白川総裁:足元の円安・株高、日銀の政策姿勢も一因に-会見

日本銀行の白川方明総裁は13日午 後、定例記者会見で、足元で円安・株高が進んでいる背景として、2 月の前回金融政策決定会合で物価1%上昇を目指して強力に金融緩和 を推進していくと表明し、一段の金融緩和に踏み切ったことが「1つ の要因」になったとの見方を示した。

白川総裁はこのところの市場動向について「国債利回りは中短期 ゾーンを中心に低下している。為替相場は国際金融資本市場における 緊張緩和や、米国経済の改善を示す動きもあって、円安方向の動きに なっている」と指摘。株価についても「グローバルな投資家のリスク 回避姿勢が弱まる中で上昇している」と述べた。

その上で「われわれ自身の政策姿勢もこうした金融市場の動きを 形成する1つの要因であったと思っているが、基本的には先ほど述べ た世界経済をめぐる大きな環境の変化が金融市場の価格形成に影響し ていると考えている」と語った。

日銀は同日の会合で、成長基盤を強化するための資金供給(成長 支援資金供給)について、①これまで対象でなかった小口の投融資を 対象に新たに5000億円の貸付枠を導入する②日銀保有の米ドル資金 を用いて新たな1兆円の貸付枠を導入する③2010年6月に導入した 資金供給について、新規貸付の受付期限を14年3月末まで2年間延長 し、貸付枠を3兆円から3.5兆円に拡大する-ことを決定した。

一朝一夕には実現できない

白川総裁は「前回の金融政策姿勢の明確化と金融緩和の一段の強 化と、今回の成長力強化はパッケージとして打ち出している」と述べ た。その上で「デフレという現象は、成長率が低下する下で将来の成 長期待がなかなか持てず、その結果、支出が本格的に増えないことの 反映だ」と言明。「デフレという問題は成長率の低下と裏返しの現象 だ」と語った。

また、「デフレから脱却し、物価安定の下での持続的な経済成長 を実現していくという課題は、一朝一夕に実現するわけではない」と 表明。「デフレからの脱却という問題は、優れて成長力をどう強化し ていくかという話である。こうした問題については粘り強い努力が 必要だ」と語った。

政治圧力に屈するのは「自殺行為」

これまでの成長強化資金供給の効果については「日本経済が直面 している最大の問題は成長力強化であるというメッセージをわれわれ としては送り続けているつもりだが、自分たちもできることは最大限 やるという姿勢を見せない限り、力を持たない」と言明。「その意味 で、制度を始めた2年前と現在を比べると、成長力強化が重要である という認識が少しずつ高まってきていることが最大の効果だ」と語っ た。

前回会合の追加緩和は政治圧力が影響したとの見方があることに ついては「政治的な圧力によって金融政策を変えるということは、中 央銀行にとって自殺行為であり、そうしたことはない」としながらも、 「中央銀行が独立した判断で中長期的な経済物価の安定という観点か ら政策を行っていくことが非常に大事であり、そうした政策を行って いける環境を作り出すことが大事だということも理解いただきたい」 と述べた。

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