政府・与党:AIJ問題で再発防止策を検討、規制強化へ法改正も視野

政府・与党はAIJ投資顧問が企業 年金などの資産を大きく減らし業務停止処分となった問題で再発防止 策の検討に乗り出した。民主党内では金融商品取引法を改正する構想が 浮上。自見庄三郎金融担当相は、投資一任業者の運用実態を正確に把握 するため規制強化も排除しない方針を打ち出している。

民主党は規模の小さい投資一任業者にも外部監査を受けるよう義 務付ける方針だ。3月中にも今通常国会に金融商品取引法の改正案を提 出し、早期成立を目指す。規制強化を通じて投資家保護を徹底する。民 主党の大久保勉政調副会長が1日までにブルームバーグ・ニュースのイ ンタビューで明らかにした。

大久保氏は「第2、第3のAIJが出てくる可能性もある」として 早期に対応する必要性を強調した。今回の問題ではAIJが顧客に正確 な運用内容を開示せず、その間に資産が消失していた可能性が指摘され ている。情報開示の信頼性を高める狙いだ。法改正に先行して必要な政 省令の改正なども進めたい考えだ。

民主党は1日午前、「年金積立金運用のあり方およびAIJ問題検 証」の作業部会を開催。これに先立ち大久保氏は法改正をはじめAIJ と同様の問題の再発防止策などを幅広く検討していく考えを明らかに した。大久保氏が事務局長となり、蓮舫前行政刷新担当大臣や元厚生労 働大臣の長妻昭氏など国会議員10人で集中的に行う。

同作業部会の座長に就いた蓮舫氏は1日の会合の後、記者団に対し て、AIJ問題について「88万人が影響を受けるもので無視できない」 と強調。再発防止に向けて「どんな手を講じれば国民に安心していただ けるか提案していきたい」と述べた。同作業部会では今国会の会期末ま でに何らかのとりまとめを行う予定だ。

ヘッジファンド経験者を検査官に

同作業部会では、金融庁や証券取引等監視委員会の検査・監督体制 の強化も視野に入れている。大久保氏は例として、監視委内に運用業務 に詳しく「ヘッジファンドで運用を経験した専門家を検査官として外部 採用すること」や、年金基金から資産を預かる「信託銀行や生命保険な どの受託者責任を徹底する」必要性の検討などを挙げた。

金融庁は29日、AIJ問題を受け投資一任業者265社への一斉調 査を開始した。金商法に基づく報告命令で、再発防止に向け幅広く対応 を検討する。自見金融担当相は28日の会見で「あらゆる選択肢を排除 しない」と述べ、必要があれば規制・監督も見直す方針を示した。現行 法では非上場などの投資顧問は外部監査を受ける義務がない。

ニッセイ基礎研究所の前田俊之取締役理事は、信託銀行や生保の受 託者責任を強化するには負荷が大きすぎると指摘する。海外運用に関す る監査報告の内容を精査するには時間とコストがかかるとし、「今回の 問題点が海外の仕組みということであれば、強い国際的連携が必要で国 内の規制強化だけで解決されるものではない」とみている。

金融庁によればAIJ投資顧問は1989年設立で資本金2億3000万 円。10年12月末時点での役職員数は12人。日本投資顧問業協会のウェ ブサイトによると、AIJは昨年9月末現在で、127件、約2177億円の 投資資産を運用している。監視委は1月23日からAIJの検査に入っ ている。

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