総合取引所実現に一歩、関連法案が閣議決定-当局は経営判断期待

総合的な取引所の実現に向けた関連 法案がきょう閣議決定された。東京証券取引所と大阪証券取引所 が来 年に経営統合を予定する中、政府は証券と金融、商品をワンストップ で取り扱う一歩進んだ形態の環境整備にも動きだした。

自見庄三郎金融相は9日の閣議後会見で、「総合取引所の創設を盛 り込んだ金融商品取引法の一部改正案を本日、閣議決定した」と発言。 具体的な取り組みに関する記者団の質問に、「具体的にはそれぞれの経 営判断で決めること。2月の取りまとめで、取引所などの関係者に協 力を要請した」と述べた。金融庁の乙部辰良審議官によると、早けれ ばきょう中にも国会へ提出される。

現行法では、東証など証券・金融の取引所の規制・監督は金融庁、 東京工業品取引所など工業品は経済産業省、東京穀物商品取引所など 穀物は農林水産省とそれぞれ分かれていたが、金融商品取引法などの 改正を通じ、今後は規制・監督を原則金融庁へ一元化する。

関連法案が成立すれば、取引所にとっては二重監督コストが避け られることで合併や事業譲渡がしやすくなり、取引業者にとっては取 扱商品の拡充や流動性の向上が見込まれる。投資家も、商品ごとに別々 だった取引口座を一本化しやすくなるなどのメリットがある。

大証の米田道生社長は2月、ブルームバーグ・ニュースに対する インタビューで、「投資家はコモディティも一体として取引したいニー ズが強い。規制・監督が一元化されると、取引所としてもやりやすく なる」と述べた。

商品、証券会社の融合で課題も

大和総研資本市場調査部の太田珠美研究員は、「現在のように取引 量が減少している中では、取引所はまとめていく必要がある。法改正 は取引所にとって、企業の生き残りという点ではプラス」との見方を 示した。一方で、「取引所の利用者である商品先物取引と証券会社の取 引の仕組みや発注システムなども機能するようにしなければ、今と状 況が変わらない話になる」と課題も指摘している。

金融庁と経産省、農水省の検討チームが2月24日にとりまとめた 制度概要によると、金融商品取引所でのデリバティブ取引の対象とな る「金融商品」の定義に、当面は商品先物取引法上の商品からコメ等 の特定の商品を除いたものを追加する。さらに、商品デリバティブ取 引にかかわる商品の上場については金融庁の認可事項とし、認可に当 たっては所管大臣に事前協議で同意を得るなどとしている。

政府は2010年6月から11年12月に閣議決定した「新成長戦略」、 「新成長戦略実現2011」、「日本再生の基本戦略」で、総合取引所の創 設を推進することを明記。20年までに実現すべき成果目標として、「ア ジアのメインマーケット、メインプレーヤーしての地位の確立」を目 指している。

--取材協力:河元伸吾、堀江政嗣 Editor:Shintaro Inkyo

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