オリックス銀行は2012年度の1年間 で融資残高を約1500億円、現在より17%程度拡大する計画だ。主に今 月参入した消費者金融や富裕層向けのプライベートバンキング事業な どで伸ばし、業容拡大を加速する。11年9月末の融資残高は8593億円 で達成できれば初の1兆円乗せとなる。

オリックス銀の潮明夫社長はブルームバーグニュースとのインタ ビューで「今年は攻めの年にしたい」と述べ、特に消費者金融ビジネス が「業容拡大の中心になる」と強調した。融資拡大は消費者金融と富裕 層向けの新規で各200億円程度の計400億円、その他を住宅ローンや中 小企業を中心とした法人向け融資などで増やしたいという。

同行は無店舗でインターネットを中心に預金を集めるオリックス グループの信託兼業銀行。オリックスが98年に旧山一信託銀行を買収 して営業を開始、一般融資など普通銀行としての業容拡大に合わせ昨秋 にオリックス銀行に社名を変更した。昨年9月末の預金残高は約1兆円 で岩手県地盤の第二地銀、北日本銀行などと同規模だ。

消費者金融は年利3%-17.8%で融資する。オリックス・クレジッ トの保証によりインターネット経由で平均10-12%と大手消費者金融 の15-17.8%より低い金利帯での融資を想定している。潮社長は年収の 3分の1が上限のノンバンクの総量規制に該当しない銀行であるため 「与信できると判断した顧客には積極的に融資したい」と述べた。

グループ戦略

主なネット銀にはソニー銀行(11年9月末の預金残高1兆6451億 円)、大和ネクスト(9130億円)、楽天銀行(7255億円)などがあり、 大和ネクスト銀は証券取引決済、楽天銀は買い物のネット決済を得意と する。オリックス銀では、信託銀兼業を強みにオリックスブランドも生 かし、個人顧客と不動産取引などを結び付けていきたい考えだ。

プライベートバンキングでは金融資産1億円以上の医師や弁護士 ら高所得者層が対象。不動産投資(担保)ローンなどを積極的に提供し ていく方針だ。一方、潮社長はリースや投資事業を手掛ける親会社のオ リックスとの連携によるシナジー効果について「特に中堅・中小企業の 顧客向けに商品提供の幅が広がっている」との認識を明らかにした。

クレディ・スイス証券の山中威人アナリストは、1年間で融資残高 を1500億円増やすことは「過去の実績から不可能ではない」と指摘。 また「利幅の薄い商品は資金調達コストの安い銀行に任せる戦略で伸ば してきており、グループとして利益率改善が見込める」などと述べ、銀 行で個人向け業務を強化するオリックスのグループ戦略を評価した。

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