「仕事がない」-英ウェールズ鉱山の町、地方権限強化求める

英国のブライナウ・グエントにある 鋳鉄製の門はかつて、トレデガー・アイロン・アンド・コール・カンパ ニーのものだった。このウェールズ地方にある鉱山の町で、産業革命の 絶頂期の面影を残すのは、この門だけになってしまった。

英国の自治体のうち、この町の失業手当請求者の割合は最も高く、 就業支援センターに並ぶ人の列は長くなるばかりだ。18-24歳の住民の うち約19%が求職者手当を受給しており、この比率は英国で最も高い。 英統計当局によると、全国平均は8%となっている。

「仕事がない」。地元の工場が閉鎖されてから4年間、職に就いて いないギャビン・グリフィンさん(31)は嘆く。恋人のスーザン・エリ アスさん(23)は16歳で義務教育を修了してから仕事に就いたことがな い。グリフィンさんは「父親は一生鉱山で働いた。この町にはもう何も 残っていない」と語る。

キャメロン英首相は欧州のどの国よりも断固とした姿勢で最大規模 の予算削減を推し進めており、スコットランドやウェールズ、北アイル ランドなどは地方経済における権限の強化を目指している。このため、 英国では過去300年のどの時期よりも分裂の恐れが高まっており、スコ ットランドは2014年に英国からの独立の是非を問う住民投票を実施する 準備を進めている。

スコットランド議会に並び、1999年に創設されたウェールズ議会は 独自の借り入れ権限や税務管理権限の強化を求めている。

カーディフ大学のパトリック・ミンフォード教授(応用経済学)は 電話インタビューで「権限の移譲に向かっている。この動きが強まれ ば、機運や期待が高まるだろう」と指摘。「主張は非常にポピュリズム 的で、『自分たちの問題をなぜ自分たちで運営していないのか』という ような抗し難い考え方だ。弾みがついている」との見方を示した。

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