Fリテイリ:狙えイメージ改革、世界最大ユニクロ銀座開店で

衣料品アジア最大手、ファーストリ テイリングは、ユニクロブランドの一段の向上を目指して銀座に16日、 世界最大のユニクロを開店する。パリ、上海、ニューヨーク5番街で 成功を収めてきたユニクロ超大型店を銀座にも展開し、国内既存店に も波及効果をもたらそうとしている。

ガラス張り12階建ての銀座店は1500坪。100人の外国人店員を配 し英語、中国語はじめ5カ国の外国語に対応する。昨年10月にオープ ンしたニューヨーク5番街店には、開店前2000人が長蛇の列をつくっ た。その熱気を銀座でも再現し、新名所となることを目指す。

柳井正会長兼社長は2月の記者会見で「世界中の顧客に銀座で世 界一のユニクロを提案する」と述べ、世界有数のファッション街であ る銀座に旗艦店を置く意義を強調した。同時に、最先端のディスプレ イやマーケティングを行うことで、「ニューヨークや銀座で話題になっ ているものが自宅のそばで買えることに気がついてもらいたい」と国 内市場でのイメージ改革を狙う。

ファーストリテイリングは、2020年までに売上高で世界首位のS PA(衣料製造小売り)になることを目指すが、そのためには同社に とって最も収益の大きい国内の既存店の活性化が是非とも必要になる。

同社の11年8月期の全売上高に占める国内比率は82%だが、海外 ユニクロ事業の売上高が前期比29%増の937億円となったのに対し、 国内ユニクロ事業売上高は前期比2.4%減の6001億円だった。既存店 の客数は前年を割れることが多い。

払拭できない過去のイメージ

今年のアニュアルリポートでFリテイリは、米国やアジアのよう な、ユニクロブランドが浸透していなかった市場では品質が高いユニ クロのコンセプトがすぐに伝わるが、郊外で国道などの道路沿いに位 置する路面店が約6割に上る日本では「価格が安い服」という過去の イメージが払しょくできていないと分析している。

企業のブランド価値評価やコンサルティングを行うインターブラ ンド日本支社の岩下充志社長は、銀座店を構えるだけでは国内ブラン ド力への波及効果は限定的とし、「旧店舗のスクラップをしなければ抜 本的な国内ブランド力向上には結びつかないのではないか」と述べた。

Fリテイリは、ザラを展開するスペインのインデテックスやスウ ェーデンのヘネス&モーリッツ(H&M)を超えることを目標に、社 内の公用語を英語にしたことでも知られる。目標に向かって突き進む 姿勢は、ユニクロのイメージ改革にも共通する。

古いイメージを払しょくするためにユニクロは、5番街店のよう なインパクトのある店舗を銀座だけでなく今後、新宿、大阪、福岡に も計画する一方、地方では古い店舗を閉店するスクラップ&ビルドを 実行する考えだ。

インターブランドによれば、ユニクロのブランド価値は国内6位 で小売業ではトップ。岩下氏は、海外売上高比率が30%を超えてくれ ば、世界21位のH&Mや44位のザラといったブランドとも十分、ご していくことが可能ではないかとしている。

激化する機能性衣料競争

ただ、同社のヒートテックをめぐる競争は激化している。これま で収益を押し上げてきた原動力はこの機能性衣料だったが、イオン、 イトーヨーカ堂など総合小売りの新規参入が相次いでいるほか、もと もと機能性衣料を扱っていたミズノやアシックスなども販売体制を強 化している。

矢野経済研究所の推計では、2010年の主要な秋冬用保温性インナ ーの販売数量のシェアは、1位がユニクロ、ヒートテックが49%。2 位はしまむらのファイバーヒートで21%、3位はイオンのヒートファ クトで14%となっている。

大分県在住のコピーライター、吉田寛氏は「最近、ヒートテック のようなシャツは、スーパーでさらに安いものを売っている」と話し、 ユニクロでヒートテックを買うことがなくなったと話す。ユニクロに とって世界一のブランドを目指すためには、イメージ改革とともに商 品開発などで競争をいかに勝ち抜くか、国内店舗の足場固めが必要と なる。

競争のポイントが変わる

矢野経済研の半田雅典研究員は、今後の機能性衣料市場の展望に ついて、「中期的に成長が続くと考えられるものの、機能性衣料の競争 上のポイントは変化するだろう」と話し、機能性プラスアルファの価 値が求められるようになると予想した。

今月、ワコールとの共同開発で団塊世代の男性向け肌着を発表し たイオンの衣料商品本部の木下尚久部長は、「もはや機能性だけでは駄 目で、おなかや足などの着心地を考え、ターゲットエイジ別に商品も 変えないといけない」と述べた。

BNPパリバ証券のジェームス・ムーンアナリストは、ユニクロ について「女性向けやアウターの売り上げを伸ばしたいはずで、それ を実現するためにはもう少しファッショナブルになる必要がある」と 話した。

ユニクロは昨年秋、ユニクロイノベーションプロジェクトを発表 し、機能性とファッション性を兼ね備えた商品の開発に注力している。 銀座店では、人気ブランド、アンダーカバーとのコラボレーション商 品の先行販売や全豪オープンで活躍した錦織圭選手の着用モデルを発 売するなど新たなヒット商品の創造を急いでいる。

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