米国債:続伸、10年債4カ月ぶり低利回り-統計が成長停滞を示唆

米国債相場は続伸。10年債利 回りはほぼ4カ月ぶりの水準に下げた。1月の米消費者信頼感指数が 予想に反して低下したほか、製造業景況指数も前月を下回ったことを 手掛かりに買い進まれた。

指標10年債の利回りは昨年9月以来最長となる5営業日連続の 低下。この日相次いで発表された住宅価格指数や製造業景況指数、消 費者信頼感指数は、米経済の成長が依然として逆風下にあることを示 唆するものとなった。欧州首脳陣によるギリシャ救済への取り組みが 続くなか、安全資産を求める動きは活発だった。ニューヨーク連銀に よる米長期債の購入を受け、30年債利回りは低下した。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、 レイ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は、「景気の停滞をめぐる議論 が高まっている」としたうえで、「現在のところ米国債市場では買い意 欲が強い。欧州危機も未解決だ。供給がない週にニューヨーク連銀の 国債購入が始まっている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時3分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下して1.79%と、10月4日以来の低水 準。同年債(表面利率2%、2021年11月償還)価格は14/32上げ て101 27/32となっている。

5年債利回りは3bp低下して0.70%。一時0.6981%と、過 去最低を付ける場面も見られた。30年債利回りは6bp下げて

2.94%。一時3bp上昇する場面もあった。

バブルはない

米投資信託会社バンガード・グループの創設者ジョン・ボーグル 氏によれば、米国債市場でバブルが発生することはあり得ない。償還 期限が来れば投資資金が投資家に返済されるためだという。ボーグル 氏はインデックス投資を広めたことで知られている。

同氏はこの日、ブルームバーグ・リンク主催の「ジョンC・ボー グル・レガシー・フォーラム」に出席。現在のような低金利の市場で は、米国債の投資家は単に償還期限までの少ないリターンを承知して いるにすぎないと指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 1月の米国債リターンは前日までに0.3%となっている。インフレ連 動債(TIPS)は1.9%上昇した。

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、オーストリア中銀 のノボトニー総裁は、ギリシャが財政調整を実践しユーロ圏内にとど まれるかどうかは確信できないと発言した。

米統計

米国債の利回りが低下した背景には、この日発表された全米20 都市を対象にした昨年11月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数が前年同月比で3.7%低下 したことがある。10月は同3.4%低下していた。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した1月の消費 者信頼感指数は61.1と、前月の64.8から低下した。シカゴ購買部 協会が発表した1月の製造業景況指数は60.2と、前月の62.2から 低下した。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

米国みずほ証券のチーフエコノミスト、スティーブン・リチュー ト氏(ニューヨーク在勤)は、「米経済は緩やかな成長と弱い成長の 間を行きつ戻りつしている。利回りが上昇する理由は全くない」と述 べた。

ニューヨーク連銀のウェブサイトによれば、同連銀はこの日、償 還期限が2036年2月から41年11月までの米国債25億2000万ド ル相当を購入した。

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