外為特会の積立金制度を廃止-剰余金はFB償還に充当し圧縮

政府は介入資金などを管理する外国 為替資金特別会計(外為特会)の健全性確保のため、同特会の外貨資 産運用益から得た剰余金の積立金制度を2013年度から廃止する。資産 と負債の両建てとなっている100兆円超の同特会の規模を圧縮し、介 入資金の円滑な運営を図ることが狙い。8日午前、閣議決定された特 別会計改革法案に盛り込まれた。

外為特会は資産として、介入で得た外貨(約100兆円)と、財政 投融資(財投)に預託された円貨の積立金(約20兆円)の計約120 兆円を保有。負債は、介入に必要な円貨の借り入れや、財投預託時に 外貨の剰余金を円に転換(円転)するために発行した政府短期証券(F B)など計約135兆円から成り、為替含み損などで約15兆円の債務超 過に陥っている。

今回の法改正では、剰余金の財投への預託義務を見直し、原則と してFBの償還に充当するとともに、積立金についても財投からの満 期償還分を再預託せず、FB償還に回すことで本体を取り崩す。これ によって、剰余金の円転に伴うFB発行残高の増加を抑制するととも に、特会の円貨資産も圧縮する。

FB発行残高は年間最大の介入(約32兆円)を実施した03年度 以降、急激に増加し、07年度には102.9兆円と100兆円を突破した。 さらに、歴史的な円高進行を受けて、一昨年の9月以降4回にわたっ て総額約16兆円の円売り・ドル買い介入を実施したことから、11年 度末のFB発行残高は129兆円に上る見通しだ。

政府は今年度第4次補正予算で、為替介入に必要な円貨を調達す るためのFB発行枠を30兆円拡大し、195兆円に引き上げた。これに よってFBの発行余力は66兆円程度と過去最大規模を確保すること になる。積立金分のFB償還が順調に進めば、追加的に20兆円程度の 発行が可能となる。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストはブルームバ ーグ・ニュースに対し、今回の見直しについて「FBの増加は財政の 硬直化につながる。その点が解消され、バランスシートの両方を落と していくことで非常にクリアになる」と評価。財投債の発行増につな がる可能性を指摘しながらも、本来、外為特会の剰余金に頼ることな く対応すべきだとの認識を示した。

外為特会の積立金は「埋蔵金」として批判され、一般財源として 活用を求める声が強まっていた。一方で、政府の行政刷新会議は10 年の事業仕分け第3弾で、外為特会の外貨運用益をFBで円に換えて 負債が積み上がる構造を見直し、積立金も中期的に債務の償還に充て るとの結論を示していた。

これを受け、政府は1年間の時限措置として財政投融資の満期償 還分を再預託せずにFB償還に充てる「繰替使用」制度を活用し、11 年度に約3.4兆円、12年度に約3兆円の計約6.4兆円をFB償還に充 てる方針。今回の法案が成立すれば13年度から恒久的な制度に移行す ることになる。FB償還分を除いた剰余金の一般会計への繰り入れ制 度は財源確保のため継続する。

政府は今年1月に閣議決定した特会改革の基本方針で、外為特会 の積立金について13年度より繰替使用ではなく、財投預託金を減額し て政府短期証券を償還することで「資産・債務残高を縮減し、剰余金 相当額を円貨資産として保有し続けない対応を図る」との方針を明確 にしていた。

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