ゴールドマン:11年はアジアで損失、株投資裏目で3年ぶり

【記者:Christine Harper】

3月6日(ブルームバーグ)米ゴールドマン・サックス・グルー プのアジアでの業績は、同地域の株式投資が裏目に出て2011年に、08 年以来で初の赤字となった。保有する中国工商銀行株で損失が出た。

米証券取引委員会(SEC)への同社届け出によると、アジアで の11年収入は前年比で46%減少。保有する公開株の時価評価引き下げ が響いた。同地域での損益は1億300万ドル(約84億円)の赤字とな った。前年は20億8000万ドルの利益を計上していた。

自社資金でいわゆる自己勘定投資を行う投資・融資部門の損失が、 対顧客事業の収入より多額になり得ることが浮き彫りになった。ブル ームバーグのデータによれば、ゴールドマンのアジア事業は昨年、株 式引き受けとM&A(企業の合併・買収)助言で1位だった。

香港に拠点を置くバリュー・インベストメント・プリンシパルズ のサンディ・メータ最高経営責任者(CEO)は、「昨年はアジア株 にとって残酷な1年だった。ゴールドマンのアジア部門にとっては最 悪だった」と語った。ただ、今年は「相場が上昇しているので、ゴー ルドマンの株式ポジションも力強く回復しただろう」と付け加えた。

ゴールドマンの広報担当のデービッド・ウェルズ氏はコメントを 控えた。

ゴールドマンの保有資産の中で損益への影響が大きかったのは中 国工商銀行(ICBC)株で、11年は税引き前で5億1700万ドルの損 失につながった。10年は7億4700万ドルのプラスだった。同社が1月 18日に明らかにした。ゴールドマンは06年にICBC株を購入してい る。年次報告書では他のアジア株投資については明らかにしなかった。

ICBC株は香港市場で年初来15%上昇。メディオバンカのアナ リスト、クリストファー・ウィーラー氏(ロンドン在勤)は、ゴール ドマンは「1-3月(第1四半期)に全部取り戻すだろう」と話す。 同氏はゴールドマンが1-3月にICBC株で9億ドルの利益を上げ るとみている。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは6日、ゴールドマ ンが保有ICBC株の一部を10億ドル余りで売却することについて 非公式に協議したと報じた。事情に詳しい複数の関係者の話を基に伝 えた。米資産運用会社のブラックロックや米銀JPモルガン・チェー スなどの機関投資家に打診したという。ただ、買い手候補の一部はI CBC株の下落を見込んでおり交渉は不調だったと同紙は伝えた。

ゴールドマンのウェルズ氏とJPモルガン・アセット・マネジメ ントのダリン・オドゥヨエ氏、ブラックロックのキャサリン・キアリ ー氏の報道担当者はいずれもコメントを控えた。

11年のアジア事業の純収入は38億6000万ドルと、前年の71億 5000万ドルから減少。税引き前損益は11年が2億3100万ドルの赤字 (10年は29 億3000万ドルの黒字)だった。

ゴールドマンは届出資料の脚注で、「アジアの純収入の前年比減 少は、主として公開株での損失による投資・融資部門の業績悪化を反 映したものだ」と説明している。

--取材協力:Sanat Vallikappen、Gavin Finch.

アムステルダム 木下晶代 +31-20-589-8544 akinoshita2@bloomberg.net

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