【今週の債券】長期金利1%付近か、円安・株高警戒-好需給が下支え

今週の債券市場で長期金利は1月 下旬以来の高水準となる1%付近の推移が見込まれている。足元の円 安、株高基調を背景に売り圧力がかかりやすい。半面、投資家需要を背 景とした需給環境の良さが相場を下支えするとの見方が出ている。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが9日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは、 全体で0.95-1.05%となった。前週末の終値は0.985%。1%台に 乗せると1月25日以来となる。

前週の長期金利は0.9%台後半で推移した。30年、5年と週2回 実施された国債入札が順調となるなど需給の良さが支えとなった半面、 円安進行や日経平均株価が一時7カ月ぶりに1万円の大台を回復したこ とが売り材料となった。週末の米国市場では2月の米雇用統計で堅調な 米雇用情勢が確認されたことで円相場は1ドル=82円台半ばと10カ 月半ぶりの円安・ドル安水準まで達した。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは、今週の長期金利について「上昇圧力がかかりそう。ギリ シャの債務問題が一段落することで、市場の関心はファンダメンタルズ (経済の基礎的諸条件)にシフトする」と予想する。

日本銀行は12、13日に金融政策決定会合を開く。指標改善や足元 で株高、円安基調となっており、今回は現状維持が見込まれている。ブ ルームバーグ調査では12人が現状維持を予想した。もっとも、前回2 月の会合では1%の物価上昇を目指して強力に金融緩和を推進すると表 明した。三井住友海上火災保険の高野徳義氏は、「現状維持が大方の見 方だが、前回に続いて、予想外の追加緩和の可能性も意識されるだろ う」と話した。

一方、海外では12日にユーロ圏財務相会合、13日には欧州連合 (EU)財務相会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)などの重要な 日程が予定されている。

15日に20年債入札

15日に20年利付国債(3月発行)の入札が実施される。前週6 日に実施された同じ超長期ゾーンの30年債入札が順調だったことから 警戒感は出ていない。三井住友海上の高野氏は、「20年債入札で利回 りが1.75%を上回っていれば需要には問題ない。生保は株を売って超 長期債を買わざるを得ない面もある」と言う。

今回の20年債入札について、前週末の入札前取引では1.78%程 度で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債と横ばいの1.8% が見込まれている。発行額は前回債と同額の1兆1000億円程度。

9日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は6月物、新発10年国債利回りは321回債。

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人氏

先物6月物141円80銭-142円60銭

新発10年債利回り=0.97%-1.05%

「米国はじめ世界経済の先行き楽観見通しが優勢なだけに、リスク オン(選好)の動きから株高・円安基調が続き、これまで反応薄だった 債券が売られやすくなりそう。期末接近で国内投資家の取引は手控えら れるが、外国人などから長期・超長期債に売りが出る可能性がある。 10年債は今後3カ月に0.9-1.2%のレンジを予想する」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物141円70銭-142円60銭

新発10年債利回り=0.95%-1.05%

「今週の日銀金融政策決定会合や米FOMCではともに金融政策の 変更はないとみている。日米で株価が上昇しており、様子見姿勢ではな いか。先週行われた30年債入札では買いが入ったので、今週実施の 20年債入札も大丈夫ではないかとみている。株高にもかかわらず、債 券の需給は良好となっている」

◎三井住友海上火災保険の高野徳義氏

先物6月物142円00銭-142円60銭

新発10年債利回り=0.96%-1.01%

「リスクオンの流れだが、国債は償還見合いの買いもあり、年度内 に売られたところはしっかりした需要が見込まれる。超長期のスティー プ(傾斜)化は地方債や事業債の発行需要、持ち高入れ替えといった年 度末特有の動きが影響している。株価は復興需要なども織り込んでいる が、その先の景気をみておく必要もある」

◎SMBC日興証券の土井俊祐マーケットアナリスト

先物6月物141円95銭-142円45銭

新発10年債利回り=0.98%-1.025%

「弱含みもみ合いの展開か。楽観局面が継続する中、日銀緩和期待 の影響が限られる長期金利には多少の上方圧力がかかる。一方、決算期 末を控えてボラティリティ(相場変動性)低下継続の見通しから値幅は 限られる。米10年金利が2%近傍のレンジを脱し切れていないことも 継続的な金利上昇の困難さを示唆している」

--取材協力:池田祐美、赤間信行、船曳三郎 Editors:Masaru Aoki,Hidenori Yamanaka

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