豪中銀総裁とトレーダー見方異なる-鉱山ブームで豪ドル高

オーストラリア準備銀行(中央銀 行)のスティーブンス総裁は、製造業や消費者を支えるため、昨年2回 の利下げに踏み切った。トレーダーらは鉱山ブームを背景に豪ドルがこ こ20年余りの高値まで上昇すると予想しており、豪ドル安を見込む豪中 銀総裁とは異なる見方をしている。

スティーブンス総裁は昨年11月、インフレ抑制のため豪ドルの米ド ルやユーロに対する上昇を歓迎していたが、先月24日の議会証言では一 転し、豪ドル高は「少し奇妙だ」と述べた。豪中銀の豪ドル貿易加重平 均指数は今月2日、1985年以来の高値に上昇。アナリストは対米ドルの 豪ドル予想を引き上げた。

豪ドル安となれば、ブルースコープ・スチールやビラボン・インタ ーナショナルなどの豪企業の製品が海外で割安になり、資源輸出に依存 する経済からの脱却を目指すギラード首相への政治的圧力を緩和するこ とができる。アナリストらは先月、海外投資家からの資金流入を見越 し、年央までの豪ドル予想を1月時点の1豪ドル=0.99米ドルから1.04 米ドルに上方修正した。

パイオニア・インベストメント・マネジメントの通貨戦略ディレク ター(ボストン在勤)、パレシュ・ウパダヤ氏は2月27日の電話取材 で、「豪ドル高は短期的な対策が難しくなるだろう」と指摘。「鉱山業 とサービス業の乖離(かいり)はますますひどくなっている。われわれ は、豪中銀が一部の負担を和らげるため、今後2会合以内に利下げする とみている」と述べた。

政策金利予想

クレディ・スイス・グループのスワップを基にした指数は、豪中銀 が1年以内に政策金利を4.25%から40ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)引き下げることを示している。これは先進国の中銀ではスウ ェーデン中銀に次ぐ大幅な金融緩和となる。豪中銀は昨年11月と12月に 計50bpの利下げを実施。先月は欧州債務危機に一服の兆しが見えたこ とから、豪中銀は政策金利を据え置いた。ブルームバーグ・ニュースの エコノミスト調査によると、豪中銀は今月6日の金融政策決定会合で政 策金利を4.25%に据え置くと24人全員が予想している。

豪中銀は、100年ぶりの規模となっている天然資源主導の投資ブー ムの中、鉱山業以外の産業の低迷回復を図っている。豪州の製造業が豪 経済に占める割合は昨年1-3月、過去最低の8.6%に縮小。また、過 去3年間、家計の平均貯蓄率は過去3年間で20年余りで最も高い水準と なった。

スタンダード・ライフ・インベストメンツ(エディンバラ)の為替 投資ディレクター、ケン・ディクソン氏は2月27日の電話取材で「商品 相場高がもたらした利点の恩恵を受けていない分野で、豪ドル高やイン フレ高進に消費者が苦しみ始めている」と述べ、「われわれの予想では 豪ドルは1年を通して下落する」と付け加えた。

--取材協力:Garfield Reynolds、David Fickling、Rocky Swift.

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