第2次ギリシャ救済の決定が遅 れる中で、欧州の大国がギリシャをユーロ圏から追い出す考えをもて あそび「火遊び」をしていると、ギリシャのベニゼロス財務相が不満 をもらした。

15日夜の会合で期待されていた1300億ユーロ(約13兆3300 億円)の金融支援決定は少なくとも20日までお預けとなった。それ どころか、総選挙で正式のギリシャ政権が誕生した後へと先送りされ る可能性まで浮上した。

ベニゼロス財務相は15日アテネで記者団に、「ギリシャは次か ら次と新条件を突き付けられている」と憤慨。「ユーロ圏にはわれわ れの存在をもはや望まない輩が大勢いる。国内や海外を相手に火遊び をしている連中もいる。たいまつもあればマッチもあるが、リスクは どちらも同じように大きい」と語った。

ギリシャをユーロ圏にとどめるため支えることを決めてから2年、 欧州の首脳らは落ち込む経済にさらに支援資金を注ぎ込むべきか、前 例のない国家の破産を容認しギリシャのユーロ離脱と新たな市場混乱 の危険を冒すかの2つの選択肢の間で揺れている。

15日夜に予定されていたユーロ圏財務相会合は14日遅くに中止 が決まり、代わってブリュッセル時間午後5時から電話会議が始まっ た。財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク 首相兼国庫相)は救済決定の目標をかねて20日に予定されていた会 合に定めた。

フィンランドのウルピライネン財務相はヘルシンキで記者団に 「究極の問いは、経済を改革し救済の条件を満たす政治的意思がギリ シャにあるかどうかだ」と言明。債権国側の「極めて厳しい姿勢」に 言及した。

民間部門からの1000億ユーロの貢献に補完される公的金融支援 についての協議は昨年7月から続けられている。遅れはギリシャを、 145億ユーロの国債の償還期限である3月20日へと一歩ずつ近づけ ていく。これは13年のユーロの歴史の中で最初の加盟国デフォルト (債務不履行)への歩みかもしれない。

JPモルガン・チェース・バンクのロンドン在勤エコノミスト、 ニコラ・マイ氏は、延期は「非常に心配だ」として、「一部のユーロ 圏国が第2次救済パッケージの条件をギリシャが満たすことへの疑念 を募らせていることの表れだろう」と述べた。「ユーロ圏の一部の国 はギリシャのデフォルトを容認する方向に傾いているようだ」と付け 加えた。

財政緊縮法案の可決に続いて、ギリシャ暫定政権のパパデモス首 相は14日、3億2500億ユーロの歳出削減の具体策を求めた欧州の 要求にもこたえた。さらにもう1つの要求を満たすため、新民主主義 党のサマラス党首は15日、財政緊縮策の実行を約束する書面を提出。 NETテレビによれば全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のパパ ンドレウ党首も書簡を発送した。

ギリシャは2010年5月に決まった初回の救済の条件を満たすこ とに繰り返し失敗し、信頼を失った。ユーロ圏からの排除というかつ てはタブーだった考えが、政治的議論の主流に入り込んだ。

ベニゼロス財務相は「ギリシャばかりでなく世界経済にとってホ ラーとなるであろうシナリオを採用する口実や動機を、誰にも与えて はならない」と訴えた。

パパデモス政権と同様に財政再建を目指した暫定政権を預かるイ タリアのモンティ首相はこの日、フランス・ストラスブールの欧州議 会で、財政規律の崩壊にはドイツとフランス政府も片棒を担いだと指 摘し、「正義の味方も悪役もいない。われわれは皆、共同して責任を 感じなければならない」と語った。

欧州中央銀行(ECB)は少なくとも、保有しているギリシャ債 で生じた利益を加盟各国政府に還元することでギリシャ救済に貢献す る考えを示唆している。

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