3月8日の米国マーケットサマリー:株とユーロが続伸、ギリシャ楽観

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3269 1.3149 ドル/円 81.60 81.09 ユーロ/円 108.28 106.63

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,907.94 +70.61 +.6% S&P500種 1,365.91 +13.28 +1.0% ナスダック総合指数 2,970.42 +34.73 +1.2%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .31% +.01 米国債10年物 2.02% +.04 米国債30年物 3.18% +.05

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,698.70 +14.80 +.88% 原油先物 (ドル/バレル) 106.72 +.56 +.53%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで続伸。2週間ぶ りの大幅な上げとなった。ギリシャ債務交換をめぐり、投資家の参加 率が実施に必要な水準に達したとの観測が広がった。これにより、欧 州債務危機が封じ込められるとの楽観的な見方が強まった。

欧州中央銀行(ECB)は8日、政策金利の据え置きを決定。ド ラギECB総裁は、最新のデータがユーロ圏経済の安定化の兆候を裏 付けたと発言した。これを受けてユーロは上昇。一方、円は主要取引 通貨の全てに対し値を下げた。日本の経常収支が過去最大規模の赤字 となったことから、安全な逃避先としての位置付けが弱まった。株式 相場の上昇を背景にニュージーランド・ドルと南アフリカ・ランドな ど高利回り通貨が上げた。

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏(ニュ ーヨーク在勤)は「非常に強いリスク選好の動きが見られた。ギリシ ャ債務交換への民間投資家の参加が順調で、遅れは出そうにないとの 見方がその動きをかなり後押しした」と指摘。「ECBはリスクが低 減したと強調しており、金融緩和の可能性が遠のいたと示唆したとも とれる」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時26分現在、ユーロはドルに対して前 日比1%高の1ユーロ=1.3280ドル。2月17日以降で最大の上げ となった。円に対しては1.6%上昇の1ユーロ=108円37銭。円は 対ドルで0.6%下げて1ドル=81円61銭。2日には81円87銭と、 昨年5月26日以来の安値を付けていた。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。S&P500種株価指数の2日間の上げは年初 来で最大となった。ギリシャ債保有者の大半が債務交換への参加を表 明したことから、欧州債務危機への懸念が和らいだ。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比1%高の1365.91。ダウ工業株30種平均は0.6%上 げて12907.94ドル。

シルバークレスト・アセット・マネジメント・グループ(ニュー ヨーク)のスタンリー・ナビ副会長は、「ギリシャに選択肢はなく、 債券保有者にも選択肢はない」と指摘。「双方とも泥沼にはまり込ん でいる。保有者は債務交換に応じるだろう。そうなれば市場はそこそ こ安心する。ただどれだけ続くだろうか。大いに疑問だ」と続けた。

ギリシャのパパデモス首相は閣僚らに対し、同国が債券保有者に 向けた「意義あるインセンティブを伴った適切な枠組み」を整えたと 伝えた。これを手掛かりに株価は上昇。ギリシャの銀行関係者はこの 後、国債保有者の新発債への債務交換の参加率が約85%だったことを 明らかにした。

◎米国債市場

米国債相場は続落。ギリシャの債務交換が期限を迎え投資家の過 半数が参加を表明したことから、リスク志向が復活し、米国債への逃 避需要が減退したのが背景。

30年債利回りは2週間ぶりの高水準。9日に発表される2月の米 雇用統計を控え、雇用者が増加し景気回復は勢いを増しつつあるとの 楽観が広がっている。ギリシャの銀行関係者は債務交換の参加率が約 85%だったと語った。ギリシャ財務省の発表によると、ベニゼロス財 務相はアテネ時間9日に記者会見を開く。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレ ーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「ギリシャ 発のニュースはこれまで比較的明るい」と述べ、「米国債市場では投 資家が売りの機会をうかがっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、30年債利回りは5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上げて3.17%。一時は3.18%と2月22日以来 の高水準をつけた。同年債の価格(表面利率3.125%、償還期限 2042年2月)は30/32下落して99 3/32。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。2週間ぶりの大幅高となった。 ギリシャ債務交換の見通し改善を背景にユーロが対ドルで上昇したこ とから、代替投資先としての金の需要が膨らんだ。

ユーロは対ドルで2週間ぶりの大幅高。ギリシャは債務交換の完 了に近づいている。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、2012 年のユーロ圏の経済成長率はマイナスが見込まれるものの、インフレ 率は同中銀が上限と見なす2%を上回るとの見通しを示した。ECB は政策金利を過去最低の1%で据え置いた。株式指標であるMSCI オールカントリー世界指数は一時1.5%値上がりした。

MLVのシニアリサーチアナリスト、リック・トロットマン氏は 電話インタビューで、「ようやくギリシャは乗り越えられそうだ。全 体のセンチメントは前向きだ」と指摘。「今のところリスク選好の動 きが復活している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比0.9%高の1オンス=1698.70ドルで終了。前日は

0.7%上昇していた。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続伸。ドイツの鉱工業生産指数が予 想以上に伸びたことや、ギリシャが債務交換の完了に近づいているこ とを手掛かりに、欧州経済や燃料需要が回復するとの楽観が強まった。

独経済技術省が発表した1月の鉱工業生産指数は前月比1.6%上 昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 は1.1%上昇だった。ギリシャの債務交換では、対象総額の約60% 相当の国債を保有する投資家の参加がこれまでに分かっている。バー クレイズ・キャピタルによると、イランの原油輸出は日量で最大40 万バレル減少した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) の市場調査ディレクター、アディソン・アームストロング氏は「欧州 の経済情勢に対して楽観が強まったことが、相場上昇の要因だ」と指 摘。「この傾向は他の大半の市場にも反映されている。ドルは対ユー ロで下落、株価は堅調だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比42セント(0.40%)高の1バレル=106.58ドルで終了。年初 からは7.8%値上がりしている。

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