今日の国内市況:株式は3日ぶり反落、債券上昇、円相場82円台前半

東京株式相場は3日ぶりに反落。 テクニカル指標から見た過熱感が再び強まっている中、為替の円安一服 、中国の軟調な経済統計が嫌気され、キヤノンやコマツなど輸出関連株 の一角が売られた。洋紙需給、市況の悪化懸念でパルプ・紙株も安く、 銀行や保険、海運株も軟調。

TOPIXの終値は前週末比3.43ポイント(0.4%)安の

845.28、日経平均株価は39円88銭(0.4%)安の9889円86銭。日 経平均は続伸して始まり、取引開始と同時に1万円の大台に再び乗せた が、その後は徐々に伸び悩み、午後の取引ではTOPIXとともにマイ ナス圏で推移した。

東証1部の上昇、下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオ(25日移 動平均)は9日時点で2月23日以来、約2週間ぶりに140%を超えて いた。同レシオでは、120%を超すと目先の相場過熱を示す。過熱警戒 感が再燃していた中で、12日東京外国為替市場では、前週末に約11 カ月ぶりの円安水準を付けたドル・円相場が一時1ドル=82円11銭 と、円安が一服。

また、中国の税関総署が10日に発表した2月の貿易収支は、315 億ドル(約2兆5800億円)の赤字となり、赤字は1年ぶり。中国の低 調な経済統計を受けたきょうのアジア株式市場は、香港ハンセン指数が 一時前週末比0.7%安となるなど軟調だった。こうした動きは、日本株 の取引参加者の心理悪化にもつながり、午後に相場が弱含む一因となっ た。

東証1部33業種の下落率上位はパルプ・紙、海運、銀行、陸運、 保険、機械、ガラス・土石製品など。下落率1位の紙パに関しては、印 刷用紙主力の上質軽量塗工紙の卸値が1年半ぶりに下落し、年初に比べ 約3%安くなったと10日付の日本経済新聞朝刊が報道。また、日本紙 Gが9日に石巻工場の主力設備を再稼働させたことも、需給悪化懸念に つながった。一方、上昇率上位には繊維製品、鉱業、金属製品、精密機 器などが並んだ。

東証1部の売買高は概算で22億6085万株、売買代金は1兆2894 億円、値上がり銘柄数は535、値下がりは996、国内新興市場は、ジャ スダック指数が前週末比0.4%高の52.14と3日続伸、東証マザーズ 指数が同1.1%高の386.39と続伸した。

債券上昇

債券相場は上昇。前週末の米国市場で、2月の雇用統計を受けて、 株高・債券安となったものの、材料出尽くし感が出たほか、期初に向け た債券残高の積み上げ需要から買いが優勢となった。日本銀行の金融政 策決定会合を見極めたいとの意向も相場の支えとなっている。

東京先物市場で中心限月6月物は3営業日ぶりに反発。前週末終 値比1銭高の142円30銭と、この日の安値で始まった。その後は、買 いが優勢の展開となり、結局、16銭高の142円45銭とこの日の高値 で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.98%で始まった。 その後は、徐々に水準を切り下げ、1bp低い0.975%と7日以来の 低水準をつけた。また新発5年物103回債利回りも1bp低い

0.295%に低下、8日以来の低水準となった。

9日の米国債相場は下落。2月の雇用統計で3カ月連続の20万人 以上の雇用増となり、金融当局は追加の景気刺激策に踏み切らないとの 見方が強まった。米10年債利回りは2bp上昇の2.03%程度。一方、 米株式相場は上昇。米国経済に対する楽観的な見方が強まった。

米労働省が9日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比22万7000人増となっ た。ブルームバーグ・ニュース調査の予想中央値は21万人増だった。 前月は28万4000人増加(速報値24万3000人増加)に修正された。 家計調査に基づく失業率は8.3%で前月と変わらず。米連邦準備制度理 事会(FRB)は13日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。

一方、日銀はきょうから2日間の日程で、金融政策決定会合を開催 する。ブルームバーグが日銀ウオッチャー14人を対象に行った調査で、 12人が現状維持を予想した。ただ今会合も2人のエコノミストが2会 合連続の金融緩和を予想している。

ドル82円台前半で伸び悩み

東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=82円台前半で伸 び悩んだ。市場の予想を上回る米雇用統計を受けてドル買いが進んだも のの、上昇スピードへの警戒感が生じたほか、週内に予定されている日 米の金融政策決定会合を見極めたいとの姿勢も強く、ドルの上値は限ら れた。

前週末の海外市場では一時82円65銭と、昨年4月27日以来の水 準までドル高・円安が進行。ドル・円相場の相対力指数(RSI、14 日ベース)はドル買われ過ぎの目安となる70を上回っており、週明け の取引では朝方に付けた82円57銭を上値にじり安に展開。午前には 一時82円11銭まで下押しされた。午後4時10分現在は82円23銭 付近で取引されている。

円は主要16通貨に対して全面高の展開となり、ユーロ・円相場は 午前の取引で一時1ユーロ=107円52銭と、2営業日ぶりの水準まで ユーロ安・円高が進んだ。

日銀は12日から2日間の日程で金融政策決定会合を開催。また、 米連邦準備制度理事会(FRB)は13日に連邦公開市場委員会(FO MC)を開く。日銀の白川方明総裁は8日、衆院財務金融委員会で、 デフレ脱却は極めて重要な課題であり、「今後とも日銀としては、先行 きの経済・物価動向を注意深く点検した上で、デフレ脱却に向けて全 力を挙げていきたい」と語った。

9日に発表された2月の米雇用統計によると、非農業部門の雇用者 数は前月比で22万7000人の増加と、ブルームバーグ・ニュースがま とめた市場予想の中央値21万人増を上回った。また、1月分の増加幅 は28万4000人と、速報値の24万3000人から上方修正された。

しかし、家計調査に基づく失業率は8.3%で前月と変わらず。FR Bのバーナンキ議長は2月29日に下院金融委員会で証言し、「現在の ところ、失業率が高水準にとどまり、インフレ見通しは抑制されている ことから、極めて緩和的な金融政策スタンスの維持が二つ(物価安定と 最大限の雇用確保)の目標達成に向けた取り組みと合致していると、F OMCは判断している」と述べている。

一方、ギリシャ政府が民間投資家に提案していた債務交換は、

95.7%を保有する債権者が参加することとなった。政府は自発的参加 者以外にも減免を強制する集団行動条項(CAC)も活用し、史上最大 のソブリン債再編を実行する。

ユーロ圏財務相は9日の電話会議で、債務交換が実現することは 1300億ユーロ規模の第2次救済への条件をギリシャが満たしたことを 意味するとの見解で一致。また、債務交換のインセンティブとギリシャ の利払い原資となる計355億ユーロ相当の支払いも承認した。救済の 主要部分である残りの額については12日にブリュッセルでの会合で決 定する。

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