ECB:政策金利過去最低に維持、インフレの影浮上で動けない状況

欧州中央銀行(ECB)は8日、 政策金利を過去最低に据え置いた。インフレの脅威が再び意識され始 める中で、景気てこ入れのみに集中することもできず、動きにくい状 況だ。

ECBはフランクフルトで定例政策委員会を開き、短期金利の調 節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ) の最低応札金利を1%で据え置くことを決めた。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト調査では58人中56人が据え置きを 予想していた。

ECBはこの日、2012年のインフレ率予想を2%超に上方修 正する見込み。ECBが物価安定の定義の目安とする水準は2%弱。 このため、成長見通しの方は下方修正するとしても、追加利下げには 動きにくい。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州シニアエコノミ スト、イエンス・ソンダーガード氏は「ドラギ総裁はインフレ率が 2012年中には2%未満に下がらないシナリオへの備えを市場に促 すかもしれない」として、「総裁は引き締めを示唆するつもりはない だろうが、市場は今後数カ月の追加緩和を期待すべきではないだろう」 と話している。

欧州債務危機を背景とした信用逼迫を防ぐため、ECBは銀行 システムに1兆ユーロの巨額流動性を供給した。ユーロ圏17カ国中 少なくとも6カ国がリセッション(景気後退)にある一方で、ECB は原油高を背景とするインフレの加速傾向にも直面することになった。

域内の経済格差拡大で共通の金融政策のかじ取りはますます難し くなっている。そのような環境でECBは動かないことを選択する公 算だ。ブルームバーグの調査では、少なくとも13年7-9月(第3 四半期)末までは据え置きとの予想が示された。

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