ユーロ下落、ギリシャ債務PSIめぐる懸念重し-ドル・円81円前半

東京外国為替市場では、ユーロが下 落。対ドルでは1ユーロ=1.32ドル台を割り込む場面も見られた。ギ リシャ債務問題の民間部門関与(PSI)をめぐる不透明感がくすぶる 中、ユーロの戻り局面では売り圧力がかかった。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で1.3160ドルと、2月20日 以来のユーロ安値を付けたあと、1.3241ドルまで値を戻したが、東京 市場では1.32ドル台前半を中心に推移。午後の取引では売り圧力が強 まり、一時は1.3187ドルまで下げた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ギリシャ債務を めぐるPSIについては、すでに相場に織り込まれている感があるとし ながらも、結果があまり悪いとユーロが下落する可能性もあると指摘。 目先は材料不足の中で、「ユーロの戻りは間違いなく売られている」と して、ドルと円に対して上値の重い展開になっていると説明している。

一方、ドル・円相場は1ドル=81円台半ばを挟んで推移。朝方に 付けた81円59銭を上値に午後には81円29銭までドル安・円高が進 んだ。

ギリシャ懸念根強い

ギリシャのデフォルト回避に向けたPSIである債務交換に投資家 が応じる期限は8日。十分な参加が得られずにギリシャが集団行動条項 (CAC)を発動し、債券保有者に損失受け入れを強要するとの懸念が 高まりつつある。

5日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で欧州諸 国のソブリン債を保証するコストが上昇。ギリシャの債務交換に応じる 投資家が不十分な割合に終わるとの懸念が背景で、CMAによれば、ギ リシャ国債1000万ドル相当を5年間保証するコストは前払い760万ド ルに年間10万ドル。これは保証期間内のデフォルト(債務不履行)確 率98%を示唆している。

三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループのマネ ジングディレクター、村尾典昭氏(ニューヨーク在勤)は、「一番のリ スクはギリシャ」だとした上で、同国のデフォルト回避に向けた債務交 換で民間の参加率が不十分になる懸念が生じていると説明。確率は低い としながらも、ギリシャの破綻が意識されるといい、「ショックでまた ユ-ロはちょっと下がるケースがある」とみている。

民間債権者を代表してギリシャの債務交換を交渉した国際金融協会 (IIF)の運営委員会のメンバー中12の金融機関が、2月24日に 正式提案された交換に応じることを表明している。

ギリシャのベニゼロス財務相は5日、アテネでブルームバーグテレ ビジョンのインタビューに応じ、同国は約1000億ユーロ規模の債務減 免につながる債券交換の提案に保有者が応じると考えているとした上で 、必要ならばCACを発動して参加を強要する用意があると言明した。

米雇用統計を見極め

一方、5日の米株式相場は、1月の米製造業受注額が3カ月ぶりに 減少したことなどが嫌気され、続落。株価の予想変動率の指標であるシ カゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指 数)は3営業日ぶりの水準に上昇した。

この日の東京株式相場も続落。日経平均株価、TOPIXともに反 発して取引を開始していたが、マイナスに沈んで引けた。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、ギリシャの債務問題に関しては、PSI後の銀行の体力 がどうなるかという点が心配されると指摘。また、市場が米株の戻りが しっかりした理由に根差したものであるのか「漠然とした不安」を抱え る中、米経済指標の好調継続を見極める「分水嶺(れい)」となる雇用 統計の発表を控えて、いったんはリスク回避の動きが出やすいと説明し ている。

2月の米雇用統計は9日に発表されるが、ブルームバーグ・ニュー スがまとめた市場予想によると、非農業部門の雇用者数は6日時点で前 月比21万人増が見込まれている。

外為オンラインの佐藤氏は、予想通りであれば、3カ月連続で20 万人以上の雇用増を維持することになり、相場への影響は限定されると 指摘。20万人を割り込むようだと、ドルの下値を試す展開もあり得る とみている。

--取材協力:大塚美佳 Editor:Joji Mochida, Masaru Aoki

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