欧州の銀行:周辺国国債の保有削減、運用好調でも

ユーロ圏国債の保有を減らしている 欧州の銀行は、域内で最大のリターン(投資収益)を得る機会を逃して いる。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)が 集計した指数によると、今年に入り最もリターンの高いソブリン債はイ タリアとアイルランドの国債で、ベルギーとスペイン債がこれに続く。 にもかかわらず、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グル ープ(RBS)やドイツのコメルツ銀行、フランスのクレディ・アグリ コルなどはいわゆるユーロ圏周辺国の債券への投資を削減している。

HSBCホールディングスの債券調査グローバル責任者、スティー ブン・メージャー氏(ロンドン在勤)は「好機を逃す銀行も一部では出 てくるだろう」と指摘。「スペインとイタリア、ポルトガルに加え、特 にアイルランドは実に好調だ」と述べた。

1日時点でイタリア国債の年初来リターンは11%と、ブルームバー グとEFFASが調査対象としている26の債券指数で最高。アイルラン ド債は9.9%で、ベルギー債は3.8%、スペイン債は3%。一方、ドイツ 債のリターンは0.2%にとどまっている。ユーロ圏でこれを下回るのは ギリシャだけだ。

利益よりも評判を重視

RBSは11年にイタリアとアイルランド、ポルトガル、スペイン、 ギリシャ国債の保有を90%削減し、ドイツ債を増やしたことを、2月23 日の投資家向け説明会で明らかにした。

説明会によると、コメルツ銀は11年までの2年間にポルトガル債へ の投資を半分余り縮小し、イタリア債を4分の1超減らした。仏銀3位 のクレディ・アグリコルはイタリア債の保有を半分以上削減したとい う。

グレンデボン・キング・アセット・マネジメントで資産運用に携わ るニコラ・マリネリ氏は、欧州の当局者らが域内債務危機を打開できな いことに投資家はおびえており、銀行は収益性を上げるよりも評判を守 ることをより重視していると説明。同氏は「極めて危険な時期であり、 損失を出してもバランスシートがクリーンであることを市場に示す方が 良い」と指摘し、損失を出していなくても、「そうした資産を保有して いるという事実が投資家を震え上がらせている」と語った。

原題:Banks Miss Best of Bond Gains as Fear Trumps Greed: Euro Credit (抜粋)

--取材協力:Mark McCord.

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 野崎 ひとみ Hitomi Nozaki +81-3-3201-3549 hnozaki1@bloomberg.net Editor:Masashi Hinoki

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE