米国債:4日ぶり上昇、ユーロ圏への懸念で逃避需要が高まる

米国債相場は反発。ユーロ圏で融資 を促す措置が取られているものの経済成長の後押しにはならないとの懸 念を背景に、安全資産の需要が高まり、4日ぶりに上昇した。

米10年債は週ベースで下げを埋める展開。ドイツで1月の小売売上 高が予想外に減少し、逃避買いを誘った。欧州中央銀行(ECB)への ユーロ圏市中銀行による翌日物預金は過去最高に達した。ECBが先 月29日に実施した3年物資金オペの影響とみられる。ニューヨーク連銀 は2日、19億7000万ドル相当の長期債を購入した。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポー ル・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は「予想外のニュースが出てくる リスクがあるため、投資家はショートのまま週末を迎える気になれな い」と解説。「現状に対して十分な資金が充てられるのかどうか、市場 参加者は気をもんでいる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時7分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01ポイント)低下の1.98%。同年債(表面利率 2%、2022年2月償還)価格は13/32上昇して100 6/32。利回りは週間 ベースでほぼ変わらずだった。

ネットショート縮小

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファ ンドなどの大口投資家は2月28日までの1週間で、10年債先物のネット ショート(売り越し)ポジションを縮小した。

シカゴ商品取引所でネットショートの建て玉はネットロング(買い 越し)より2万2496枚多かった。ただしネットショートは前週比で4 万2789枚(66%)縮小した。

米国債の売買高は前日まで2日連続で3000億ドルを超えた。米連邦 準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が金融当局による追加緩和 の可能性を示唆しなかったことで失望が広がったのが背景にある。イン ターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、前日の売買高 は3130億ドル。2月29日の売買高は3650億ドルに上った。過去1年での 平均は2730億ドル。

HSBCホールディングスの米金利ストラテジスト、ラリー・ダイ ヤー氏(ニューヨーク在勤)は「前日までの2日間は行き過ぎだった。 今になってやや反動が出ている」と述べた。

利回り格差

ドイツ10年債と米同年債の利回り格差は2日に18bpに拡大した。 ドイツ債利回りは米10年債利回り以上の大幅な低下。ソブリン債危機が ユーロ圏の景気回復の足かせとなっているとの懸念が背景にある。

2日のECB発表によると、市中銀行の翌日物預金残高は7769億ユ ーロ(約84兆円)に達した。前日は4752億ユーロだった。ECBは今 週、3年物オペで5295億ユーロを供給した。

独連邦統計庁が2日発表した1月の小売売上高指数(物価・季節調 整済み)は前月比1.6%低下。ブルームバーグ・ニュースがエコノミス ト22人を対象にまとめた調査の予想中央値では0.5%上昇が見込まれて いた。

CRTキャピタル・キャピタル・グループ(コネティカット州スタ ンフォード)の国債戦略責任者、デービッド・エーダー氏はブルームバ ーグ・ラジオのインタビューで、「私はリスクオフ派だ」とし、「財政 緊縮措置は今後も成長軌道の障害となる。リスク意欲が大きく高まる環 境ではないと考えている」と述べた。

原題:Treasuries Snap 3-Day Drop as Euro-Area Concern Spurs Safety Bid (抜粋)

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