LIBOR、存続危うくする当て推量ゲーム-遠ざかる動きも

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世界で360兆ドル(約2京9700兆 円)相当の証券の指標として利用されるロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)は、資金調達コストの当て推量ではなく、実際の銀行間 の取引に基づくものとならない限り、操作疑惑を乗り切って存続するこ とは難しいだろう。

資産運用会社GAM・UKのダニエル・シェアド最高投資責任者 (CIO)は「LIBORを算定するために用いられる手法は現代社会 にふさわしいものでは全くない。英国銀行協会(BBA)は一歩前に踏 み出し、20年前には妥当なシステムだったが、もはや適切でなく、改革 を進めると言う必要がある」と訴える。

英国の金融業界のロビー団体として26年間にわたってLIBORを 管理してきたBBAは、指標金利の別の算出方法を見つけるか、さもな ければ管理を他に移譲するよう求める圧力にさらされている。金融機関 が本当の借り入れコストを隠すために金利を偽っていなかったか、トレ ーダーらが共謀してLIBORを操作していなかったかについて、日本 やカナダを含む各国の監督当局が調査を進めている。

PFPグループで資産の管理・運用に携わるティム・プライス氏は 「当て推量ではなく実際の取引に基づく金利を考案することが人知を超 える業であるはずがない。これについて銀行とBBAを信頼できるとい う考えはお笑い草だ」との見方を示す。

BBAも銀行も信用できない

エディンバラ大学で金融市場における社会学を専門に研究するドナ ルド・マッケンジー教授は「新しいLIBORを要求することはできよ うが、全く同じ指標にはならないため、何千何万というこれら全ての契 約が無効になるのだろうか。推量に基づく指標であるLIBORの改善 に取り組むという点で、BBAが既に試みている以上の多くのことがで きると考えるのは難しい」と分析する。

BBAはLIBORを修正する可能性を検討しており、監督当局者 や銀行幹部らと先週協議を持った。LIBORの集計に当たっては、実 際に取引がない日でも銀行は金利を提出する必要があり、彼らの推量が 外部の検証にさらされることはないため、操作が行われやすいと投資家 は指摘している。

LIBORに対する信頼の回復策としては、イングランド銀行(中 央銀行)の下に設置が提案されている健全性監督機構(PRA)ないし BBAが、銀行の提出金利が実際の取引と合致するかどうかチェックす る案も検討されている。

BBAは電子メールで、LIBORの利用者と「技術的な協議」を 近く開始し、進展があり次第、英金融サービス機構(FSA)と財務 省、イングランド銀行に最新の情報を提供すると説明した。BBAの広 報担当者はそれ以上のコメントを控えている。

バークレイズもLIBOR離れ

コメルツ銀行の債券戦略責任者、クリストファー・リーガー氏(フ ランクフルト在勤)は、LIBORが操作されているとのクレームを受 けないようにBBAは金利を提出する銀行の数を増やすべきだと提言す る。

欧州銀行間取引金利(EURIBOR)のように銀行が匿名で金利 を提出することが可能になれば、LIBORの信頼性が増し、投資家に 実際よりも強く見せるために借り入れコストを過少申告する金融機関の 動機も薄れるというのがリーガー氏の主張だ。

一部の金融機関の間では、価格設定の指標として別の金利を採用す るLIBOR離れの動きも既に出ている。英銀3位バークレイズは先週 公表した年次報告書で、「市場慣行の変化」に合わせて、LIBORで はなく、中央銀行金利の期待指標であるオーバーナイト・インデクス ト・スワップ・レートの利用を増やしていることを明らかにした。

原題:Tainted Libor Guessing Games Face Replacement by Verified Trades(抜粋)

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