日本株ことし高値、ギリシャ楽観や円安-一時7カ月ぶり1万円乗せ

日本株相場は続伸し、TOPIX、 日経平均株価がことしの高値を更新した。ギリシャ債務問題への楽観 的なムードが広がったほか、為替の円安、中国での物価上昇率の安定 も好感され、自動車など輸出関連、鉄鋼など素材関連、金融株と幅広 く上昇。日経平均は一時、約7カ月ぶりに1万円の大台に乗せた。

TOPIXの終値は前日比12.55ポイント(1.5%)高の848.71、 日経平均株価は同160円78銭(1.7%)高の9929円74銭。両指数と も、昨年8月1日以来の高値で終えた。

独アリアンツ傘下の運用会社、RCMジャパンの寺尾和之最高投 資責任者は、「ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)はないと いう見方から、安堵(あんど)感が広がっていることに尽きる」と言 う。景気は底入れから回復局面に入ってきており、「ギリシャ問題の重 しが取れてきたことは大きい。不透明要因があって、上値を買い進め なかった向きが動き始めた」と話していた。

ギリシャによる史上最大のソブリン債再編への民間債権者の回答 期限(アテネ時間8日午後10時、日本時間9日午前5時)が過ぎる中、 ギリシャ政府当局者は、債務交換の結果は良好としていた。9日午前 8時(日本時間同日午後3時)に公表された最終結果は、集団行動条 項(CAC)発動後での参加比率が95.7%だった。

野村証券投資調査部の若生寿一シニアストラテジストは、CAC が発動され、仮にクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決 済が行われたとしても、「欧州中央銀行(ECB)による長期資金供給 オペ(LTRO)が支える構図は変わらず、影響は限定的」と見る。

ギリシャ懸念の後退に加え、日本時間9日の外国為替市場では1 ドル=81円89銭と約9カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。円は 対ユーロでも108円65銭まで円安方向に動いた。業績回復期待を背景 に、東証1部売買代金上位ではトヨタ自動車やホンダ、京セラ、キヤ ノン、ソニーといった輸出関連株が上昇。33業種では鉄鋼、保険、海 運、輸送用機器、非鉄金属、その他製品、銀行、電機、繊維製品、ガ ラス・土石製品など32業種が高い。下落は鉱業の1業種。

CPI受け中国に緩和余地、午後に大台回復

一方、中国で9日に発表された2月の消費者物価指数(CPI) は、前年同月比3.2%上昇とエコノミス予想の中央値3.4%上昇を下回 り、1年8カ月ぶりの低い伸びだった。RCMの寺尾氏は、中国では インフレリスクから景気刺激のかじを切れなかったが、「インフレ率が 落ち着きを見せつつあり、金融政策の余地が広がった」と評価。日本 の鉄鋼、海運など景気敏感、中国関連業種の買い安心感につながった。

東洋証券の中川祐治デリバティブ・ディーリング室長は、「世界的 な金融緩和の下、行き場を求める投資資金が株式に向かいやすい」と 指摘した。

この日の日本株は午後に一段高となり、日経平均は取引時間中と しては昨年8月1日以来、1万円の大台を一時回復した。達成感、週 末を控えた目先の損益確定売り、持ち高調整の売りから取引終了にか けてはやや伸び悩んだが、立花証券の平野憲一執行役員は、円高修正 で輸出企業を中心に来期の業績回復期待が高まっており、「上昇局面で 乗り遅れた個人を中心に、下値で買いたい投資家は多い」と言う。

SQ交え売買1年ぶり高水準

急ピッチな上昇で、日経平均の25日移動平均からの上方かい離率 が6%を一時超すなどテクニカル指標面からは過熱感が出ている。た だ平野氏は、「相場の流れを見る限り、過熱の印象は薄い」と話した。

この日の取引開始時は、日経平均先物・オプション3月限の特別 清算値(SQ)算出だった。東海東京証券や東洋証券など複数証券の 調べによると、日経225型は9946円46銭で前日の日経平均終値を177 円50銭上回った。東洋証の中川氏は、SQは思っていたよりも高い水 準で、「来週にかけて日経平均が終値で売買の膨らんだSQ値をなかな か超えられないようだと、同水準が今後の上値めどとして意識されて しまう可能性もある」としていた。

東証1部の売買高は、SQに絡む売買があった影響から概算で34 億7976万株、売買代金は2兆4019億円だった。売買高は東日本大震 災後間もない昨年3月23日以来、売買代金は同3月17日以来の高水 準。騰落銘柄数は上昇1244、下落328。国内新興市場では、ジャスダ ック指数が0.7%高の51.93と続伸、東証マザーズ指数は0.7%高の

382.25と4日ぶりに反発。

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