3月13日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが上昇、一時83円台-FOMCが景気判断引き上げ

ニューヨークの外国為替市場ではドルが対ユーロと対円で上昇。米 連邦公開市場委員会(FOMC)は会合後に発表した声明で雇用市場が 強さを増したと指摘、景気判断を引き上げたものの、借り入れコスト低 下に向けた新たな措置には踏み切らなった。

ユーロは主要16通貨の大半に対して下落。欧州中央銀行(ECB) の政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁がソブリン債 危機への対応でECBが銀行システムに注入した緊急資金について、政 策委員が既に一部を引き揚げる方法を協議中であると明らかにしたこと が背景だった。円は一時、対ドルでほぼ11カ月ぶりの安値に下落した。

ノバスコシア銀行の為替戦略責任者、カミラ・サットン氏は、「労 働市場の若干を改善を指摘した点や原油の値上がりとそれに伴う一時的 なインフレ加速、さらに金融市場の緊張緩和に言及した以外、声明内容 に特に変化はなかった」と述べ、「つまり将来的にほぼあらゆる選択肢 が残されているということだ。これはドル相場にとってはニュートラル な材料だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.5%上昇し て1ユーロ=1.3084ドル。ドルは対円で0.9%上昇して1ドル=82 円94銭。一時は83円09銭をつけた。円は対ユーロで0.3%下げて 1ユーロ=108円53銭。

FOMCの決定

FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0%か ら0.25%のレンジで据え置いた。FF金利誘導目標は2008年12月 から変化していない。FOMCは声明で「労働市場は一段と改善し、失 業率は顕著に低下したが、なお高い水準にある」と指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の10カ国・地域(G10)担当 シニア為替ストラテジスト、ジョン・シン氏は「声明の文言の大半は投 資家が予想していた内容だ。つまり経済統計の改善と変化のない金融政 策を指摘したものだ」と述べ、「FOMC声明は金融政策の見通しをど ちらの方向にも傾けさせるような内容ではなかった」と続けた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数はFOMC声明発表後に0.3%上昇して80.122をつける場面 もあった。

日銀の政策決定会合

日本銀行の白川方明総裁は引き続き金融政策を通じてデフレ脱却を 目指すことを示唆。日銀は金融政策決定会合で政策金利を0-0.1%に 維持。資産買い入れ等基金のうち長期国債やリスク資産などの買い入れ を「30兆円」で据え置いた。

クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラ テジストによると、対円でのドル相場は期間の短い移動平均線が期間の 長い移動平均線を上抜ける「ゴールデンクロス」を形成しており、一段 の上昇余地を示している。年央までに1ドル=85円程度まで円安・ド ル高が進む可能性があるという。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ドル・円の3カ月物オ プションのインプライド・ボラティリティ(IV)指数は10.85%に 低下。前日は11.21%だった。ユーロ・ドルの3カ月物オプションの IV指数は10.73%と1週間前の11.36%から落ち込んだ。

ユーロは一時、対ドルで1カ月ぶりの安値をつけた。バイトマン総 裁は13日、フランクフルトでの会見で、「異例の措置がリスクをもた らしており、これを解消しなければならない必要性を全委員が認識して いる」と言明。「この協議は必要であり、実際に現在進行中だ。時間枠 は環境の変化を含む幾つかの要素に左右される」と発言した。

バイトマン総裁はECBのドラギ総裁にこれらのリスクを指摘した 書簡を送付。政策委員の間で意見が割れているとの観測をあおることに なった。

◎米国株:ダウ平均は07年来の高値、経済統計を好感-銀行株が高い

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は2007年以来の高値を 付けた。米小売売上高が過去5カ月間で最大の増加を示したことが手掛 かり。JPモルガン・チェースが増配を発表したことも好感された。

JPモルガンは7%急伸。150億ドル相当の自社株買いプログラ ムの発表も追い風となった。バンク・オブ・アメリカ(BOA)とゴー ルドマン・サックス・グループも大幅上昇。シティグループは大幅高で 引けたものの、取引終了後に米連邦準備制度理事会(FRB)が発表し たストレステスト(健全性審査)で最低基準に満たず、引け後の時間外 取引でマイナスに転じた。米アップルは上昇。米ジェフリーズ・グルー プが同社の株価予想を699ドルに引き上げたことが買い材料。

S&P500種株価指数は前日比1.8%上げて1395.95。ダウ平均 は217.97ドル(1.7%)高の13177.68ドルと、5営業日続伸。ナ スダック総合指数は1.9%上げて3039.88と2000年以来の高水準に 上昇した。米取引所の出来高は約75億株。過去3カ月の平均を13% 上回った。

マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク) のマイケル・ショール会長は、「スイートスポットにある」と指摘。 「四半期の終わりに近づき、株式保有の是非を投資家が落ち着いて自問 すれば、答えはノーだ。堅固な銀行が増配や自社株買いを実施するのを FRBが抑制しない限り、金融部門は上向くだろう。ただし真に市場を けん引するのは、もっと景気に敏感な銘柄だ」と解説した。

91年来の好調さ

相場は朝方の統計発表を受けて上昇した。米商務省が発表した2月 の小売売上高(速報値)は、前月比1.1%増加。FRBは13日に開催 した連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を発表し、景気判断 を引き上げた。FRBはこの日の通常取引終了後、米大手銀19行のう ち15行が深刻な景気後退のシナリオでも資本基準を満たすと発表した。

この日の相場上昇を受け、S&P500種の年初来上昇率は11%と、 この期間としては1991年以来の好調さとなった。S&P500種の主 要10業種指数は全て上昇。特に金融と資本財、テクノロジー株の上げ が目立った。

RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディング 責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は「経済情勢に改善が見 られる」とし、「金融緩和策が後押しした。株価が下げることがあると しても、上昇基調という大きな流れの中での動きにとどまるはずだ」と 述べた。

ストレステスト

KBW銀行指数は4.6%上昇。JPモルガンは7%高。普通株の 四半期配当を1株当たり5セント引き上げて30セントとすると発表 したことが手掛かり。同行はまた、150億ドル相当の新たな自社株買 いプログラムを承認した。このうち120億ドル相当は今年の実施が 承認されている。BOAは6.3%、ゴールドマン・サックスは6.5% それぞれ上昇した。

米銀3位のシティグループは通常取引終了後に35.25ドルに下げ た。FRBのストレステストで最低基準に満たなかったことが響いた。 この日の終値は6.3%高だった。

アップルは2.9%高。ジェフリーズが同社の株価予想を100ドル 引き上げたことが好感された。株価は年初来40%上昇している。同社 の株式時価総額は先月初めて5000億ドルを超えた。

◎米国債:利回りは年初来高水準-FOMCが景気判断を上方修正

米国債市場では利回りが年初来高水準に上昇した。労働市場が力強 さを増す中で米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気判断を上方修正 したほか、借り入れコスト引き下げに向けた新たな措置に動かなかった ことが背景にある。

10年債利回りは1月以降で最長の5営業日連続での上昇。2月の 米小売売上高が過去5カ月で最大の伸びとなったことにも反応した。利 回りの上昇を受け、この日実施された10年債入札(銘柄統合、発行額 210億ドル)では需要が増加した。投資家の需要を測る指標の応札倍 率は3.24倍。過去10回の入札の平均は3.1倍。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「FOMCは渋々ながらも景気の改善を認め た」と指摘。「状況が改善しつつあり、現在実施中の措置を今後講じる 必要がないかもしれないということを今認めることで、景気への信頼感 が高まるだろう。今欠けており必要とされるのはそれだ、信頼感だ」と 続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時44分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇し2.12%。一時2.13%と、昨年12月2 日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率2%、2022年2月償還) 価格は25/32下げて98 29/32。

30年債利回りは9bp上げて3.26%。この水準を付けるのは10 月31日以来初めて。

FOMCの声明では、「労働市場は一段と改善し、失業率はここ数 カ月で顕著に低下したが、なお高い水準にある」と指摘。

「下振れリスク」

声明ではまた、「世界の金融市場での緊張は和らいできているが、 引き続き景気見通しに著しい下振れリスクをもたらしている」と説明し た。

ブルームバーグ・ニュースが9-12日に実施した調査では、回答 者の61%が、金融当局はバランスシート拡大に向けた行動は起こさな いと予想。1月時点の調査では、調査対象の50%が債券購入の追加を 予想していた。

金融当局はこれまで2回の量的緩和策で計2兆3000億ドル相当の 証券を購入した。

雇用の伸びは6カ月間としては2006年以降で最高となったものの、 追加の金融緩和なく雇用最大化という目標を達成できると、バーナンキ 議長らFOMC当局者が確信するには十分ではない可能性がある。同議 長は先月の議会証言で、雇用市場は改善の兆しを示しているものの、 「正常な状態からは程遠い」と指摘した。

量的緩和第3弾の可能性

クレディ・スイス・グループのアナリスト、マヘシュ・スワミナサ ン氏は、住宅ローン債券市場での価格動向には投資家が量的緩和第3弾 (QE3)の確率を約35%とみていることが示唆されていると指摘し た。これは先週初めの20%未満から上昇しており、およそ1カ月前 の40%は下回っているという。

FOMCはこの日の声明で、経済状況から判断すると、少なくと も14年遅くまで政策金利の「異例な低水準」が正当化される可能性が 高いとの文言を変更しなかった。

投資会社BTGパクチュアルのプリンシパル、ジョン・ファース氏 は「経済予測という面では特に変わったところはない」とし、「FOM Cが経済成長に対してなお懸念を抱いているのは間違いないと私は考え ている」と述べた。

◎NY金:続落、FOMC後に下げ拡大-刺激措置拡大はないとの観測

ニューヨーク金相場は1週間ぶりの大幅安。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が声明で景気判断を引き上げたことを受けて、金融緩和に よる刺激措置の拡大はないとの見方が広がった。

金の直物相場はニューヨーク時間午後3時22分現在、前日比

1.2%安のオンス当たり1681.63ドル。これは6日以来の大幅下落と なる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、労働市場は一段と改 善しているとの見解を示した。ドルは主要通貨のバスケットに対して上 昇、代替投資先としての金の需要が後退した。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「追加の 刺激措置を期待していた金の投資家にとっては大きな失望だ」と指摘。 「引き続きドルが選好されている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.3%安の1オンス=1694.20ドルで終了。通常取引終 了後の電子取引では一時1.2%下げて1678.60ドルを付けた。

◎NY原油:反発、米小売売上高を好感-終値106.71ドル

ニューヨーク原油先物相場は反発。米小売売上高が5カ月ぶりの高 い伸びとなったことや株式市場の上昇を背景に、経済成長と需要増加に つながるとの見方が広がった。

米商務省が発表した2月の小売売上高(速報値)は、季節調整済み で前月比1.1%増加した。ダウ工業株30種平均は2007年以来の高値 に達した。連邦公開市場委員会(FOMC)が声明で景気判断を引き上 げたものの、借り入れコスト低下に向けた新たな措置には踏み切らなか ったことを背景にドルが上昇、原油は上げ幅を縮小する展開となった。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイ ソン・シェンカー社長は「明るい内容の経済指標が発表されたことで、 原油は上昇していた」と指摘。「FOMCは追加の刺激措置が実施され ることはないと示唆している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比37セント(0.35%)高の1バレル=106.71ドルで終了。今年に 入ってからは8%値上がりしている。

◎欧州株:反発、ドイツの景況感改善や米小売売上高を好感-銀行高い

13日の欧州株式相場は反発。ストックス欧州600指数は昨年7 月26日以来の高値を付けた。ドイツの景況感が予想以上に改善したこ とや米小売売上高の大幅な伸びが好感された。

オーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナルやイ タリアのウニクレディトなど銀行株が高い。フランスのニッケル生産会 社エラメットも金属価格に追随して上昇。2011年通期利益が市場予想 に届かなかった銅生産会社の英アントファガスタは値下がりした。

ストックス欧州600指数は前日比1.8%高の269.56で終了。 前日開催されたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は第2次ギリシ ャ救済策を承認した。指数は年初来で10%上昇している。

バンク・マルタン・モーレル(マルセイユ)で運用に携わるジェロ ーム・フォルネリ氏は「空模様が明るくなっている」と述べ、「欧州北 部ではかなり良い内容の経済指標が発表されており、ドイツが他国のけ ん引役になると期待している。米経済も改善しており、相場を支えてい る。株式相場に重しとなっていたソブリン債務危機によるストレスが消 えつつある。株式投資意欲が戻ってきた」と付け加えた。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がこの日発表した3月の 期待指数はプラス22.3と、前月のプラス5.4を大きく上回り、景況 感は4カ月連続で改善した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト36人の調査中央値ではプラス10.0が見込まれていた。

また、米商務省が発表した2月の小売売上高(速報値)は、季節調 整済みで前月比1.1%増加。過去5カ月で最大の伸びだった。この日 の西欧市場では、18カ国全てで主要株価指数が上昇した。

◎欧州債:ドイツ債は3日ぶり下落、景況感改善で-ギリシャ債軟調

13日の欧州債市場ではドイツ国債が3営業日ぶりに下落し、10 年債利回りは1カ月ぶりの大幅上昇となった。ドイツで企業景況感が改 善したことを受け、域内で最も安全とされる同国債の需要が後退した。

この日発表された2月の米小売売上高が大きく伸びたことを背景に 世界的に株価が上昇したことも手掛かり。ギリシャの債務交換で発行さ れた同国債は初日の取引で下落した。スペイン国債も軟調。ユーロ圏財 務相会合(ユーログループ)は12日、スペインに一段と大幅な財政赤 字削減を促した。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏 (ロンドン在勤)は「リスクに対するセンチメントが改善した」と指 摘。「ドイツ国債の利回りは最近付けた低水準付近にあることから、こ れ以上は幾分下がりにくい」と述べ、ドイツの景況感を示す「ZEW指 数は予想を大きく上回った」と続けた。

ロンドン時間午後4時35分現在、ドイツ10年債利回りは前日比 6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.82%。一時 は7bp上げ、2月13日以降で最大の上昇となった。同国債(表面利 率2%、2022年1月償還)価格はこの日、0.52下げ101.645。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた3月の期待指 数はプラス22.3と、前月のプラス5.4から上昇。米商務省が発表し た2月の小売売上高は前月比1.1%増加。前月は0.6%増だった。

ギリシャ懸念

ギリシャの10年債と30年債はともに下落。ユーロ圏財務相が前 日に1300億ユーロ相当の第2次ギリシャ支援策を承認したものの、 同国の債務削減能力をめぐっては懸念が根強い。

ギリシャの2023年2月償還債(表面利率2%)の利回りは57b p上昇し19.02%。42年償還債の利回りは41bp上げ14.20%と なった。

◎英国債:10年債下落、安全求める動き後退-住宅価格上昇と株高で

13日の英国債相場は下落。2月の英住宅価格が1年7カ月ぶり高 水準に達したほか、欧州全体で株高となり、比較的安全とされる英国債 の需要が減退した。

10年債利回りは先月29日以降で最大の上げとなった。英王立公 認不動産鑑定士協会(RICS)が集計した英住宅市場に関する調査結 果によると、2月の住宅価格指標はマイナス13と前月から3ポイント 改善し、2010年7月以来の高水準となった。

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、サム・ヒル 氏(ロンドン在勤)は英国を含む欧州で株高となったため、「英国債利 回りが若干上昇したのは驚きではない」と説明した。

ロンドン時間午後4時17分現在、10年債利回りは前日比7ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.17%。12日には 6bp低下し、先月28日以来の低水準を付けた。同国債(表面利率 4%、2022年3月償還)価格はこの日、0.72下げ116.37。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor:Mariko Rakuyama ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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