今日の国内市況:株式は小反発・債券続伸、円反発-日銀追加緩和せず

東京株式相場は小反発。ギリシャの 債務問題進展で世界的な金融安定化への期待感が先行し、銀行株が上昇 した。業績に対する強気の見方も出た不動産株も買われた。相場全般の 方向性に乏しい中、政府主導の震災がれき処理の推進観測から、タクマ など産業廃棄物処理関連銘柄は急騰した。

TOPIXの終値は前日比0.05ポイント(0.01%)高の845.33、 日経平均株価は同9円22銭(0.1%)高の9899円8銭。日経平均は1万 円の大台に再び乗せる場面も見られたが、午後終盤に失速。一時マイナ ス圏に沈む場面もあった。日本銀行はきょう開いた政策決定会合で、基 本的な金融政策の現状維持を決め、追加緩和を期待する一部投資家から の失望売りが先物中心に出た。

ギリシャ財務省は12日、同国国債1773億ユーロ(約19兆1400億 円)相当について、新たな証券への交換を完了したと発表。一方、ユー ロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は同日 、ギリシャへの第2次支援が承認されることに疑いの余地はなく、14日 の最終決定を見込んでいると述べた。

ギリシャ問題の前進を受け、13日の東京外国為替市場でユーロ・円 相場は一時1ユーロ=108円60銭台と、前日の東京株式市場の取引終了 時点の107円60銭台から円安が進行。こうした欧州、為替動向を受け、 きょうの日本株市場では金融や不動産、輸出関連業種の一部が朝方から 堅調に推移した。

ただ、日銀の金融政策決定会合で政策金利、資産買い取り枠など基 本政策の現状維持を決めたことが午後2時すぎに市場に伝わると、追加 金融緩和を期待した一部の投資家から失望売りが先物などに増加。為替 の円安傾向も一服、一時108円を割り込むまで円高方向に振れ、取引終 盤にかけ電機や化学、ゴム製品など輸出、素材関連株の一角を中心に軟 調な動きに転じた。

東証1部業種別33指数では不動産、石油・石炭製品、銀行、情報・ 通信、鉄鋼、機械、証券・商品先物取引など11業種が上昇。金属製品や ゴム製品、ガラス・土石製品、海運、化学など22業種は下落。東証1部 の売買高は概算で27億5641万株、売買代金は1兆5435億円、値上がり 銘柄数は553、値下がりは926。

債券続伸、日銀据え置きも円高支え

債券相場は続伸。先物は急伸後、日本銀行の金融政策の現状維持を 受けていったん売られたが、資産買い入れ等基金の増額提案があったこ とで追加緩和観測が残った。円高基調や株価の軟化も相場を支えた。

東京先物市場で中心限月6月物は前日比1銭安の142円44銭で始ま り、午前10時過ぎには142円36銭まで下落した。しかし、午後に入る と水準を切り上げ、一時は24銭高い142円69銭まで上昇。午後2時過 ぎの日銀会合結果発表後にはいったん下げに転じたが、その後は横ばい 圏で推移し、結局は2銭高の142円47銭で引けた。

日銀は政策金利の現状維持を全員一致で決定。資産買い入れ等基金 では宮尾審議委員が5兆円増額を提案したが、反対多数で否決された。 同時に、成長基盤を強化するための資金供給については、円貨、外貨両 面での拡充により、貸付額の総額を現行の3兆5000億円から5兆5000 億円に2兆円増額することを決めた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債は前日比

0.5ベーシスポイント(bp)高い0.98%で始まり、午前は同水準で推移。 午後に入ると水準を切り下げ、1bp低い0.965%と1日以来の低水準を 付けた。日銀会合結果発表後は0.97-0.975%で取引されている。5年 物の103回債利回りは横ばいの0.295%。

超長期債が堅調。20年物の133回債利回りは一時1.5bp低い1.745% 、30年物の36回債利回りは1.5bp低い1.935%となり、ともに1日以来 の低水準を付けた。

今回の日銀会合については、足元の円安・株高基調や機械受注など 経済指標の改善などから金融政策の据え置きが見込まれていた。ブルー ムバーグが日銀ウオッチャー14人を対象に行った調査では12人が現状 維持を予想。一方で、2人のエコノミストが2会合連続の金融緩和を挙 げていた。

円反発、追加緩和見送りで

東京外国為替市場では円が反発。日銀による金融政策の現状維持を 受けて、一部で出ていた追加緩和期待の反動から円を買う動きが強まっ た。

82円23銭付近で東京市場を迎えたドル・円相場は午前に82円43 銭から一時、82円17銭まで円がじり高で推移。しかし、午後に入り、 日銀の結果発表が遅れると、追加緩和の思惑が強まり、円は一時82円 50銭付近まで売られる場面が見られた。

日銀の結果発表後には82円ちょうどを割り込み、一時2営業日ぶり の水準となる81円97銭まで円高が進んだ。ただ、先行きの緩和期待が 残る中、81円台の滞空時間は短かった。午後4時5分現在のドル・円相 場は1ドル=82円18銭前後。

ユーロ・円相場も一時、1ユーロ=108円ちょうどを割り込み、107 円89銭まで円高が進行。その後108円前半へ値を戻している。

一方、海外時間には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定され ている。米連邦準備制度理事会(FRB)の バーナンキ議長は前回1月 25日のFOMC会合で、少なくとも2014年遅くまで政策金利をゼロ付 近に維持する方針を表明。成長てこ入れのために追加資産購入を検討し ていることも明らかにした。

ユーロ圏財務相は12日、第2次ギリシャ支援を承認した。1300億 ユーロ(約14兆1000億円)の包括的ギリシャ支援策から月内に初めて の資金供与を行う道が開かれた。ユーロ圏の財務当局者らが14日に正式 承認する運び。翌日の15日には国際通貨基金(IMF)理事会でギリシ ャ支援への寄与に関する採決が行われる。

ユーロ・ドル相場は前日に一時1ユーロ=1.3079ドルと2月16日 以来の水準までユーロ安に振れていたが、その後1.31ドル半ばまで値を 戻し、この日の東京市場では一時1.3191ドルまで回復する場面が見られ た。もっとも、午後にかけてユーロは伸び悩み、足元では1.3166ドル前 後となっている。

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