成長鈍化のBRICs:政府影響力が国有企業の株価の重しに

新興市場の経済成長が鈍化する中、 新興国首脳は株主の利益より公共サービスを重視している。このため、 最大級の国有企業のバリュエーション(株価評価)は6年ぶりの低水準 に落ち込んでおり株主を悩ませている。

ブラジル石油公社(ペトロブラス)は2月9日、昨年10-12月(第 4四半期)は52%減益だったと発表。政府による価格上限設定が燃料販 売での損失につながった。ロシア最大のガス会社、ガスプロムは先月、 税負担の拡大で2012年の利益が20億ドル(約1600億円)下押しされると の見通しを示した。

インドではコール・インディアが国内電力会社との供給契約の調印 を命じられた。中国の銀行は、株価が純資産に対し記録的な安値で取引 されている。資金調達事業体を通じ多くの資金を借り入れている地方政 府がデフォルト(債務不履行)に陥るのではないかとの懸念が背景だ。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、ブラジルとロシア、イ ンド、中国のいわゆるBRICs4カ国の国有企業47社の平均バリュエ ーションは昨年12月、MSCI新興市場指数のバリュエーションを05年 以来初めて下回った。

ロシアのプーチン首相は今月の大統領選挙で大統領職への返り咲き を狙い、中国では指導部の交代が今年から始まる。そうした中、 BRICsは09年以来の低成長になっている。

ドイツ銀行のロンドン在勤ストラテジスト、ジョンポール・スミス 氏は、ブラジルとロシア、中国の株式投資判断を政府の事業への影響力 などを理由に「アンダーウエート」としている。「国有企業は投資家が 想定している企業目標と異なる目標を持っていることが多々ある」と指 摘する。

原題:BRIC Investors Losing as Statists Forgo Earnings for Economy (1)

--取材協力:Peter Millard、Anna Shiryaevskaya、Jason Corcoran、Jun Luo、Rajesh Kumar Singh、Carlos Caminada.

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