドル上昇を示唆しているように見受けられる」と続けた。

◎米国株:S&P500は小幅反落、一時08年6月以来の高値に上昇

14日の米株式市場ではS&P500種株価指数が小幅ながら6日ぶ りに下落。一時は2008年6月以来の高値に上げる場面も見られた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が前日に発表した銀行ストレステ スト(健全性審査)の結果を受け、S&P500種の金融株指数は前日 終値を挟んでもみ合い。シティグループとメットライフが大幅安となっ た一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)とザイオンズ・バンコープ は急伸した。

ダウ輸送株平均は1.4%安。連邦公開市場委員会(FOMC)が 景気判断を引き上げたため、追加金融緩和の観測が後退したことが背景 にある。アップルは3.8%高。モルガン・スタンレーが株価予想を引 き上げたことがきっかけ。

S&P500種は前日比0.1%安の1394.28。前日の終値に基づ く株価収益率(PER 、実績ベース)は14.4倍に達していた。ダウ 工業株30種平均は16.42ドル(0.1%)高の13194.10ドル。小 型株で構成するラッセル2000指数は0.9%安の823.40。米証券取 引所全体の出来高概算は75億株と、3カ月平均を13%上回った。

ジェンセン・インベストメント・マネジメントの共同運用マネジャ ー、ロバート・ザグニス氏は電話インタビューで、「信認の問題だ」と 指摘。「徐々に状況は改善している。連邦準備制度理事会(FRB)の ストレステストのような象徴的な発表もあった。長期的に相場は上げる だろうが、揺り戻しが見られるかもしれない」と述べた。

金融株

金融株指数は0.1%未満の上げ。一時は0.4%上昇したが、1% 下げる場面もあった。前日の通常取引終了後にFRBが公表したストレ ステストの結果によると、大手米銀19行のうち15行は非常に悪い経 済状況下でも、配当と自社株買いを継続しながら、義務付けられている 自己資本水準を維持できると判断された。

シティは3.4%安、メットライフは5.8%下げた。一方、BOA は4.1%上昇。ザイオンズは11%高と、S&P500種で上昇率首位 となった。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの世界投資ソリューショ ンズのマネジングディレクター、アンドルー・スリモン氏は「FRBは 多くの銀行の財政状況にお墨付きを与えた」と指摘。「その上で銀行株 のバリュエーションに目を向けると、非常に割安に見える」と述べた。

KBW銀行指数は1.3%上昇、年初からは22%高。経済成長率の 加速や利益改善の見通しが背景にある。2011年は欧州債務危機から悪 影響を受けるとの懸念で25%下落。08年以来の悪い成績となってい た。

「銀行株に上値余地」

UBSのテクニカルアナリスト、マイケル・リーズナー氏は電話イ ンタビューで、S&P500種には下落の兆候がうかがえるが、銀行株 には上昇余地があると指摘。「かなりの強気というわけではないが、金 融株の急上昇で形成が一変した」と述べた。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の モハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)はストレステストにつ いて、景気にとって良い兆候だとの見方を示したものの、金融当局はま だ追加の資産購入を実施する可能性があると指摘した。

エラリアン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「信頼性があり明らかに良い知らせだ。実体経済への本格的な融資が始 まるであろうと誰もが大きな希望を抱いている」と述べた。

産金株は下落。景気回復で金需要が減退するとの見方が背景にあ る。ニューモント・マイニングは1%安。フリーポート・マクモラン・ カッパー・アンド・ゴールドは2.5%下落した。

一方、S&P500種の情報技術(IT)株指数は10業種の中で 最も上昇。アップルは6日続伸し、3.8%上げて589.58ドルと最高 値を更新した。モルガン・スタンレーはアップルの株価見通しを515 ドルから720ドルに引き上げた。

◎米国債:6日続落、FOMCの景気判断修正が30年債入札に重し

米国債相場は6営業日続落し、昨年10月以来の長期下落局面とな った。米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気判断を上方修正したこ とから、この日の30年債入札(銘柄統合、発行額130億ドル)で逃 避先としての米国債の妙味が低下した。

30年債入札では最高落札利回りが3.383%と、昨年8月以来の 高水準となった。一定規模の引き受け義務を負うプライマリーディーラ ー(政府証券公認ディーラー)の落札比率は56.3%。過去5回の入札 の平均は52%。10年債利回りは4カ月ぶり高水準に上昇。前日のF OMC声明を受け、量的緩和第3弾(QE3)による追加の債券購入が 実施されるとの見方が後退した。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルベ ス氏(ニューヨーク在勤)は「米国債市場での売りは大量で、あっとい う間だった」とし、「ここ数日で市場からかなりの信頼感が失われた。 米国債相場はいつ調整入りしてもおかしくない状況だった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、既発30年債利回りは前日比14ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇し3.4%。一時3.42%と、昨年10月 28日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率3.125%、2042年 2月償還)価格は2 15/32下げて94 27/32。

10年債利回りは14bp上げて2.27%。一時16bp上昇の

2.29%と、10月31日以来の高水準を付けた。16bpの上げ幅は 10月27日以降で最大。同利回りは年初以降、13日までの段階で

1.79-2.09%の間で推移している。

30年債入札

ピアポイント・セキュリティーズのプレジデント兼トレーディング 責任者のトーマス・コナー氏は「今回の入札ではプライマリーディーラ ーの落札比率が大きく、その他の落札はそれほど多くなかった」と指 摘。「FOMCは量的緩和第3弾(QE3)についても、追加のオペレ ーション・ツイストについても触れなかった。雇用は改善しつつある。 利回りについては基本的な調整を行う必要がある」と述べた。

30年債入札での最高落札利回りは、入札直前の市場予想で は3.393%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.7倍。 過去10回の入札の平均は2.63倍。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める比率は29%。 過去10回の入札の平均は31.2%。プライマリーディーラー以外の直 接入札の落札比率は14.7%。過去10回の入札の平均は16.5%。

年初来リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 年初以降の30年債のリターンはマイナス6%。米国債全体ではマイナ ス0.9%。昨年は30年債のリターンはプラス36%で、米国債全体 (プラス9.8%)の3倍以上だった。

FOMCは前日、借り入れコスト低下に向けた新たな措置には動か ず、労働市場は一段と改善していると評価した。

声明では、「失業率はここ数カ月で顕著に低下したが、なお高い水 準にある」と記された。

◎NY金:続落、一時8週ぶり安値-追加緩和の「期待打ち砕かれた」

ニューヨーク金先物相場は続落。一時8週間ぶりの安値となった。 米景気回復に伴い、金融当局による追加の刺激措置は控えられるとの 観測が強まった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は前日の声明で景気判断を引 き上げ、労働市場は改善していると指摘。一段の債券購入開始への期 待が弱まった。金は2008年12月以降85%余り上昇している。F OMCが政策金利を過去最低に引き下げ、量的緩和第1、2弾で住宅 関連証券や国債を2兆3000億ドル相当購入したことが背景にある。

ヘレウス・プレシャス・メタルズ・マネジメント(ニューヨーク) のトレーダー、フレッド・シェーンスタイン氏は電話インタビューで、 「昨日のFOMC声明で、近い将来の緩和措置に対する期待がすべて 打ち砕かれた」と指摘。「金から資金が大量に流出している」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比3%安の1オンス=1642.90ドルで終了。先月29 日以来の大幅下落となった。一時は1639.20ドルと、1月17日以 来の安値を付ける場面もあった。

◎NY原油:反落、クッシングの在庫増加-サウジは供給約束

ニューヨーク原油先物相場は反落。米オクラホマ州クッシングの 原油在庫が9カ月ぶりの高水準となったことや、サウジアラビアが原 油供給に不足が生じた場合の穴埋めを約束したことが手掛かり。

米エネルギー省の発表によると、ウェスト・テキサス・インター ミディエート(WTI)の受け渡し地点であるクッシングの在庫は先 週7%増加の3870万バレル。在庫の総計は6カ月ぶりの高水準に達 した。サウジのヌアイミ石油鉱物資源相は、世界の原油市場はバラン スが取れているとの認識を示した。

BNPパリバ・プライム・ブローカレッジ(ニューヨーク)のデ ィレクター、トム・ベンツ氏は「供給は問題ではない。供給よりも不 安の方が影響している」と指摘。「107ドル近辺まで上昇したが同水 準を抜けられず、頭打ちとなった。今は逆方向を試している」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比1.28ドル(1.20%)安の1バレル=105.43ドルで終了。在庫 統計発表前は106.58ドル付近で取引されていた。年初からは

6.7%値上がりしている。

◎欧州株:続伸、ストックス600は7月以来高値-米景気判断を好感

14日の欧州株式相場は続伸。ストックス欧州600指数は昨年7 月以来の高値に達した。米連邦準備制度理事会(FRB)が前日開催 した連邦公開市場委員会(FOMC)で景気判断を引き上げたことが 手掛かり。

ドイツ最大の公益企業エーオンが7%高。2011年通期利益が市 場予想を上回った。クレディ・スイス・グループなどの銀行株や英リ ーガル・アンド・ゼネラル・グループなど保険株も上げた。化学製品 を手掛ける仏アルケマは5%の値下がり。株主による最大4億5000 万ユーロ相当の売却が響いた。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の270.27で終了。 年初来では11%の値上がり。ユーロ圏がソブリン債危機を封じ込める との楽観や市場予想を上回る米経済指標が背景。

スイスカント・アセット・マネジメント(チューリヒ)のファン ドマネジャー、ペーター・ブレンドル氏は「米国からは引き続きかな り良い経済指標が出てきているほか、ギリシャの状況も当面は落ち着 いた」と指摘。「南欧については、節減だけではなく構造改革が進む ことを期待する。株式市場には明らかにプラスの影響をもたらす」と 付け加えた。

ストックス欧州600は前日、1.8%高で終了。ドイツの景況感が 予想以上に改善したことや米小売売上高の大幅な伸びが好感された。 14日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇した。

◎欧州債:ドイツ債は下落、米景気判断引き上げで-イタリア債は上昇

14日の欧州債市場ではドイツ国債が下落し、10年債利回りは3 カ月ぶりの大幅上昇となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が前 日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で景気判断を引き上げた ことを背景に、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が後退した。

ドイツ10年債はその他のユーロ圏諸国の国債のパフォーマンス を下回り、利回りはほぼ3週間ぶりの高水準に達した。イタリア国債 は上昇。この日の国債入札で3年物の落札利回りが1年5カ月ぶりの 低水準となったことがきっかけ。ギリシャ国債も上げた。格付け会社 フィッチ・レーティングスによるギリシャ格上げが好感された。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツの債券ストラテジス ト、エリック・ワンド氏(ロンドン在勤)は「FOMCの発表が材料 視され、ドイツ国債は下落した」と述べ、「市場が必要としていた信 頼感を与えるのに十分だった」と続けた。

ロンドン時間午後4時44分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.96%と、 2月22日以来の最高となった。同国債(表面利率2%、2022年1 月償還)価格はこの日、1.215下げ100.375。ワンド氏は同利回り が2%に向かってさらに上昇するとみている。ドイツ2年債利回りは 6bp上昇の0.24%。

イタリア入札

イタリア当局は3年債を50億ユーロ発行。落札利回りは

2.76%と、2010年10月以来の低水準だった。応札倍率は1.56 倍と、前回入札時の1.40倍を上回った。10億ユーロ相当の7年債 の落札利回りは4.3%。総発行高は60億ユーロとなり、目標上限と 一致した。

イタリア10年債利回りは前日比4bp低下の4.86%。同年限 のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は18bp縮小の 290bpとなった。

◎英国債:下落、10年債利回り2.34%-米景気判断引き上げで

14日の英国債相場は下落。10年債利回りは昨年9月以降で最大 の上昇となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が前日開催した連 邦公開市場委員会(FOMC)で景気判断を引き上げたことを背景に、 主要中銀が資産購入拡大を手控えるとの観測が高まった。

英2年債は続落。2月の英失業者数が市場予想を上回る増加とな ったものの、相場の支援要因とはならなかった。米モルガン・スタンレ ーは、英国債よりもドイツ国債への投資が有利だと顧客に指摘。英経 済がユーロ圏よりも早く回復するため、イングランド銀行(英中銀) が量的緩和(QE)を拡大する公算が小さくなるとの観測を挙げた。 英政府は15日に30年債入札を実施する。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、アンソニー・オブ ライエン氏(ロンドン在勤)は「確率が半々とみられる新たなQEか らの支援を得られない場合、英国債利回りはドイツ国債に比較して大 きく上昇するだろう」と発言。「30年債入札が明日あることから、長 期債はやや軟調となるかもしれない」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時28分現在、10年債利回りは前日比17ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.34%と、昨年 12月6日以来の高水準となった。終値ベースでは9月13日以降で最 大の上昇。同国債(表面利率4%、2022年3月償還)価格はこの日、

1.68下げ114.64。

2年債利回りは前日比5bp上昇し0.52%。一時は0.54%に 達し、11月11日以来の高水準を付けた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor:Mariko Rakuyama, Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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