米株の動向、米国債市場と収れんか-輸送株が景気低調示唆

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米株式市場で、輸送株と産業株の 動向が分岐しつつある。これは、景気回復が今後数カ月にわたって低調 なまま推移するとの債券市場の見方に、株式投資家も同調し始めた兆し かもしれない。

ダウ輸送株平均は2月3日に付けた半年ぶりの高値からこれまでに

3.9%下落したのに対し、ダウ工業株30種平均はこの間0.5%上昇し た。フェデックスやユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)など 20銘柄で構成するダウ輸送株平均は、2000年のハイテクバブル崩壊の 際には他の業種より先にピークを迎えた。07年には、より広範な株価 指数より3カ月早く弱気相場に入った。

米株式市場調査・資産運用会社ビリニー・アソシエーツの創業者ラ ズロー・ビリニー氏は、輸送株の下落は3年間の強気相場の終わりを示 唆するものではないとみているが、ロバート・W・ベアードやレッグ・ メイソンの運用担当者は、昨年10月以降で25%のS&P500種株価指 数上昇はペースが速過ぎた可能性を指摘する。もっとも10年物米国債 利回りは2%付近にとどまっている。リセッション(景気後退)後とし ては、第2次世界大戦後で最も鈍い景気回復がエコノミストの間で予想 されている。

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルース・ ビトルズ氏は6日の電話取材に対し、「健全な市場では、すべてが同じ 方向に動く」とし、「その動きが分岐し始めたら、問題が起きつつある かもしれないという警告だ」と語った。

先週は上昇

先週はS&P500種が0.1%高の1370.87となった。週後半の3 営業日で上昇したことで、週間ベースで今年2回目となる下落を回避し た。6日には1.5%安と、昨年12月8日以来最大の下落となったが、 米雇用統計で雇用者数の伸びが予想を上回ったことなどを手掛かりに株 価が持ち直した。

この5カ月にS&P500種とダウ工業株は上昇したが、10年物米 国債利回りは11月1日以降、2%からの上昇幅が16ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)以内にとどまっている。

レッグ・メイソンの運用担当者ウェイン・リン氏は8日の電話取材 に対し、「現在は世界経済成長の方向性に関する見方がかなり分かれて おり、二極化した状況にある」と指摘。「企業収益の伸びが転換点を迎 えつつあるほか、欧州の経済活動は減速基調にあるとみられるため、私 は債券市場の見方に若干傾いている」と述べた。

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