円全面安、対ドルで4日ぶり安値-リスク選好の売りで一時81円半ば

東京外国為替市場では、円が主要 16通貨に対して全面安。対ドルでは一時1ドル=81円56銭と、4営 業日ぶりの安値を付けた。米雇用関連指標の好調や欧州債務懸念の緩和 を背景にアジア株が堅調さを維持し、リスク選好に伴う円売り圧力がか かった。

ドル・円相場は朝方に付けた81円06銭を円の上値に、81円台半 ばまで円がじり安に展開。また、円は対ユーロでも朝方に1ユーロ= 107円95円まで上昇したあとは下落基調が続き、午後には108円46 銭まで水準を切り下げた。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは 、欧州中央銀行(ECB)による3年物資金供給オペ第2弾の効果がイ タリア国債あたりにちゃんと及んでいる格好となっており、「引き続き リスクセンチメントは改善方向」だと指摘。全般的な円売りにつながっ たと説明している。

ECBは先月29日に、長期リファイナンシングオペ(公開市場操 作、LTRO)を通じて5295億ユーロの資金供給を実施。1日の欧州 債市場では、イタリア2年債利回りが2010年10月以降で初めて2% を割り込んでいる。

ただ、池田氏は、緩和効果によるリスクセンチメントの改善に加え て、原油相場の上昇を考えると、来週に予定されているECBの金融政 策会合では追加の緩和に前向きな発言は見込みにくいと指摘。そうなる と、「緩和期待主導の流動性相場に一服感が出てくる可能性がある」と みている。

米追加緩和期待が後退

1日に発表された2月25日までの週の新規失業保険申請件数(季 節調整済み)は、前週比2000件減の35万1000件と、2008年3月以 来の水準に減少した同月10日までの週と並んだ。

これを受けて、米国債相場は続落し、10年債の利回りは2%台に 乗せ、先月22日以来、約1週間ぶりの水準に上昇した。米連邦準備制 度理事会(FRB)のバーナンキ議長は1日、前日の下院金融委員会に 続いて、上院銀行委員会で証言したが、量的緩和第3弾(QE3)への 言及はなかった。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、バー ナンキ議長の発言を背景に、QE3期待が後退しており、「米長期金利 の低下が大幅なドル安をもたらすような状況ではなくなっている」と説 明。一方、日本は貿易赤字の拡大で経常収支赤字化のタイミングが早ま る可能性があるなど、「日本売りの要因」がくすぶっているといい、ド ル高・円安基調を見込んでいる。

半面、米供給管理協会(ISM)が1日に発表した2月の製造業景 況指数は52.4と、前月の54.1から低下。ブルームバーグ・ニュース がまとめた市場予想の54.5も下回った。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、日米金利差の拡大と 比べてドル・円の上昇は行き過ぎとの見方もあるとし、来週末の米雇用 統計や翌週の連邦公開市場委員会(FOMC)を見極めたいとの雰囲気 が広がりつつある中、目先は「ポジション調整が中心で、月初・週末の 需給が多少動かす程度」になるとみている。

ドル・円相場の相対力指数(RSI、14日間)は75台後半に上 昇し、ドルの買われ過ぎの目安とされている70を上回っている。

--取材協力:大塚美佳、小宮弘子 Editor:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

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