債券上昇、投資家の需要や日銀会合見極め-米雇用統計通過で出尽くし

債券相場は上昇。前週末の米国市場 で、2月の雇用統計を受けて、株高・債券安となったものの、材料出尽 くし感が出たほか、期初に向けた債券残高の積み上げ需要から買いが優 勢となった。日本銀行の金融政策決定会合を見極めたいとの意向も相場 の支えとなっている。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用グループリーダーは 、「前週末の米雇用統計を警戒して、これまで買えていなかった投資家 が多かったため、現物債に買いが入っているもよう。日銀の政策スタン スに変化がない限り、イベント通過で、期末に向けて買い安心感が広が っている」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は3営業日ぶりに反発。前週末終値 比1銭高の142円30銭と、この日の安値で始まった。その後は、買いが 優勢の展開となり、結局、16銭高の142円45銭とこの日の高値で引け た。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、「ギリシャ債務 交渉や米雇用統計を通過し、金利上昇を警戒していたものの、それほど 上昇しなかったので、投資家から買いが優勢となっている」と説明した 。また今週12、13日の日銀金融政策決定会合については、「3月に追加 緩和がなくても、4-6月に追加緩和があるかもしれないと見込んでい る」と言う。

国内株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落。前週末比39 円88銭安の9889円86銭で取引を終了した。

新発10年債利回りは0.975%に低下

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回りは 前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.98%で始まった。その 後は、徐々に水準を切り下げ、1bp低い0.975%と7日以来の低水準 をつけた。また新発5年物103回債利回りも1bp低い0.295%に低下、 8日以来の低水準となった。

9日の米国債相場は下落。2月の雇用統計で3カ月連続の20万人以 上の雇用増となり、金融当局は追加の景気刺激策に踏み切らないとの見 方が強まった。米10年債利回りは2bp上昇の2.03%程度。一方、米 株式相場は上昇。米国経済に対する楽観的な見方が強まった。

米労働省が9日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比22万7000人増となった。 ブルームバーグ・ニュース調査の予想中央値は21万人増だった。前月は 28万4000人増加(速報値24万3000人増加)に修正された。家計調査 に基づく失業率は8.3%で前月と変わらず。米連邦準備制度理事会(F RB)は13日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「非農業部門雇 用者数が3カ月平均で25万人増加へと加速していく姿が見えない限り、 米利上げの想定時期前倒しは起こらないだろう」と説明した。

日銀会合

一方、日銀はきょうから2日間の日程で、金融政策決定会合を開催 する。ブルームバーグが日銀ウオッチャー14人を対象に行った調査で、 12人が現状維持を予想した。ただ今会合も2人のエコノミストが2会合 連続の金融緩和を予想している。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「一部に連 続の緩和強化で円安と株高の押し上げを図るとの見方がある。しかし、 その予測では先行していた私も、さすがに今回は見送りと予想する」と 説明した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE