AIJと投資一任契約のヒューマンHD、賠償など法的措置を検討へ

教育、介護、人材派遣業を手掛ける ヒューマンホールディングスは、同社が資金運用を委託していたAIJ 投資顧問が顧客資産を消失させた問題を受け、AIJに対し法的措置を 検討していることを明らかにした。金融当局の調査により運用の実態な どが分かり次第、損害賠償の請求などを行う可能性がある。

ヒューマンHDはAIJと投資一任契約を結んでおり、2011年12 月末時点で約3億3000万円の投資残高がある。損失を最小化するため AIJに対してどのような法的措置をとることができるのか、現在顧問 弁護士と協議に入っている。ヒューマンHDの川下裕左執行役員がブル ームバーグ・ニュースの取材に答え明らかにした。

ヒューマンHDの株価は同社がAIJの顧客であることを開示し た2月29日以来6日連続で値を下げ、合計約10%下落した。6日間連 続での下落は3月の東日本大震災以来、初めてだ。同社は02年にAI Jと契約を締結、資金は高い利回りの海外債券などで運用されていると 信じていたという。

ヒューマンHDの川下執行役員は、「運用実績が現実的ではなく、 虚偽であったことを大変遺憾に思っている。少しでも多く補償が引き出 せるように顧問弁護士と(法的な)対応を検討している」と述べた。一 方、AIJへの電話取材を試みたが、応じられなかった。

同社は02年の設立で、その後04年に新規株式公開(IPO)でジ ャスダック市場に上場している。国内外に約15社の子会社を持ち、約 2000人の従業員を抱えている。株価は8日600円下落し(1.8%)、32900 円で取引を終えた。

決算への影響

ヒューマンでは13年3月期の連結決算について、AIJ問題発生 前の予想として売上高が509億円、純利益は6億9200万円と見込んで いた。川下氏は運用損失の影響について、開示の時期や金額には言及を 避けたものの、「3億3000万円を上回ることはないことはない」と言明 した。

金融庁は2月24日に急きょAIJに解約を含む全業務の停止命令 を出した。複数の関係者によれば、同庁では実際に資金消えた過程やそ の資金の行方を把握するため、香港の規制当局と連携で現地金融機関の 調査に乗り出している。調査の進展を見極めながら3月23日までの停 止期限をさらに1カ月以上延長する可能性もあるという。

AIJが11年3月期の事業報告書によると、10年12月末の投資一 任契約による運用資産総額は3902億円。内訳は国内が1821億円、海外 で2070億円だった。関係者によれば、現在の保有資産は約240億円で うち現預金は約40億円だという。上場企業ではほかに安川電機、富士 電機、アドバンテストなどがAIJに運用を任せていた。

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