ギリシャ向けゴールドマン融資、「背徳者同士」の危うい契約

米銀ゴールドマン・サックス・グル ープがギリシャに提供した秘密の融資は、同国にとっては最初から犠牲 の大きい過ちだったようだ。

ギリシャの公債管理局責任者に2005年に就任したスピロス・パパニ コラウ氏によれば、ギリシャは2001年に契約が締結された段階で、借入 額の28億ユーロ(現在の為替レートで約3014億円)に6億ユーロ上乗せ してゴールドマンに返済する義務を負っていた。デリバティブ契約とい う形態を取ったこの融資は、他の金融機関と競合しないようにゴールド マンがギリシャを説得して締結したもので、パパニコラウ氏の就任時に 負債額はほぼ倍の51億ユーロに膨らんでいた。

パパニコラウ氏と前任のクリストフォロス・サルデリス氏はインタ ビューで、欧州連合(EU)基準を満たすために増大するソブリン債務 を隠すことにつながった契約の詳細を初めて明らかにした。ギリシャ政 府は何を購入しているか分かっておらず、リスクやコストを判断する能 力もなかったことを両氏は認めた。

1999年から2004年にかけてスワップ契約を管理していたサルデリス 氏は「ゴールドマンとの契約は2人の背徳者同士の危うい話だった」と 指摘する。

ゴールドマンが契約でたちまち利益を得たことは、比較できる市場 価格が存在せず、手数料も開示されない複雑な相対取引に関与する顧客 の危険を物語っている。米ハーバード大学と米アラバマ州のジェファー ソン郡、ドイツのプフォルツハイム市は財政状況の改善手段として証券 会社が売り込んだある種の相対契約を利用し、いずれも損失を被った。

ゴールドマンのDNA

著名なリスクコンサルタントであるサタジット・ダース氏は電話取 材に対し、「幾つかの地方自治体と同様、ギリシャも管理の甘い顧客の 一つにすぎず、さんざんな目に遭った。このような取引は解消できない 仕組みになっており、利益が損なわれないように確実を期すという点で ゴールドマンは容赦なく、それは組織のDNAの一部と言ってもよい」 と述べた。

ゴールドマンがギリシャとの契約で得た6億ユーロという利益は、 債券と通貨、商品を含む事業セグメントであるトレーディング・自己資 金投資部門の01年の収入(63億5000万ドル)の約12%に相当する。ギリ シャとの取引を段取りし、その年に過去最高の収入を記録したこの事業 部門は当時、現在の会長兼最高経営責任者(CEO)であるロイド・ブ ランクファイン氏(57)が率いていた。

サルデリス氏によると、為替レートを利用してギリシャ政府がドル と円建てで発行した債券をユーロにスワップするゴールドマンとの取引 は、債務の圧縮をほのめかすものだった。固定金利と変動金利のように 2種類の利払いを交換できる市場外の金利スワップも融資返済のために 利用されたという。

原題:Goldman Secret Greece Loan Shows Two Sinners as Client Unravels

--取材協力:Christine Harper、Michael J. Moore.

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