全日本空輸の株価が高い。同社が前 日発表した今期(2012年3月期)連結利益の上方業績修正を好感して 出来高を伴って上昇している。11年3月以来、ほぼ10カ月ぶりの上昇 率となっている。

株価は一時6%を上回る水準まで上昇する場面もあった。午後零 時43分現在、株価は前日比13円(5.9%)高の235円、出来高は約1700 万株、東証一部の出来高で12位。

独立系投資顧会社、バリューサーチ投資顧問の松野実社長は、「利 益予想見通しの引き上げを好感して、個人投資家などが積極的に買っ ているようだ」と指摘する。その上で、10カ月ぶりの上昇率の背景に ついて、「全日空の株価は既に底値にあって好材料に反応しやすい状況 であり、信用取り組みでも売り残が多く妙味がある」ことなどを理由 に挙げた。

同社は31日、今期(2012年3月期)の連結営業利益と経常利益予 想をそれぞれ増額修正した。営業利益は、従来予想より200億円増額 した前期比33%増の900億円、経常利益は同51%増の560億円をそれ ぞれ見込む。一方で、売上高1兆4000億円、純利益200億円はそれぞ れ据え置いた。

次世代中型旅客機「ボーイング787」(ドリームライナー)の導 入を機に打ち出した積極的な需要喚起策が奏功したほか、300億円のコ スト削減が計画通りに進ちょくし、さらに来年度以降のコスト構造改 革の一部前倒しなどが利益予想を修正した主な理由。

黒字確保の姿勢に「すごみ」

前日の全日空のアナリスト向け電話説明会に参加した三菱UFJ モルガン・スタンレー証券の姫野良太シニアアナリストは、業績修正 について「ポジティブに評価している。引き上げた利益目標は、達成 は可能だと見ている」という。さらに「繰延税金資産の一部取り崩し などの影響を受けても最終利益を確保し黒字にするとの強い意志に基 づき、改革を前倒しで実施するという先見性にある意味すごみを感じ る」とコメントした。

全日空の金澤栄次上席執行役員は前日の会見で上方修正した200 億円の増額分の内訳について「円高がかなり長期にわたり継続してお り、為替の影響が約40億円、来年度以降のコスト削減計画の一部本年 度への前倒し効果が約80億円、広告宣伝などの更なる削減効果が約50 億円、航空事業以外のその他セグメントで約30億円」と説明した。同 社は今月中にも新たな中期経営計画を発表する予定。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE