3月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対円9カ月ぶり高値-米成長加速の観測

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが円に対し9カ月ぶり高値 に上昇した。来週発表の米経済指標で景気回復ペースの加速が示され るとの楽観が広がる一方、日本ではデフレが根強く続いている。

日本の1月の消費者物価指数(CPI)が低下し、日本銀行は金 融緩和を進めるとの観測が広がったことから、円は軟調。ドルは大半 の主要通貨に対して水準を上げた。米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長が議会証言で量的緩和第3弾(QE3)に言及しな かったことを受けた。ユーロは対ドルで3日続落。ドイツの1月の小 売売上高指数が前月比で予想外のマイナスとなったことが手掛かり。

BNPパリバのシニア為替ストラテジスト、レイ・アトリル氏 (ニューヨーク在勤)は「この1週間で追加の量的緩和への期待はし ぼんだ」とし、「資源国通貨は全て下げ、株価も下落、よって若干リ スクオフ(回避)の雰囲気が強い」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対し前日比0.9%高 の1ドル=81円81銭。一時81円87銭と、昨年5月26日以来の 高値を付けた。円は対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=107円97 銭。ユーロは対ドルで0.9%値下がりし、1ユーロ=1.3198ドル。

この日は商品輸出国の通貨の下げが目立った。資源価格の下落が 材料視された。

商品銘柄で構成するトムソン・ロイター・ジェフリーズCRB指 数は1%低下。原油相場も反落した。

南アフリカ・ランドは1.1%安の1ドル=7.5208ランド。ノル ウェー・クローネは0.6%安の1ドル=5.6075クローネ。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.8%上昇し79.434。今週は1.3%高と、1月6日終了 週以降で最大の上げとなった。

バーナンキFRB議長は1日、失業率が高水準にとどまり、イン フレは抑制されていることから、低金利が維持される公算が大きいと した一方で、経済が追加の量的緩和を必要としているというシグナル は発しなかった。

議長は上院銀行委員会の公聴会で、労働市場で「前向きな進展」 が見られるとした上で、「雇用市場は依然として正常な状態からは程 遠い」と付け加えた。またガソリン価格上昇のインフレへの影響は一 時的なものにとどまる可能性が高いとの認識を示した。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替スト ラテジスト、ジェーン・フォリー氏は2日付の電子メールでのリポー トで、「バーナンキ議長はきのう、金融政策を極めて緩和的と表現し た」と指摘、ドルには「金融当局が追加の量的緩和に動かないとの観 測がプラスに働いている」と続けた。

日本のCPI

総務省が2日発表した1月の全国のコアCPIは前年同月比

0.1%低下し、前年比で4カ月連続のマイナスとなった。日銀は先月 14日開いた金融政策決定会合後、物価政策について「当面、消費者 物価(CPI)の前年比上昇率1%」を目指すとした上で、「それが 見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入 れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく」と表明した。次 回の政策決定会合は今月12、13日。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、日銀が次回の 決定会合で追加緩和を発表すると市場は予想しており、それが多少の 円売りにつながっていると説明。またCPIは依然としてマイナスで、 日銀の目標からは程遠いと指摘した。

◎米国株:下落、高値警戒感が台頭-経済成長に比べ行き過ぎ

2日の米株式相場は下落。S&P500種株価指数は2008年以 来の高値まで上昇したが、高値警戒感から売られた。世界経済の成長見 通しに比べ、このところの株高は行き過ぎとの見方が台頭した。

S&P500種産業別10指数の中でエネルギー株や資本財株、金 融株が大きく下げた。アナダルコ・ペトロリアムやディーゼルトラッ クのエンジン生産を手掛けるカミンズ、金融のモルガン・スタンレー が下落。ディスカウントストアのビッグ・ロッツは売上高が予想を下 回ったことが嫌気され下落した。地元ビジネスの評価サイトを手掛け るイェルプは上昇。一時73%高を記録した。この日は新規株式公開 (IPO)実施後初の取引だった。

S&P500種株価指数は前日比0.3%下げて1369.63。週間ベ ースでは0.3%上昇。ダウ工業株30種平均は2.73ドル(0.1%未 満)下げて12977.57ドル。

パイオニア・インベストメンツの運用担当者、ジョン・キャリー 氏(ボストン在勤)は「一部の投資家は株価急上昇について、市場が 先走ったとみているだろう」と指摘。「欧州債務危機の影響で景気は 冷え込む可能性がある。欧州での状況に投資家は安堵しているように 見えるかもしれないが、注意してみると根本的な問題はまだ解決して いない」と続けた。

S&P500種の株価収益率(PER 、実績ベース)は14.1倍。 ブルームバーグの集計によれば1954年以降の平均は16.4倍となっ ている。

産業別10指数のうち7指数が下落

S&P500種産業別10数の中で7指数が下落。アナダルコは

3.8%値下がりした。カミンズとモルガン・スタンレーはそれぞれ

1.8%と1.7%下落した。

ビッグ・ロッツは4%の大幅安。同社が発表した第4四半期(11 -1月)売上高は16億3000万ドル。ブルームバーグがまとめたア ナリスト予想平均では16億6000万ドルだった。

オンライン通信販売のオーバーストック・ドット・コムは11%下 落。同社の第4四半期(10-12月)売上高は3億1410万ドル。ブ ルームバーグがまとめたアナリスト予想平均(3億7750万ドル)に 及ばなかった。

イェルプは64%上昇して取引を終了した。同社の1日発表 によ れば、IPO価格は1株15ドル、資金調達額は1億730万ドルに上 った。仮条件は1株12-14ドルだった。

フェイスブックのIPO

フェイスブック は規模50億ドルのIPOの引き受け幹事にドイ ツ銀行とクレディ・スイス・グループ、シティグループを追加した。 事情を直接知る関係者が明らかにした。これでIPOの引き受け幹事 は9行となった。

情報が公開されていないとして匿名を条件に語ったところによる と、フェイスブックの引き受け幹事は同社に対して追加で25億ドル 以上の信用枠を供与する。同社は数週間以内に監督当局に新たに届け 出て、情報を明らかにするという。

◎米国債:4日ぶり上昇、ユーロ圏への懸念で逃避需要

米国債相場は反発。ユーロ圏で融資を促す措置が取られているも のの経済成長の後押しにはならないとの懸念を背景に、安全資産の需 要が高まり、4日ぶりに上昇した。

米10年債は週ベースで下げを埋める展開。ドイツで1月の小売 売上高が予想外に減少し、逃避買いを誘った。欧州中央銀行(ECB) へのユーロ圏市中銀行による翌日物預金は過去最高に達した。ECB が先月29日に実施した3年物資金オペの影響とみられる。ニューヨ ーク連銀は2日、19億7000万ドル相当の長期債を購入した。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポ ール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は「予想外のニュースが出て くるリスクがあるため、投資家はショートのまま週末を迎える気にな れない」と解説。「現状に対して十分な資金が充てられるのかどうか、 市場参加者は気をもんでいる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時7分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の1.98%。同年債(表面利率 2%、2022年2月償還)価格は13/32上昇して100 6/32。利回 りは週間ベースでほぼ変わらずだった。

ネットショート縮小

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジフ ァンドなどの大口投資家は2月28日までの1週間で、10年債先物の ネットショート(売り越し)ポジションを縮小した。

シカゴ商品取引所でネットショートの建て玉はネットロング(買 い越し)より2万2496枚多かった。ただしネットショートは前週比 で4万2789枚(66%)縮小した。

米国債の売買高は前日まで2日連続で3000億ドルを超えた。米 連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が金融当局による追 加緩和の可能性を示唆しなかったことで失望が広がったのが背景にあ る。インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、前日 の売買高は3130億ドル。2月29日の売買高は3650億ドルに上っ た。過去1年での平均は2730億ドル。

HSBCホールディングスの米金利ストラテジスト、ラリー・ダ イヤー氏(ニューヨーク在勤)は「前日までの2日間は行き過ぎだっ た。今になってやや反動が出ている」と述べた。

利回り格差

ドイツ10年債と米同年債の利回り格差は2日に18bpに拡大し た。ドイツ債利回りは米10年債利回り以上の大幅な低下。ソブリン 債危機がユーロ圏の景気回復の足かせとなっているとの懸念が背景に ある。

2日のECB発表によると、市中銀行の翌日物預金残高は7769 億ユーロ(約84兆円)に達した。前日は4752億ユーロだった。E CBは今週、3年物オペで5295億ユーロを供給した。

独連邦統計庁が2日発表した1月の小売売上高指数(物価・季節 調整済み)は前月比1.6%低下。ブルームバーグ・ニュースがエコノ ミスト22人を対象にまとめた調査の予想中央値では0.5%上昇が見 込まれていた。

CRTキャピタル・キャピタル・グループ(コネティカット州ス タンフォード)の国債戦略責任者、デービッド・エーダー氏はブルー ムバーグ・ラジオのインタビューで、「私はリスクオフ派だ」とし、 「財政緊縮措置は今後も成長軌道の障害となる。リスク意欲が大きく 高まる環境ではないと考えている」と述べた。

◎NY金:反落、ドル上昇で代替需要が後退-週間では3.7%安

ニューヨーク金先物相場は反落。ドル上昇を受けて代替投資とし ての魅力が弱まった。週間では昨年12月中旬以来の大幅安となった。

1月のドイツ小売売上高が市場予想に反して減少したことを背景 に、ドルは通貨バスケットに対して一時0.8%上昇した。金は週間 で3.7%安と、昨年12月16日以来の大幅な下げ。一方、ドルは今 週、1.3%上昇している。

アトヤント・キャピタル・マネジメントの運用担当者、プラティ ク・シャーマ氏は電話インタビューで、「ドルが金相場を押し下げて いる」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比0.7%安の1オンス=1709.80ドルで終了した。

◎NY原油:反落、オバマ米大統領発言でイラン緊張が緩和

ニューヨーク原油先物相場は反落。イランへの先制攻撃は同国へ の「同情」を誘いかねないとのオバマ米大統領の発言を受け、今年最 大の値下がりとなった。

オバマ大統領はアトランティック誌とのインタビューで、イラン に奇襲を仕掛けた場合、同国は被害者として振舞うことになるだろう と発言。来週の米経済統計を控えたドルの上昇を背景に、金を売る動 きもあった。来週の経済統計は米経済の成長ペースの加速を示唆する との見方からドル相場が上昇した。

PFGベスト(シカゴ)アナリスト、フィル・フリン氏は「オバ マ大統領は早計なイラン攻撃は望まないと言明しており、これで心配 はやや和らいだ」と指摘。「この記事によれば、近く攻撃が行われる 公算は小さくなり、イラン発のリスクプレミアムは縮小しつつあるよ うだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比2.14ドル(1.97%)安の1バレル=106.70ドルで終了した。 昨年12月14日以来の大幅安。週間では2.8%の下落。2月3日終 了週以来で初のマイナスとなった。

◎欧州株式市場

2日の欧州株式相場は上昇。ストックス欧州600指数は週ベース でも上げた。この日閉幕した欧州首脳会議はソブリン債危機での転換 点を宣言。リセッション(景気後退)から同地域を回復させるため、 成長促進に軸足を移した。

英インターナショナル・パワーが電力株を、英バークレイズが銀 行株の上昇をそれぞれけん引した。両業種の投資判断をゴールドマ ン・サックス・グループが引き上げたことが手掛かり。オランダの油 田サービス会社、SBMオフショアは16%の値上がり。沖合の原油・ 天然ガス市場についての「明るい」見通しが好感された。一方、ベル ギーの通信会社、ベルガコムは安い。減益決算が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%高の267.21で終了。 欧州中央銀行(ECB)によるユーロ圏の銀行への長期資金供給や、 域内首脳による第2次ギリシャ救済承認を受け、前週末比では0.9% 上昇した。

カムジェスション(パリ)のファンドマネジャー、ブルーノ・デ ュクロ氏は「救済策が承認された事実は良いニュースだ」と指摘。 「問題は解決されていないが、時間は稼げた。時間は必要で、措置も 講じられた。正しい方向に進んでいる」と付け加えた。

ストックス欧州600指数は2月に3.9%上昇し、年初から同月末 までに8.1%値上がり。1-2月としては1998年以来の大幅高とな った。ユーロ圏が債務危機を封じ込めるとの楽観や、予想を上回る米 経済指標が株価を支えた。

ブリュッセルで前日始まった欧州首脳会議は、恒久的救済基金へ の迅速な資本払い込みなどで合意。同地域に債務危機へのファイアウ オール(防火壁)をまず強化するよう迫る国際社会からの圧力に応え た。また、欧州連合(EU)加盟国中25カ国の首脳はこの日、財政 赤字の抑制強化に向けた新財政協定に署名した。

この日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇。 インターナショナル・パワーは4.4%高の365.5ペンスで終了。バ ークレイズは2.2%上げて256.75ペンス。SBMの終値は15.36 ユーロ。ベルガコムは4.9%安の22.89ユーロで引けた。

◎欧州債券市場

2日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇し、2年債利回りはここ 2カ月で最大の低下となった。同国で1月の小売売上高が予想外に落 ち込んだことから、債務危機が域内の景気回復への重しとなっている との懸念が強まった。

スペイン国債は12営業日ぶりに下落。財政赤字を圧縮する取り 組みに景気減速の深刻化が打撃を与える、とのラホイ首相の発言が売 り材料となった。

イタリア10年債は週間ベースで上げ、過去14年で最長の上昇 局面となった。同国の2011年財政赤字が対国内総生産(GDP)比 率でエコノミストの予想以上に縮小したことが手がかり。市中銀行が 欧州中央銀行(ECB)の3年物資金供給オペで得た資金を、同国債 購入に充てるとの見方が広がった。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジス ト、ラスムス・ロウジング氏は「ユーロ圏経済の軟調が引き続き懸念 されているほか、こうした不透明感が続く限り、ドイツ国債利回りは 抑えられる」と述べた。ECBの3年物オペが「周辺国債を大きく支 えたが、リスクはまだある」とも語った。

ロンドン時間午後4時41分現在、ドイツ2年債利回りは前日比 5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し0.16%。一時 は昨年12月27日以降で最大の6bp低下となった。同国債(表面 利率0.25%、2014年3月償還)価格はこの日、0.105上げ

100.175。10年債利回りは7bp低下の1.80%。

独連邦統計庁が2日発表した1月の小売売上高指数は前月比

1.6%低下。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト22人を対象 にまとめた調査の中央値では0.5%上昇が見込まれていた。昨年12 月は0.1%上昇だった。

スペイン10年債利回りは前日比4bp上昇の4.90%。同年限の ドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は10bp拡大し 312bp。スペイン10年債利回りは昨年8月以来で初めて、イタリ ア債利回りを一時上回った。

イタリア10年債は6日続伸し、利回りは5bp下げ4.90%とな った。前週末比では58bpの低下。2年債利回りは2bp低下し

1.74%。

◎英国債市場

2日の英国債市場では10年債相場が上昇。1月のドイツ小売売 上高が予想外に減少し、ソブリン債危機に起因するユーロ圏の景気減 速の兆候が増えたと受け止められた。

スイスクオート銀行のチーフ外為ストラテジスト、ペーター・ロ ーゼンストライヒ氏(ジュネーブ在勤)は「週末に向けてリスクオフ の雰囲気があったのは間違いない」と述べ、「市場の信頼感に打撃を 与える材料が絶え間なくあったのに加え、ドイツの状況も重視された」 と続けた。

独連邦統計庁が2日発表した1月の小売売上高指数は前月比

1.6%低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査 の中央値では0.5%上昇が見込まれていた。昨年12月は0.1%上昇 だった。

10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.15%。同国債(表面利率4%、2022年3月償 還)価格は0.63上げ116.59となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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