【個別銘柄】市況安懸念で紙パ安い、板硝子やJR西下落、東レ続伸

きょうの日本株市場で、株価変動 材料があった銘柄の終値は以下の通り。

パルプ・紙株:日本製紙グループ本社(3893)が前週末比4.7% 安の1812円、王子製紙(3861)が3.1%安の412円など。パルプ・紙 株は東証1部33業種の下落率1位。印刷用紙の主力品種である上質軽 量塗工紙の卸値が1年半ぶりに下落し、年初に比べ約3%安くなった、 と10日付の日本経済新聞朝刊が報道。日本紙Gの石巻工場(宮城県石 巻市)の主力生産設備が9日に再稼働したこともあり、需給悪化によ る紙市況の一段の悪化が懸念された。SMBC日興証券では、セクタ ー判断「中立」を継続。多少の円安では輸入紙の流入ペースに影響は 出にくいとし、軽量コート紙だけでなく、国内の印刷洋紙市況は供給 過剰を主因に年末に向け軟化トレンドを続ける、と予想した。

日本板硝子(5202):4.7%安の123円。米系格付け会社のムーデ ィーズ・ジャパンは9日、板硝子の発行体格付けを「Ba1」から「B 1」に下げた。欧州景気の悪化や新興国での厳しい競争、投入コスト の上昇圧力で、今後1年から1年半は収益とキャッシュフローの改善 は限定的との見方を示唆。さらにムーディーズでは12日、発行体格付 けを取り下げ、新たにコーポレートファミリーレーティング「Ba3」 を付与した。ブルームバーグ・データによると、アナリスト16人のう ち、直近4週間で7人が来期の連結営業損益予想を下方修正、16人の 予想平均は400万円の赤字となっている。

プレナス(9945):7%高の1405円。三菱UFJモルガン・スタ ンレー証券は投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」 に、目標株価を1300円から1700円に引き上げた。新規展開エリアの 関西、中京などで知名度向上から既存店売り上げが大幅に伸びている 点などを踏まえ、2013年2月期の連結営業利益予想68億円から83億 円に見直したことなどに伴う。

JR西日本(9021):2.8%安の3415円。CLSAアジアパシフィ ック・マーケッツは9日、投資判断を「アウトパフォーム」から「ア ンダーパフォーム」に、目標株価を3700円から3500円に下げた。全 日本空輸系の格安航空会社(LCC)、ピーチの参入でJR西日本が 86%のシェアを握る京阪神-福岡で、新幹線売上高の24.3%に影響が 及ぶ見込みで、JR西日本株の値上がり益を確定する時が来たと指摘。 上昇余地が大きいJR東日本(9020)株への乗り換えを提案した。

東レ(3402):3.8%高の606円と3日続伸。13年3月期の連結業 績は「12年3月期に比べ若干の増益になりそう」と、今期に続く最高 益更新の見通しを日覚昭広社長が会見で示したと10日付の日経新聞 朝刊が報道。業績堅調を見込む買いが優勢となった。SMBC日興証 券は9日に投資判断「アウトパフォーム」、みずほ証券は12日に判断 「買い」を継続。SMBC日興証では、同社が9日に発表した炭素繊 維の能力増強計画について、世界シェア首位の座を一層強固にする投 資案件でポジティブと評価した。

大正製薬ホールディングス(4581):2.7%安の6520円。3月末ま でを期間とする自社株買いを9日で全て終了した、ときょうの取引開 始前に発表。取得した累計株数は233万9900株、金額で149億8455 万 円、計画では上限280万株(150億円)だった。株式需給の好転期待 が剥落した。

ラサ商事(3023):7.3%高の440円。12年3月期の純利益予想を 従来比19%増の8億4000万円に上方修正する、ときょう午後1時半 に発表。環境設備関連事業の大型案件の売り上げの一部が、来期から 今期に前倒しになったことが寄与する。また、期末配当予想は1株当 たり8円から10円に増やし、年間で前期比4円増の15円にする方針。

鉱業株:国際石油開発帝石(1605)が1.1%高の56万4000円、 石油資源開発(1662)が2.9%高の4090円など。鉱業は、東証1部33 業種の上昇率3位。米労働省が9日に発表した2月の雇用統計による と、非農業部門雇用者数は前月比22万7000人増と3カ月連続で増加 数が20万人を超え、エコノミストの予想中央値21万人増も上回った。 米雇用の改善に安心感が広がる中、同日のニューヨーク原油先物は前 日比0.8%高の107.40と3日続伸し、関連企業の収益にもプラスにな るとみられた。

日本コークス工業(3315):5.5%高の134円。残余のC種優先株 式1400万株全てを自己株式として取得、消却すると9日に発表。普通 株転換による1株価値希薄化の回避、優先株配当の負担軽減などが評 価された。今回の決定に伴い同社では、12年3月期末の配当計画を従 来の1株2円から3円に増配する方針。

カナモト(9678):8%高の988円。東日本大震災被災地、台風・ 集中豪雨災害地域での復旧・復興需要を取り込み、採算面では資産の 適正配置、経費削減を進め、11年11月-12年1月期(第1四半期) の連結営業利益は前年同期比2.1倍の23億1600万円だった、と9日 に発表。前期比3割増の37億8000万円を見込む12年10月通期予想 に対する進ちょく率は61%に達し、計画上振れが見込まれた。

ステラケミファ(4109):3.5%安の2070円。12年3月期の連結 純利益は前期比53%減の8億6000万円になる見通し、と9日に発表、 前回予想から52%の減額修正となった。主原料の無水フッ酸が予想価 格を上回り、利益を圧迫するほか、エルピーダメモリ向け売掛金を貸 倒引当金として計上することも響く。

ジーエス・ユアサコーポレーション(6674):2.3%高の448円。 トヨタ自動車(7203)の新型ハイブリッドカー「アクア」と新型プラ グインハイブリッドカー「プリウスPHV」に同社の鉛蓄電池が採用 されたと、きょう午前に発表。今後の収益寄与を見込む買いが入った。

王将フードサービス(9936):1%高の1968円。2月の既存店売 上高は前年同月比3.6%増だったと、きょう午前11時に発表。21カ月 ぶりに前年水準を上回り、収益底打ちを期待する買いが先行した。

沢井製薬(4555):1.4%高の8490円。JPモルガン証券は9日、 目標株価を1万円から1万2000円に引き上げた。投資判断は「オーバ ーウエート」を継続。新製品発売効果もあり、同社の医療機関への納 入実績は四半期ごとに改善、第4四半期はさらにモメンタムが良くな っている、との認識を示した。

日東製網(3524):4.1%安の164円。主力の漁業関連で養殖用網、 漁船や定置網などの震災被災地の復興需要で売り上げが伸び、11年5 月-12年1月期の連結営業損益は5億1200万円の黒字と前年同期の 3億600万円の赤字から改善した、と9日に発表。ただ四半期ごとに 見ると、第3四半期は6800万円の黒字と、第1四半期の1億6900万 円、第2四半期の2億7500万円と比べ鈍化しており、収益の先行きを 懸念する売りに押された。

丹青社(9743):2.1%高の240円。工事の利益率が改善し、12年 1月期の連結営業利益は7億2000万円と従来計画の5億4000万円か ら上振れたもよう、と9日に発表。前の期との比較では減益率が29% に縮小したため、採算改善を好感する買いが入った。

サイバーエージェント(4751):2.7%高の24万円。三菱UFJモ ルガン・スタンレー証券は9日、投資判断を「ニュートラル」から「ア ウトパフォーム」に、目標株価を24万5000円から27万3000円に引 き上げた。カードバトル系などパチンコに近いソーシャルゲーム市場 成長の恩恵を受けるとの見方に基づき、同証による12年9月期の連結 営業利益予想を175億円から189億円に増額修正したことに伴う。13 年9月期は、231億円から224億円に見直した。

トーシン(9444):1.5%高の4445円。主力の移動体通信関連事業 が大きく売り上げを伸ばし、11年5月-12年1月期の連結営業利益は 前年同期比35%増の5億4600万円だったと9日に発表。足元の業況 堅調を好感する買いが先行した。前期比56%増の7億4500万円を見 込む12年4月通期計画は据え置き。

日本アビオニクス(6946):6.5%安の116円。赤外線・計測機器 などの民需製品が設備投資抑制、価格競争激化の影響で予想以上に落 ち込み、12年3月期の連結営業利益は4億円の赤字に転落する見通し と9日に発表。従来計画は3億5000万円、前期は2億4200万円のそ れぞれ黒字。足元の厳しい業況が嫌気された。

ゲンダイエージェンシー(2411):3.8%高の7万9400円。広告事 業で、パチンコホール新規出店の告知案件獲得が昨年12月から堅調な ほか、デザイン業務の内製などコスト削減も進め、12年3月期の連結 営業利益は15億円と従来予想の13億700万円から上振れるもよう、 と9日に発表。前期比では減益率が11%減に縮小する見込みで、収益 性好転を材料視する買いが入った。

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