野良犬や麻薬密売人のたまり場、荒廃するギリシャの大学

プラトンが教え、キケロが学んだ古 都アテネでは、今や無政府主義を唱える落書きが大学のキャンパスを覆 い、野良犬が校内を走り抜ける。学生たちは移住を目指してスウェーデ ン語の授業に余念が無い。

欧州の多くの国と同様に、ギリシャの高等教育はリセッション(景 気後退)と緊縮財政の影響に打ちのめされている。2009年以来、予算 は23%削減された。その結果、冬でも建物に暖房が入らず、教授陣の給 与は減らされ、新たに採用された教授は任期が始まるまで1年以上も待 たされることがある。若年層の失業率は50%を超え、反政府デモが大学 の建物を占拠する中で、学生たちは希望を持つことが難しいと語る。

アテネ大学の学生、コンスタンティノス・マルコウさん(19)は大 学のロビーで、「人々は悲観的で落ち込んでいる。悲しみが周囲を取り 巻いている」と嘆いた。その傍らでは犬が喧嘩し、学生らはここは麻薬 の密売人や使用者のたまり場だと話す。

欧州大学協会(EUA)によれば、欧州全体で大学への財政支出が 削減され、イタリアやギリシャ、ハンガリー、英国では08年以降10%以 上の削減となった。マドリードのIEビジネススクールで雇用トレンド を研究するエコノミスト、ゲイル・アラード氏は支出削減について、農 業や軽工業中心の低生産性経済から教育水準の高い労働力を必要とする 知識経済への転換を図る南欧諸国にとって、特に打撃が大きいと指摘す る。

生産性の高い経済に転換

アラード氏はインタビューで、「イタリアやスペイン、ギリシャな どの経済にとって教育は生産性の高い経済に転換するための推進力だ」 とし、「切り抜けなければならない状況にあるからこそ、教育はこれら の国にとって他国より一層重要なものとなる」と述べた。

世界の大学ランキングで、南欧諸国の大学は北欧や米国に後れをと っている。タイムズ紙高等教育版2011-12年に掲載された世界トップ400 校のうち、南欧ではバルセロナのポンペウ・ファブラ大学が186位で最 高だった。ギリシャの教育機関で唯一リストに入ったのは276-300位の グループのクレタ大学。同リストでトップを飾ったのは米国のカリフォ ルニア工科大学だった。

原題:Greek Students Fight Stray Dogs and Despair Amid College Cuts(抜粋)

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