リーブ21:トヨタ出身者ら社長候補採用-海外進出、IPO計画で

毛髪クリニック最大手のリーブ21 は、トヨタ自動車出身者らを次期CEO候補として一般公募により採用 した。同社は中国などへのアジア進出や新規株式公開(IPO)を計画 しており、後継者に優秀な人材を起用することで経営基盤を強化し、上 場後の成長戦略を描きたい考えだ。

リーブ21の創業者である岡村勝正社長はブルームバーグ・ニュー スの取材に応じ、トヨタ自動車で商品企画やマーケティング、経営管理 に携わった岩田淳氏(42)ら4人を500人の中から選出したと述べた。 また、年内に中国上海に海外初の店舗を開設し、2015年をめどに東京と 香港市場で株式を上場したい考えを明らかにした。

日本企業の多くは、少子高齢化と国内経済の停滞を受けて海外展開 を模索し始めている。リーブ21もそうした日本企業の一社だ。同社は 過去6年間で国内での会員数を14万5000人に倍増させたが、今後は中 国に加えて、シンガポール、台湾、韓国への進出を計画している。

岡村社長(67)は、「日本経済がどんどん発展するという期待は薄 い。一方、アジアには成長性がある」と述べた。また「海外展開の機は 熟しつつある。新しい人が入ることで、上場に向けての経営強化、上場 後の成長路線の戦略などを推進したい」と強調した。岡村氏自身は13 年秋には社長を退く考えを示した。

鋭い洞察力

岩田氏は93年に東京大学工学部を卒業後、トヨタに入社。欧州や 中国生産車の開発などに携わった。05年にはミシガン大学からMBA (経営学修士)を取得している。

岡村社長は岩田氏について、選考時のグループディスカッションで 同氏が知り得ないリーブ21の経営上の事柄について批判的な観点か ら繰り返し指摘するなど「洞察力が鋭く精緻な推論ができる人」とし、 人材育成、統率力の観点でも「経営者に適している」と評価した。また 「フットワークがよく、先週末も早速上海に飛び、新規事業の幹部選出 のため現地で面接を行ってきた」という。

その他のCEO候補は、花王などに勤務した野村誠氏(52)、東日 本旅客鉄道出身の村松浩人氏(48)、日本アイビーエムなどに勤めてい た山本雅樹氏(50)の3人。東京大学出身者や、MBA(経営学修士) 取得者、企業の役員経験者などさまざまな経歴の持ち主だ。社長就任後 の年収は3000万円以上になる見込み。

アジアで100店舗

岡村社長はアジアへの進出で、今後5年間で中国、シンガポール、 韓国、台湾で約100店舗の出店を目指す。現在96店舗を展開する日本 国内と比較してもその規模は大きい。中国だけでも3年以内に50店舗 を目標にしているという。

アデランスやアートネイチャーが増毛やウィッグ(かつら)中心な のに対し、リーブ21は発毛専門。マイクロスコープで頭皮や毛根をチ ェックし、クリーム塗布後、オゾンスチームをあて老廃物を除去する。 また、特許取得済みの専門器具で頭皮をケアするほか、食生活改善のア ドバイスも行う。費用は各種あるが2年間コースで160万円。

日本では全人口の3分の1に当たる4200万人が薄毛や脱毛で悩ん でいるという。矢野経済研究所では、毛髪業者、植毛施設、育毛剤など のヘアケア市場の規模は約4300億円で、高齢化とストレス社会の進行 で規模は拡大すると予想している。

リーブ21の創業は1976年。社員は約800人。岡村社長によると 黒字を維持しており、売上高は約130億円。同社長はIPO後、株式売 却資金を寄付したり、残りの持ち分を会社に譲渡したりすることも考え ているという。

ビジネスモデルの寿命

リーブ21が公募によって創業者の後継者候補を選出した動きに ついて、国内で最大級の年収1000万円以上の求人に特化した転職サイ トを運営するビズリーチ(東京:会員数、約10万人)の南壮一郎代表 取締役は、こうした動きはオーナー企業の後継者問題を抱えている日本 では、さらに拡大するだろうと述べた。

南氏は「企業の本分が利益を出し成長することである以上、成長で きる海外マーケットへ出て行く必要は確かにある。ただそのための英語 力や海外経験を持つ人材が育っていない」と指摘。また「ビジネスモデ ルの寿命は40年から、30年、20年、10年、5年と短くなっており新卒 で採用した人材が何十年もコア業務を引っ張っていくのは難しい」と述 べ、経営幹部の人材流動化が日本経済活性化の鍵になるとみている。

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