中国の景気減速感が強まる、緩和策導入も-アジア各国も検討

中国の1、2月の経済成長は 減速した。輸出と内需が共に市場予想よりも速いペースで鈍化し たことが響いた。世界2位の経済規模を持つ同国で、当局が景気 刺激策の導入を加速させる可能性が高まっている。

10日発表の中国の2月の貿易収支は少なくとも22年ぶりの 大幅赤字となった。9日発表の1-2月の工業生産は2009年以来 の低い伸びで、小売売上高はエコノミスト予想の中央値を下回っ た。インフレは鈍化し、新規融資も前月を下回り、当局による信 用緩和の余地が広がった。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、中国には理 論的に預金準備率引き下げの大きな余地があると言明。人民元の 中心レートが引き下げられたこともあり、同日の元相場は大きく 下落している。

国際通貨基金(IMF)で中国担当責任者を務め、現在は米 ブルッキングス研究所シニアフェローであるエスワール・プラサ ド氏は「アジア全域でマクロ経済政策の重点が成長の下支えへと 移りつつある」と分析。「多くの国が外部からの衝撃が波及する可 能性に備えて、一定の政策余地を残している」と述べた。

預金準備率

人民銀は08年以来となる利下げに踏み切るか、市中銀行の預 金準備率引き下げを実施する可能性がある。アジアの政策当局は インフレ制御とのバランスを取りながら、欧州債務危機の深刻化 に備え政策余地を残す姿勢だ。インドは先週、市場予想に反して 預金準備率引き下げを発表。オーストラリア準備銀行(中央銀行) は利下げ余地があるとの見解を示し、韓国やインドネシアは景気 刺激策を控えている。

周総裁は北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に 相当)に合わせて開かれた記者会見で、資本動向と外貨準備の変 化が預金準備率に関する決定で重要な要因だと説明。人民銀は先 月、過去3カ月で2回目となる預金準備率の引き下げを実施した。 周総裁は、預金準備率引き下げは政策緩和を示唆するものではな いとも語った。

人民銀はまた声明で、「穏健(慎重)」な金融政策の継続をあ らためて表明した上で、必要に応じ政策を微調整すると指摘。世 界最大に膨らんだ外貨準備の管理については、「新しいアイデア」 が用いられると付け加えた。

みずほセキュリティーズアジアの中華圏担当チーフエコノミ スト、沈建光氏(香港在勤)は、人民元の上昇は「困難だろう」 と話す。野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、 張志偉氏(香港在勤)は、中国当局が今月利下げし、4月以降に 預金準備率を引き下げると予想している。

--Zheng Lifei and Li Yanping in Beijing, with assistance from Shamim Adam in Singapore. Editor: Paul Panckhurst

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