NY外為:円上昇、中国の経済成長率目標引き下げで逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では、円 が全主要取引通貨に対して上昇した。中国政府が今年の経済成長率目標 を引き下げたことを受け、比較的安全とされる円に対する需要が強まっ た。

オーストラリア・ドルは円に対して約9カ月ぶり高値から反落。中 国政府が経済成長率目標を7.5%に引き下げたことに反応した。ユーロ は主要16通貨の大半に対して上昇。ギリシャが債務交換条件は「最善の 提案」だとし、民間投資家が交換に応じるとの見方を示したことが背 景。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「中国や欧州の成長見通しが弱まり、世界的に成長 への懸念が若干高まっている」とし、「この環境下ではドルと円は典型 的な逃避需要の恩恵を受ける」と指摘した。

ニューヨーク時間午後3時51分現在、円はドルに対して前週末 比0.4%高の1ドル=81円45銭。一時81円87銭と、昨年5月以来の安値 に下げる場面もあった。対ユーロでは0.3%上昇して1ユーロ=107円67 銭。ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.3220ドル。

中国は人民元の取引バンド(許容変動幅)を適切に拡大し、市場の 供給と需要をより良く反映させることを検討している。国営新華社通信 が中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁を引用して報じた。

中国インフレ率

人民元は2005年7月にドルペッグ制を廃止して以降、32%上昇し た。この日のニューヨーク市場では、1カ月物のドル・元オプションの インプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は9ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇して1.87%と、昨年12月以来 の上昇率となった。

中国は経済成長目標を2005-11年の8%から引き下げた。輸出・投 資主導型から消費に重点を置く形に転換させる共産党の決意の表れ。

温家宝首相が北京の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で行 った政府活動報告によると、当局はインフレ率目標を前年と同じ4%と した。

ノバスコシア銀行の為替戦略責任者、カミラ・サットン氏(トロン ト在勤)は、「中国が成長率目標を7.5%にしたことで、商品市場や世 界的成長の見通しが変化しかねず、世界の経済成長に敏感なオーストラ リアやカナダの通貨に重しとなることが懸念される」と指摘。「従来、 中国は見通しを上回る成長率を達成してきた。昨年は8%の目標に対し て9.5%の実績を上げた」と述べた。

緩和策引き揚げ

ISM非製造業総合景況指数は2月に57.3と、1年ぶり高水準に上 昇した。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル・インデックスは79.330。ISMの発表後に0.1%低下した。一 時0.2%上昇していた。

米ダラス連銀のフィッシャー総裁は5日、ダラスでの講演で「緩や かながらも経済指標の改善が続いた場合は、金融当局による追加緩和で はなく、緩和策の引き揚げに向けて市場は準備すべきだというのが私の 考えだ」とし、金融市場は2008年の金融危機後に「われわれが注入した 金融モルヒネの中毒になっている」と続けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よれば、ドルは過去6カ月間で4.2%上昇した。一方、ユーロは2.6%下 げている。円は3.9%下落した。

原題:Yen Rises as China Lowers Growth Target, Spurring Refuge Demand (抜粋)

--取材協力:Patrick Donahue、Ye Xie、Belinda Cao.

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