経営立て直しを目指すマツダの株 価が急落。午前の取引で一時、前日比8.8%安の134円と、2月初旬 以来の水準まで下がった。22日発表の増資規模が、事前の報道を上回 ったことで、想定以上の希薄化につながるとの指摘が出ている。

マツダは22日、公募増資により手取り概算額で最大1628億円を 調達するほか、劣後ローンで700億円を借り入れると発表した。クレ ディ・スイス証券の高橋一生アナリストは23日付のリポートで、複数 の報道による事前観測で増資額1000億円が市場コンセンサスになっ ていたと考えられるため、想定を上回る希薄化と受け止められようと コメントした。マツダ株は21日も事前報道後に一時14%安となった。

マツダは今回の増資などで、財務基盤や、成長する新興国市場な ど海外展開の強化を図る。発表資料によると、公募増資で現在の発行 済み約17億8000万株は最大約30億株へ増加する。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、株価の下落は増資によ る希薄化に伴うもので避けようがないと指摘した。また、これで競争 力がつくか分かりかねているのが現状とも述べ、具体的な提携計画が 示されるか、世界経済の大幅な回復が現実になれば、株価を支えるだ ろうとコメントした。

富国生命投資顧問の桜井祐記社長は、マツダが資金使途を投資家 へ適切に説明できれば株価の下落は長続きしないだろうとみている。 また、攻めの経営戦略に必要な資金を確保することは大切と指摘した。

格付投資情報センター(R&I)は22日、劣後ローンも含め資本 コストが高くつく点に留意が必要だが、財務基盤立て直しに一定の効 果があり、信用力にもプラスに働こうとのコメントを発表した。一方、 格付けを維持できるかは、収益力・キャッシュフロー創出力を着実に 改善していけるかにかかっているとも指摘。資本増強策の結果に加え、 来期(2013年3月期)以降の収益動向をよく見極めた上で、新たな格 付けを公表するとした。

増資の資金使途は、メキシコ工場関連300億円、ロシア関連500 億円、ASEAN(東南アジア諸国連合)関連500億円、本社・防府工 場関連300億円の投融資や、次世代環境・安全技術の研究開発に約928 億円。また、劣後ローンは主に既存の有利子負債の返済に充当する。

公募増資のほか、R&Iが50%の資本性を認めている劣後ローン も活用することで、マツダは株式の希薄化を抑制しながら財務基盤の 安定性を高めることができるとしている。

マツダは2日、今期(12年3月期)業績予想を下方修正し、純損 失は従来の190億円から1000億円へ拡大する見通しとなった。純損失 は4期連続となる。4-12月決算では、自己資本比率が11年3月期 の24%に対し、19%に低下した。純有利子負債は5015億円だった。

マツダの公表資料によると、昨年の国内生産台数に対する輸出台 数の割合は約80%に達する。また、世界生産約116.6万台のうち、国 内生産の割合が約70%となっている。日本の自動車メーカーの中でも 輸出比率が高く、円高の影響を受けやすい構造だ。

ガソリンエンジン改善などで燃費向上を進めるマツダは来期、独 自技術「スカイアクティブ」による反転攻勢で全利益レベルの黒字を 目指している。16年3月期には営業利益1500億円、世界販売170万 台を計画。海外生産比率は、12年3月期に30%、14年3月期に40%、 16年3月期に50%を目標にしている。

また、山内孝社長兼会長は16日の都内での新車発表会で、提携は 守秘義務契約を結んでの交渉をしているとし、時期が来たら明らかに すると語った。提携内容については「商品や技術や弱みを補完する方 向で検討している」と述べた。

--取材協力:松田潔社、谷口崇子、藤村奈央子、堀江政嗣

Editor:Hideki Asai、

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