円が底堅い、ギリシャ債務交換の成否不透明でリスク回避傾向

東京外国為替市場では円が底堅く推 移した。ギリシャの債務交換の行方が不透明で、米雇用統計など週末に かけて注目材料が相次ぐ中、リスクを取りにくい状況。軟調な株価を背 景に外貨買い・円売りの動きは限られた。

円の対ドル相場は1ドル=80円後半で底堅く、一時は前日の海外 市場で付けた約1週間ぶり高値の80円59銭に並ぶ場面も見られた。 先週末には昨年5月以来の安値となる81円87銭を付けていた。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場 調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、2月はギリシャ向け第 2次支援合意や欧州中央銀行(ECB)の資金供給オペ、米指標の上振 れ、日銀の追加緩和とプラス材料が重なり、「かなりリスクオン(選好 )に傾きすぎたという面があった」と説明。ギリシャの債務交換をめぐ ってぎりぎりの交渉が続く中、「いったん水を差された格好で、8日の イベントを控えてちょっと不安になっている」と話した。

ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=105円71銭を付け、前日の海 外市場で付けた2週間ぶりのユーロ安・円高水準(105円65銭)に接 近。その後106円41銭まで戻したが、円の下値は堅く、午後にかけて は106円前半を中心にもみ合う展開となった。

ギリシャ債務交換

民間債権者が保有するギリシャ国債2060億ユーロ(約21兆8300 億円)相当について53.5%の減免を求める債務スワップは、受け入れ の期限が8日に迫っている。

ギリシャの財務省は6日、同国は十分な同意が得られれば、ギリシ ャ法に基づく国債の保有者を対象に集団行動条項(CAC)を発動して 債務交換への参加を義務付けると電子メールで表明した。

債務交換への懸念からユーロは対ドルで海外時間に一時、1ユーロ =1.3103ドルと2月16日以来、約3週間ぶりの安値まで下落。一方、 この日の東京市場ではユーロ買いがやや優勢となり、1.31ドル半ばま で値を戻す格好となった。

尾河氏は、「ユーロ・ドルは日足ベースの一目均衡表の雲のところ で何とか踏みとどまっている感じだが、そこを割れてくるとさらに下が る可能性がある。微妙な水準でイベントを迎えているというところも投 機筋にとっては気をもむところかもしれない」と話した。ブルームバー グのデータによると、一目均衡表の雲の上限は現在1.3096ドル付近に 位置している。

一方、三菱東京UFJ銀行シニアカレンシーエコノミストの武田紀 久子氏(ロンドン在勤)は、債務交換への民間債権者の参加が不調だっ た場合の影響が懸念されているが、イタリアなどの国債利回りも低下し ており、「ユーロ全般の危機に発展するような性質のものになる可能性 は必ずしも大きくない」と分析。むしろユーロ軟調推移の背景には「E CBが最も緩和をしている主要中央銀行になっているという事実」があ ると指摘した。

米雇用統計の前哨戦

米国ではこの日、週末発表の雇用統計の前哨戦となる民間統計が発 表される。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表する2月の米民間部門の 雇用者数は前月比21万5000人の増加が見込まれている。

シティバンク銀の尾河氏は、「きょうのADPなども見てという感 じになると思うが、米雇用統計については上振れ期待があるだけに、仮 に市場予想を下振れるとリスクオンに水を差すもう1つの要因になって しまう」と指摘。その場合、米国の金利も低下する可能性があり、「日 米利回り格差という意味においてもドル安・円高になってしまう」と話 した。

7日のアジア株式相場は3日続落。ギリシャ債務スワップをめぐる 懸念に加え、前日発表の昨年10-12月(第4四半期)のユーロ圏の域 内総生産でマイナス成長が確認されたことが嫌気された。この日発表さ れたオーストラリアの経済成長率も市場予想を下回った。

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