今日の国内市況:株式は反発、債券反落-円全面安、81円台前半

株式相場は4営業日ぶりに反発。ギ リシャ債務交換に対する楽観的な見方に加え、米国の新たな金融緩和 策検討の観測、ブラジルの予想以上の利下げなどを受け流動性相場継 続への期待が広がった。証券や保険、銀行など金融株が買われ、不動 産株も上昇。商品市況の反発を受け、商社など資源関連株も高い

TOPIXの終値は前日比13.45ポイント(1.6%)高の836.16、 日経平均株価は同192円90銭(2%)高の9768円96銭。アジア株の 上昇や24時間取引での米S&P500種株価指数先物が日本時間正午過 ぎから基準価格比でプラス転換したことを受け、両指数とも午後に一 段高。日経平均は高値引けとなった。

7日の米国市場では、給与明細書作成代行会社が発表した2月の 米民間部門の雇用者数が前月比21万6000人増と、1月の17万3000 人増から増加幅が拡大。景気堅調への評価と過剰流動性相場継続への 期待で、7日の米国株は反発した。

一方、ギリシャ政府と民間投資家との債務減免交渉では、同国の 債務交換提案に対し、対象総額の約60%相当の国債を保有する投資家 がこれまでに参加の意向を表明。史上最大のソブリン債再編に向け前 進した。ドイツのショイブレ財務相は7日、イタリアでの講演後に記 者団に対し、ギリシャの債務交換成功に非常に楽観的である、との認 識を示していた。

朝方から幅広い業種に買い先行。シカゴ24時間電子取引システム (GLOBEX)で米株先物が上昇、日本時間今夜の米国株続伸への 期待が広がった午後に一段高となった。東証1部33業種では証券・商 品先物取引、不動産、保険、ゴム製品、卸売、銀行、輸送用機器、非 鉄金属、鉱業、電機など32業種が上昇。下落は医薬品の1業種のみ。

33業種の上昇率上位に並んだ不動産株に関しては、オフィス賃貸 仲介業の三鬼商事が8日発表した2月末時点での東京都心5区の平均 空室率が9.1%と、5カ月ぶりに低下したことが支援材料となり、三 井不動産や住友不動産、三菱地所はそろって4%超上昇。三菱商事な ど卸売、石油資源開発など資源関連株の上昇については、7日のニュ ーヨーク原油先物相場が1.4%高の1バレル=106.16ドルと反発した ことで収益押し上げ期待が広がった。

8日の東京外国為替市場では1ドル=81円台前半、1ユーロ= 107円台前半まで円安方向に動き、東証1部売買代金上位ではトヨタ 自動車やホンダ、コマツ、キヤノンなどが高く、時価総額上位の輸出 関連株を中心に為替の落ち着きもプラス要因となった。

東証1部の売買高は概算で21億1350万株、売買代金は1兆2705 億円、値上がり銘柄数が1113、値下がりは409。あす9日には、株価 指数先物・オプション3月限の特別清算値(SQ)算出を控えており、 日経平均225オプションでは9750 円コール、9500円プットの売買が 活発だった。国内新興市場では、ジャスダック指数が0.7%高の51.58、 東証マザーズ指数は0.3%安の379.71と高安まちまち。

債券反落、株高警戒

債券相場は反落。民間部門雇用者数の増加などを受けて債券安、 株高となった米国市場の流れを引き継いで売りが先行した。きょう実 施の5年債入札は順調な結果となったが、午後に国内株価が上げ幅を 拡大したことが重しとなった。

東京先物市場で、3月物の日中売買高は2兆3670億円。これに対 して、期先限月の6月物は2兆7637億円と3月物を上回り、きょう中 心限月が6月物に移行した。未決済の取引残高の「建玉」は前日段階 で6月物が6.6兆円程度と、3月物の3.5兆円程度を大幅に上回って おり、実質的な取引はすでにシフトしていた。

6月物は前日比3銭安の142円42銭で始まり、その後も徐々に水 準を切り下げ、午後に株高が加速すると一時は142円27銭まで下落。 結局は15銭安の142円30銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.98%で開始。午前10時前 からは1bp高い0.985%で推移している。前回入札された5年物の102 回債利回りは1bp高い0.29%に上昇一方、30年物の36回債利回りは

0.5bp低い1.945%。

財務省がこの日実施した5年利付国債(103回債、3月発行)の 入札結果によると、最低落札価格は100円02銭となり、事前予想の 100円01銭を1銭上回った。小さければ好調とされるテールは1銭と 前回と同じ。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.74倍となり、前 回の3.89倍からやや低下した。

円全面安、欧米情勢楽観で

東京外国為替市場では円が一段安となり、対ドルでは1ドル=81 円台前半と、2営業日ぶりの安値で推移した。米国の雇用情勢やギリ シャの債務交換をめぐる楽観的見方を背景にリスク回避の動きを修正 する動きが先行。1月の日本の経常収支が過去最大の赤字に転落した ことも加わり、円売り圧力が強まった。

ドル・円相場は午後の取引で一時81円40銭まで円が下落幅を拡 大。午後4時1分現在は81円31銭付近で推移している。円は主要16 通貨に対して全面安となり、対ユーロでは午後に一時1ユーロ=107 円26銭と、2営業日ぶりの水準まで切り下げた。

財務省が発表した1月の国際収支状況(速報)によると、海外の モノやサービスの取引状況を示す経常収支は4373億円の赤字に転落。 赤字額はブルームバーグがまとめた市場予想の中央値3200億円を上 回り、過去最大となった。

日本銀行の白川方明総裁は8日午後の衆院財務金融委員会で、デ フレ脱却は極めて重要な課題であり、「今後とも日銀としては、先行き の経済・物価動向を注意深く点検した上で、デフレ脱却に向けて全力 を挙げていきたい」と語った。

一方、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセ ッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが7日に発表し た給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数 は前月比で21万6000人増と、前月の17万3000人増(修正値)を上 回る伸びとなった。

米国では9日に労働省が2月の雇用統計を発表する。ブルームバ ーグ・ニュースが8日までにまとめた市場予想によると、非農業部門 の雇用者数は中央値で前月比21万人の増加が見込まれている。

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