債券は反落、5年債入札結果順調も株高加速が重し-先物限月交代

債券相場は反落。民間部門雇用者数 の増加などを受けて債券安、株高となった米国市場の流れを引き継い で売りが先行した。きょう実施の5年債入札は順調な結果となったが、 午後に国内株価が上げ幅を拡大したことが重しとなった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「5年債入札は 無難に通過した。株高でもあり、米雇用統計の発表を控えて、値を下 げた。押し目買い意欲も弱いようだ。3月決算期末を控えているので、 無理して動かず、米雇用統計を見極めたいとの姿勢が強い」と話した。

東京先物市場で、あす9日に取引最終日を迎える3月物の日中売 買高は2兆3670億円。これに対して、期先限月の6月物は2兆7637 億円と3月物を上回り、きょう中心限月が6月物に移行した。未決済 の取引残高の「建玉」は前日段階で6月物が6.6兆円程度と、3月物 の3.5兆円程度を大幅に上回っており、実質的な取引はすでにシフト していた。

6月物は前日比3銭安の142円42銭で始まり、その後も徐々に水 準を切り下げ、午後に株高が加速すると一時は142円27銭まで下落。 結局は15銭安の142円30銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の321回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.98%で開始。午前10時前 からは1bp高い0.985%で推移している。

前回入札された5年物の102回債利回りは午後の開始後に1bp高 い0.29%に上昇。いったん0.285%に戻したが、再び0.29%。前日は

0.28%と、新発5年債利回りとしては1年4カ月ぶりの低水準を付け ていた。一方、30年物の36回債利回りは0.5bp低い1.945%。

5年入札結果、テール1銭

財務省がこの日実施した5年利付国債(103回債、3月発行)の 入札結果によると、最低落札価格は100円02銭となり、事前予想の 100円01銭を1銭上回った。小さければ好調とされるテールは1銭と 前回と同じ。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.74倍となり、前 回の3.89倍からやや低下した。

日本相互証券によると、きょう入札された5年物の103回債利回 りは、業者間取引で0.30%で開始。その後は0.30-0.305%で推移し、 午後5時現在では0.305%で取引された。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、5年 債入札について、「好調な結果だった。利回り0.3%割れでも、銀行勢 から需要が入ったもようで、予想外に良い結果だった」と評価した。 もっとも「入札自体は強かったが、その後の需要はそれほどでもなさ そう。株価が反発していることもあり、債券相場は弱含みに推移して いる」とも話した。

株高

きょうの東京株式相場は午後に一段高。香港や中国などアジア株 の上昇や、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)で米国株 先物が日本時間正午過ぎから基準価格比で上昇転換したことなどで、 投資家心理が上向いた。日経平均株価の終値は2%高の9768円96銭。

7日の米債相場は下落。ギリシャが債務交換で民間部門から十分 な支持を確保しつつあるほか、2月の米民間部門雇用者の増加も売り を誘った。米10年債利回りは3bp高の1.98%。一方、米株相場は上 昇。S&P500種株価指数は0.7%高の1352.64。

財務省が8日午前に発表した1月の国際収支状況(速報)による と、経常収支は4373億円の赤字となった。ブルームバーグによるエコ ノミスト調査の予想中央値は3200億円の赤字。比較可能な1985年以 来で最大の赤字額となった。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは、1月の経常収支が予想以上の赤字となり、円安に振れたと指 摘。ただ、「中国の春節が1月になった影響もあり、1-2月で均して 見る必要があり、即断できない。所得収支は黒字で堅調。このまま経 常収支がマイナスに突っ込んでいくとは考えていない」との見方も示 した。

一方、朝方発表された昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP) 2次速報値(改定値)は前期比年率で0.7%減と1次速報(2.3%減) から上方修正された。数値はほぼ事前の市場予想通りだったことから 債券相場の反応は鈍かった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE