NY外為:ドルが上昇、米雇用統計受け緩和観測後退-82円台

ニューヨーク外国為替市場ではドル が円に対して10カ月ぶりの高値となった。過去6カ月間の米雇用の伸び が2006年以来の最大となるなか、金融当局が追加刺激策を実施するとの 観測が後退した。

ユーロは軟調に推移。ギリシャ政府による債務交換での集団行動条 項(CAC)発動は信用事由となり、約30億ドル相当のクレジット・デ フォルト・スワップ(CDS)の決済を引き起こすことになる。カナ ダ・ドルとメキシコ・ペソは対ドルで下げ渋る展開となった。両国にと って最大の貿易相手国である米国の消費支出の見通し改善が背景にあ る。ノルウェー・クローネは安い。同国政府と中央銀行は自国通貨高の 抑制に向け口先介入を強めている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループの為替ストラ テジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在 勤)は、「米金融当局者はこの日の雇用統計をみてその力強さを認識 し、仮に一段の刺激措置で経済を下支えするとしても、従来と同じ方法 にはならないと考えているだろう」と指摘。「米経済指標の改善はユー ロや英ポンド、円に対してドルを支えている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で1.1%高の1ドル =82円46銭。一時は82円65銭と昨年4月以来の高値を付けた。ドルは対 ユーロで1.1%高の1ユーロ=1.3123ドル。

バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンのiFlowデータ によると、過去5日間のユーロからの資金流出額累計は過去1年間の平 均の1.5倍となった。一方、この日の米国債への資金流入は平均の2倍 となっている。

利回り格差

米国債相場は3日続落し、日本国債に対する米国債利回りの上乗せ 幅は拡大した。両国の2年債の利回り差(スプレッド)は20ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)。

円は過去3カ月間に6.9%下落と、先進10カ国通貨で構成するブル ームバーグ相関加重通貨指数のなかで値下がり率トップとなっている。 ドルは0.5%安、ユーロは2.7%の値下がり。

高利回り通貨はユーロと円に対して上昇。ドイツ銀行のCVIS指 数によると、主要10カ国(G10)通貨の3カ月物オプションのインプラ イドボラティリティ(IV、予想変動率)は10.2%に低下した。過去6 カ月間の平均は12.4%。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロと円は今のところ借り 入れ通貨として最も選好されているようだ。結果として大きく売られて いる」と指摘。「現時点でユーロと円のどっちを買うか明確な選択肢が ないため、ユーロの対円相場は動いていない」と述べた。

米雇用統計

カナダ・ドルは対米ドルで前日比ほぼ変わらずの1米ドル=99.05 カナダ・セント。メキシコ・ペソは0.3%高。

ノルウェー・クローネは対ドルで2%安と、主要16通貨では対ドル で値下がり率トップ。ノルウェーのギスケ貿易・産業相はクローネ高で 輸出が打撃を受けていると指摘した。

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比22万7000人増。前月は28万4000 人(速報値24万3000人)の増加に修正された。家計調査に基づく失業率 は8.3%で前月と変わらず。

原題:Dollar Reaches 10-Month High as Jobs Dim Outlook for Fed Easing(抜粋)

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