日本株下落、2月上昇業種の鉄鋼、不動産売り-円安一服し輸出軟調

東京株式相場は下落。過熱感や米国 の重要経済統計の発表を前に買いが見送られる中、2月月間のパフォ ーマンスが良好だった鉄鋼、不動産株などが売られ、株価指数は午後 に弱含んだ。鉄鋼株は、一部アナリストによる業界判断の引き下げも マイナス要因。また、為替の円安基調も一服し、午前は高かった機械 や電機、輸送用機器など輸出関連株も下げに転じた。

TOPIXの終値は前日比4.42ポイント(0.5%)安の831.54、 日経平均株価は同15円87銭(0.2%)安の9707円37銭。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネージャーは、こ れまでは金融緩和や為替市場の円安などの追い風で上昇していた部分 が大きく、「それが無くなれば日本株も買われなくなる」と指摘。株価 純資産倍率(PBR)1倍が1つの壁になっており、「長い目で収益性 改善が見込めるまでは、PBR1倍の水準で指数は頭打ちになる」と の見方を示した。

東証1部の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の百分比を示す騰落 レシオ(25日移動平均)は2月29日時点で128%と、一時の143%か らは低下したが、なお過熱を示す120%を超えている。朝方は、米国 の追加金融緩和観測の後退から為替が円安・ドル高方向に振れたこと が好感されたほか、欧州中央銀行(ECB)による市中銀行への大量 資金供給を受けた過剰流動性相場への期待で、日経平均は一時142円 高の9865円まで上げ幅を拡大。ただ、前日の日中高値9866円には届 かず、上値の重さが意識されると、徐々に伸び悩み。午後の取引はマ イナス圏で推移した。

一時1ドル=81円39銭まで円安が進んだドル・円相場は、午後 には81円を割り込むなど円安基調が一服。さらに、日本時間午前に発 表された中国国家統計局と中国物流購買連合会の製造業購買担当者指 数(PMI)が51.0と、昨年9月以来の高水準となり、SMBCフレ ンド証券の中西文行ストラテジストによると、「中国の金融緩和期待の 後退と市場は捉えた」と言う。日本時間今夜には、米国で2月の供給 管理協会(ISM)製造業景況指数の発表も控え、買い手控えムード の中で持ち高調整、損益確定の売りが優勢となった。

SQ見据えた先物売買の影響も

きょうの大阪証券取引所の日経平均先物3月物(円建て)の出来 高は8万6921枚と、2月の1日当たり出来高の平均5万9553枚を大 きく上回った。

岡三証券投資戦略部の船津典彦チーフストラテジストは、「来週の メジャーSQ(株価指数先物・オプションの特別清算値算出)を前に した先物の仕掛け的な動きもある」と話していた。

東証1部33業種では鉄鋼、不動産、鉱業、ガラス・土石製品、保 険、証券・商品先物取引、機械、石油・石炭製品、非鉄金属、海運、 銀行、電機、輸送用機器など26業種が下落。2月の業種別上昇率を見 ると、証券・商品先物取引が32%、不動産が21%、保険が19%、鉄 鋼が19%と上昇率上位に並んでおり、名実ともに3月相場入りし、き ょうはこうした業種への売り圧力が高まった。下落率1位の鉄鋼には、 SMBC日興証券がセクター判断を「強気」から「中立」に引き下げ る材料もあった。

板硝子急落、ソフバンク堅調

個別では、日本板硝子が急落。BNPパリバ証券では、主要顧客 である米太陽電池最大手のファーストソーラーが29日に12年の生産 計画を引き下げたことを受け、仮に生産が25%減少すれば、同社の営 業益を10-20億円下押しすると指摘した。

一方、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買い」に上げ たソフトバンクが上昇。総務省から割り当てが決まった900メガヘル ツ帯は、グローバルバンドである点が重要で、同社の戦略的自由度が 増すと評価。通信のトップピックをNTTドコモから同社に変更した。

東証1部の売買高は概算で26億3458万株、売買代金は1兆4913 億円、値上がり銘柄数は429、値下がりは1162。国内新興市場は、ジ ャスダック指数が前日比0.8%安の50.86と反落、東証マザーズ指数 が同2.7%安の380.79と3日続落した。

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