円反発、日銀追加緩和見送りに失望-対ドル一時2営業日ぶり81円台

東京外国為替市場では円が反発。 日本銀行がこの日開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決 定したことを受け、一部で出ていた追加緩和期待の反動から円を買う 動きが強まった。

午後4時5分現在のドル・円相場は1ドル=82円18銭前後。 日銀の結果発表後には82円ちょうどを割り込み、一時2営業日ぶり の水準となる81円97銭まで円高が進んだ。ただ、先行きの緩和期 待が残る中、81円台の滞空時間は短かった。

JPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長は、海 外勢の中では追加緩和を期待していた動きもあったので、「マーケッ トには失望だったかもしれない」と指摘。個人的には成長基盤強化の 貸し出し増額など「予想よりか緩和的なスタンスを取っていると思う が、円ショート(売り持ち)に傾いていたので、買い戻しが入ってい る」と円の上昇を説明した。

ユーロ・円も一時、1ユーロ=108円ちょうどを割り込み、107 円89銭まで円高が進行。その後108円前半へ値を戻している。

日銀は13日開いた金融政策決定会合で、全員一致で政策の現状 維持を決定した。政策金利は0-0.1%に維持。資産買い入れ等基金 のうち、長期国債やリスク資産などの買い入れを「30兆円」、固定 金利方式の共通担保オペを「35兆円」の計「65兆円」に据え置いた。 成長基盤を強化するための資金供給については、円貨、外貨両面での 拡充により、貸付額の総額を現行の3兆5000億円から5兆5000億 円に2兆円増額することを決定した。

ブルームバーグが日銀ウオッチャー14人を対象に行った調査で は、12人が今回の会合について現状維持を予想。2人のエコノミス トが2会合連続の金融緩和を予想していた。

追加緩和期待

82円23銭付近で東京市場を迎えたドル・円は午前の取引で82 円43銭から一時、82円17銭まで円がじり高で推移。しかし、午後 に入り、日銀の結果発表が遅れると、追加緩和の思惑が強まり、円は 一時82円50銭付近まで売られる場面が見られた。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、日 銀の決定について、一部の委員が5兆円の資産買入れ基金増額を提案 したことは「将来的な追加緩和につながっていく可能性があり、少し 円に対してネガティブ」だが、「期待が高くて、かつ(発表まで)時 間がかかっただけに、インパクトは小さかった」と説明。もっとも、 白川総裁の記者会見では追加緩和の継続スタンスが示される可能性が 高いとし、「先行きの緩和和期待は残る」としている。

FOMC

一方、海外時間には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定さ れている。

山本氏は、FOMCについても変更はないとみているが、「為替 にとってのテールリスクという意味では、不胎化でないQE(量的緩 和)が検討されていたというような話になると少しドル売りになる可 能性が意識される」と話した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は前回1月 25日のFOMC会合で、少なくとも2014年遅くまで政策金利をゼ ロ付近に維持する方針を表明。また、成長てこ入れのために追加資産 購入を検討していることを明らかにした。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、雇用統計の堅 調さを受けて、FOMCではどのように声明が変更されるかが注目だ とした上で、「時間軸の修正はないだろうが、景気判断としては今ま で比較的慎重だったが、それがもう少し変わるかもしれない」と予想。 「今まではリスクセンチメントのところでドルが嗜好されていたが、 景気が良くなってのドル買いに変わってくる可能性がある」と指摘し た。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 13日発表の2月の米小売売上高は前月比1.1%増と5か月ぶりの大 幅増加が見込まれている。

ギリシャ支援を承認

ユーロ圏財務相は12日、ブリュッセルで会合を開き、第2次ギ リシャ支援を承認した。1300億ユーロ(約14兆1000億円)の包 括的ギリシャ支援策から月内に初めての資金供与を行う道が開かれた。 ユーロ圏の財務当局者らが14日に正式承認する運び。翌日の15日 には国際通貨基金(IMF)理事会でギリシャ支援への寄与に関する 採決が行われる。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)は会合後、ギリシャの民間投資家との債務交 換で同国の債務が当初予測以上に減少し、20年までに国内総生産 (GDP)比で117%に低下するとの見通しを示した。ギリシャ政 府は12日、国内法の下で発行された同国国債1773 億ユーロ(約 19兆1400億円)相当 について、新たな証券への交換を完了した と発表した。

一方、ユーロ圏財務相はスペインに対し、2012年予算について 国内総生産(GDP)比0.5%相当の追加削減を実施するよう求め た。

ユーロ・ドル相場は前日に一時1ユーロ=1.3079ドルと2月 16日以来の水準までユーロ安に振れていたが、その後1.31ドル半 ばまで値を戻し、この日の東京市場では一時1.3191ドルまで回復 する場面が見られた。もっとも、午後にかけてユーロは伸び悩み、足 元では1.3166ドル前後となっている。

--取材協力:油井望奈美 Editor:Masaru Aoki, Joji Mochida

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