クボタ

国内農業機械最大手、クボタの益 本康男社長は、畑作事業強化のため2000億円強を投じて海外農機メー カーを買収する計画について、提案を受け入れる企業を探す作業が難 航しており、提携など買収以外で事業を拡大する方法も検討している ことを明らかにした。

益本氏は9日の都内でのインタビューで、海外農機メーカーの多 くは、他社に事業を売却することに「積極的ではない」と述べ、買収 に応じる企業を見つけるのは厳しい状況だと話した。話し合いを持ち かけた会社もあるが、交渉のテーブルについたケースはないという。

益本氏は、小麦や大豆など大規模畑作農業が盛んな「米国や欧州 市場に攻めていきたい」と述べ、200馬力以上の農機を短期に自社で 開発するのは難しく、他社の技術が必要になると認めた。その上で、 世界の人口増加に伴い食料需要急増が見込まれることなどから、事業 を売却しようとする農機メーカーは見当たらないと指摘。「M&A(買 収・合併)以外のいろんな形でお互いにメリットが出せる方法もある」 と述べ、事業提携なども模索する意向を示した。

クボタは今年1月、海外農機メーカーの買収を検討しており、買 収金額が2000億円超に達する可能性もあるとしていた。

クボタの買収報道に関しては、ランボルギーニブランドの農機を 製造するイタリアのサーメ・ドイツファール(非上場)が2月23日、 「クボタといかなる交渉も行っておらず、打診を受けたこともない」 と英文で憶測を否定するコメントを出した。

益本氏は欧州メーカーの買収に関して「話し合いというようなレ ベルではない」と述べた。ディーアやCNHグローバル、アグコとい った米国などの大手3社については「M&Aがすべてではない。協業 してもいい」と話した。

3年後に売上高1.5倍

日本と同様、水田耕作が盛んな東南アジアや中国でトラクターや コンバインの販売を伸ばしてきたクボタでは、自前のトラクターが 135馬力までにとどまり、大規模畑作に必要な大型機を自社生産して いなかった。

クボタは今年1月、ノルウェーの農機・作業機器メーカー、クバ ンランドに対し株式公開買い付け(TOB)を実施、発行済み株式数 の78.95%の応募があったと発表した。買い付け資金は約166億円。 昨年12月のTOB発表時は、食料需要が高まる中、世界的に農機市場 の拡大が見込まれ、水田に比べ耕地面積の広い畑作市場への進出が不 可欠で、大型機械や畑作機械の品ぞろえ拡充の必要があるとしていた。

益本氏は買収や提携などを通じて、農機を含む機械事業の売上高 を3年後に1兆円にしたいと述べた。今期予想比で42%増となる。機 械事業以外では、特に水関連ビジネスに期待を示し、「人、資金を集め て力を入れていきたい」と話した。水環境システムや社会インフラな どのその他の事業は現在の約3000億円から、5000億円程度に引き上 げたいとしている。

クボタの株価は13日午前、前日比0.6%高の789円で取引を開始 した。年初来では22%上昇している。

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