三井物:銅や石炭の持ち分生産を拡大、資源分野のポスト鉄鉱石強化へ

三井物産は銅や石炭の持ち分権益生 産量を拡大する。今後5年で銅の生産量を現在の3倍に、石炭は倍増 を視野に入れている。既存の投資案件の拡張に加え、新規の権益取得 も狙う。同社は非資源分野の強化を課題としているが、資源分野でも 圧倒的に強い鉄鉱石に次ぐ収益の柱を育てたい考えだ。

金属資源・エネルギー部門を担当する川嶋文信・専務執行役員が 29日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。 川嶋専務は「収益構造から言うと鉄鉱石が非常に強く、もう少しバラン スを取っていきたい」と指摘。「中国を中心に銅の需要は経済発展に伴 い間違いなく伸びる」として、鉄鉱石の次の柱を育てるためにも「銅 は足元の6万トン程度の持ち分生産量を3倍には拡大したい」と述べ た。

三井物産の出資比率に応じた銅の持ち分生産量は12年3月期で年 間6万3000トンの見込み。今後は出資先のチリ・コジャワシ銅鉱山の 生産拡大や25%を出資するチリのカセロネス銅鉱山が2013年から操業 を開始することが寄与する。昨年融資契約を結んだ国有のチリ銅公社 (コデルコ)とは「いろいろと協調してやっていこうという土台はでき た」と言い、チリ国内や海外での共同投資案件も検討していく考えだ。

石炭については持ち分生産量900万トンを「倍増ぐらいには持って いきたい」という。豪州での既存の投資案件の拡張のほかロシアやアフ リカ、南米などの新規案件の獲得にも意欲を示した。参画を狙うモンゴ ルのタバントルゴイ炭田については世界最大の石炭生産会社である中 国・神華集団と共同で引き続き取り組んでいく考えだ。

バークレイズ・キャピタル証券によると今期の三井物産の純利益予 想のうち鉄鉱石事業が占める比率は54%と半分以上。同証券の森和久ア ナリストは「鉄鉱石事業は収益基盤としてはしっかりしており強みであ るが、中期的にパイプラインを増やしていくことは重要」と指摘する。

三井物産の持ち分生産量は鉄鉱石が4700万トン。2位の伊藤忠商事 の1600万トンの約3倍で商社中トップ。一方、銅は三菱商事や丸紅の半 分程度、石炭はトップの三菱商事と比べると約3分の1の水準。

強みの鉄鉱石については英豪系リオ・ティントや豪BHPビリトン と共同で展開する豪州の事業がそれぞれ大幅な拡張を計画。川嶋専務は これらの拡張により「安定的な確保ができる」としているが、昨年10 月には鉄鉱石の新規投資を発掘するための新規事業室も設置。豪以外で もロシアやアフリカなどで有望な権益取得に向けた調査も進めている。

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