米国債:利回り年初来高水準-FOMCが景気判断を上方修正

米国債市場では利回りが年初来高水 準に上昇した。労働市場が力強さを増す中で米連邦公開市場委員会 (FOMC)が景気判断を上方修正したほか、借り入れコスト引き下げ に向けた新たな措置に動かなかったことが背景にある。

10年債利回りは1月以降で最長の5営業日連続での上昇。2月の米 小売売上高が過去5カ月で最大の伸びとなったことにも反応した。利回 りの上昇を受け、この日実施された10年債入札(銘柄統合、発行額210 億ドル)では需要が増加した。投資家の需要を測る指標の応札倍率 は3.24倍。過去10回の入札の平均は3.1倍。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「FOMCは渋々ながらも景気の改善を認め た」と指摘。「状況が改善しつつあり、現在実施中の措置を今後講じる 必要がないかもしれないということを今認めることで、景気への信頼感 が高まるだろう。今欠けており必要とされるのはそれだ、信頼感だ」と 続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後3時44分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し2.12%。一時2.13%と、昨年12月2日以来の高 水準を付けた。同年債(表面利率2%、2022年2月償還)価格は25/32 下げて98 29/32。

30年債利回りは9bp上げて3.26%。この水準を付けるのは10月31 日以来初めて。

FOMCの声明では、「労働市場は一段と改善し、失業率はここ数 カ月で顕著に低下したが、なお高い水準にある」と指摘。

「下振れリスク」

声明ではまた、「世界の金融市場での緊張は和らいできているが、 引き続き景気見通しに著しい下振れリスクをもたらしている」と説明し た。

ブルームバーグ・ニュースが9-12日に実施した調査では、回答者 の61%が、金融当局はバランスシート拡大に向けた行動は起こさないと 予想。1月時点の調査では、調査対象の50%が債券購入の追加を予想し ていた。

金融当局はこれまで2回の量的緩和策で計2兆3000億ドル相当の証 券を購入した。

雇用の伸びは6カ月間としては2006年以降で最高となったものの、 追加の金融緩和なく雇用最大化という目標を達成できると、バーナンキ 議長らFOMC当局者が確信するには十分ではない可能性がある。同議 長は先月の議会証言で、雇用市場は改善の兆しを示しているものの、 「正常な状態からは程遠い」と指摘した。

量的緩和第3弾の可能性

クレディ・スイス・グループのアナリスト、マヘシュ・スワミナサ ン氏は、住宅ローン債券市場での価格動向には投資家が量的緩和第3弾 (QE3)の確率を約35%とみていることが示唆されていると指摘し た。これは先週初めの20%未満から上昇しており、およそ1カ月前 の40%は下回っているという。

FOMCはこの日の声明で、経済状況から判断すると、少なくと も14年遅くまで政策金利の「異例な低水準」が正当化される可能性が高 いとの文言を変更しなかった。

投資会社BTGパクチュアルのプリンシパル、ジョン・ファース氏 は「経済予測という面では特に変わったところはない」とし、 「FOMCが経済成長に対してなお懸念を抱いているのは間違いないと 私は考えている」と述べた。

原題:Treasury Yields Rise to Year High as Fed Says Economy Improves(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE