今日の国内市況:日経平均が4日ぶり反発、債券反落-ドルほぼ全面安

東京株式相場は、日経平均株価が 小幅ながら4営業日ぶりに反発。取引開始前に発表された国内の鉱工 業生産指数が市場予想を上回ったほか、前日の海外時間に進んだ対ユ ーロを中心とする円高の動きが一服し、景気に対する不安心理がやや 薄れた。機械株のほか、印刷を含むその他製品株など景気敏感業種の 一角が上昇。JR東日本など陸運株も高い。

一方、決算発表を受け業績の先行き不透明感が広がった富士フイ ルムホールディングスや花王、キヤノンなどが大きく下げた影響で化 学、電機株は終日弱く、相場全般の上値を抑えた。国際商品市況の軟 調が嫌気され、石油・石炭製品や鉱業など資源関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比9円46銭(0.1%)高の8802円51 銭。TOPIXは1.74ポイント(0.2%)安の755.27。

経済産業省がきょうの取引開始前に発表した昨年12月の鉱工業 指数速報によると、生産指数は前月比4%上昇し、ブルームバーグが まとめたエコノミストの予想中央値(3%上昇)を上回った。先行き の生産動向を示す製造工業生産予測指数は、1月が前月比2.5%、2 月は同1.2%の上昇が見込まれている。

30日の海外為替市場では、ギリシャ救済交渉の難航やポルトガル 国債利回りの上昇などが懸念され、ユーロ・円相場は一時1ユーロ= 100円を1週間ぶりに割り込んだが、きょう午前の東京市場では100 円台半ばと円高傾向が一服。過度な欧州情勢に対する警戒心理が和ら いだ。ギリシャのパパデモス首相は欧州連合(EU)首脳会談の後、 今週中に債務減免について債権者側と合意に達することが目標と語っ た上で、ギリシャが財政再建をさらに進めなければならない、との姿 勢を強調した。

東証1部の33業種ではその他製品、海運、パルプ・紙、証券・商 品先物、機械、建設など17業種が上昇。上昇率1位のその他製品では、 大日本印刷や図書印刷など印刷関連銘柄が人気化した。石油・石炭製 品、鉄鋼、電気・ガス、化学、不動産、鉱業、非鉄金属、電機、輸送 用機器など16業種は安い。鉱業や石油・石炭製品に関しては、商品先 物市場で原油先物が続落したことが嫌気された。

個別では、2012年3月期の営業利益予想を従来比21%増額したア ンリツが急騰。野村証券は同社の営業利益予想を増額し、目標株価も 1300円から1400円に引き上げた。また、大和証券キャピタル・マー ケッツが投資判断を「中立」に格上げしたアドバンテストも連日高。 自社株買いを行う三井住友フィナンシャルグループ、通期売上高と営 業利益予想を上方修正したJR東日本も買われた。

これに対し、12年3月期の営業利益予想を前期比19%減額した富 士フHDが急落。ゴールドマン・サックス証券は第3四半期、第4四 半期計画ともに想定を下回るとし、目標株価を下げた。12年12月期 の営業利益見通しが市場予想を大幅に下回ったキヤノン、12年3月期 の純利益予想を減額した花王も下げが目立った。

東証1部の売買高は概算で20億6776万株、売買代金は1兆2370 億円、値上がり銘柄数は777、値下がり732。国内新興市場では、ジャ スダック指数が前日比0.3%高の47.87と3日ぶりに反発、東証マザ ーズ指数が同1.2%高の369.93と4日ぶりに反発した。

2年債入札結果は順調

債券相場は反落。前日までの相場上昇で警戒感が出ていたことに 加えて、明後日に行われる10年債入札に向けた売りが優勢となった。 一方、この日実施に2年債入札結果は順調だったものの、相場の押し 上げ要因にはならなかった。

東京先物市場で中心限月3月物は5営業日ぶりに反落。前日比横 ばいの142円67銭で始まり、直後から売りに押されては142円60銭 台前半に下げて推移。午後2時過ぎには11銭安まで下げ、結局は8銭 安い142円59銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.96%で開始。しばらく同水 準で推移したが、午後2時50分過ぎには1bp高い0.965%と2日ぶり 高水準を付けた。前日には2週間ぶり低水準の0.955%を付けていた。

5年物の102回債利回りは前日比0.5bp高い0.335%。20年物の 133回債利回りは変わらずの1.725%。一方、30年債は堅調で、35回 債利回りは一時、1bp低い1.90%と4日以来の低水準を付けた。

財務省がこの日実施した2年利付国債(313回債)の入札結果に よると、最低落札価格は100円94銭となり、事前予想の100円93銭 5厘を上回った。小さければ好調とされるテールは3厘と前回の6厘 から縮小。応札倍率は5.35倍となり、2010年10月入札以来の高倍率 となった。

市場参加者の間では、2日の10年債入札に関心が向けられている。 今回の10年債入札について、前回入札された10年物の320回債利回 りは0.965%で推移しており、クーポンは横ばいの1.0%となる見込み。

朝方に発表された昨年12月の日本の鉱工業生産指数速報による と、生産指数は前月比4.0%上昇となり、ブルームバーグ調査の同

3.0%上昇を上回った。先行きの生産動向を示す製造工業生産予測指数 は1月が前月比2.5%上昇、2月は同1.2%上昇が見込まれている。鉱 工業生産に対して、債券相場への影響は限定的だった。

ドルが対円3カ月ぶり安値

東京外国為替市場ではドルがほぼ全面安となった。ギリシャの債 務交換交渉の前進や中国によるギリシャ支援の報道を受け、リスク回 避の緩和からドル売りが強まった。また、米国の金利低下を背景にド ルは対円で3カ月ぶり安値を更新した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.31ドル前半から一時、1.3199 ドルまでユーロ買い・ドル売りが進行。ドル・円相場は朝方に1ドル =76円41銭を付けた後、一時、76円18銭までドル売り・円買いが進 み、円の戦後最高値(75円35銭)を付けた昨年10月31日以来のド ル安・円高水準を塗り替えた。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で1週間ぶりのユーロ安・円高 水準となる1ユーロ=99円99銭を付けたが、この日の東京市場では ユーロ買い・円売りが優勢となり、一時100円64銭まで値を戻した。

ギリシャのパパデモス首相は民間債権団との債務スワップ交渉が 大幅に前進したと述べた。欧州連合(EU)首脳会議の終了後にブリ ュッセルで記者団に語った。パパデモス首相はまた、債務スワップ交 渉には「幾つかの困難」があると述べ、支援国がさらに資金を出す必 要がある可能性を示唆。「スケジュールは厳しいが、われわれは交渉を 今週末までに成功させるとの目標に100%集中している」と強調した。

一方、中国国家発展改革委員会(発改委)の張暁強・副主任は、 ギリシャの金融危機克服を中国企業による直接投資の促進やギリシャ 製品の輸入を通じて支援する方針だと語った。新華社がギリシャ訪問 中の発言として伝えた。

EUの首脳らは30日、財政協定と5000億ユーロ(約50兆1700 億円)規模の欧州安定化メカニズム(ESM)の稼働時期前倒しで合 意した。しかし、第2次ギリシャ支援をめぐる各国の意見の食い違い が今後の見通しに影を落とした。

前日の海外市場ではギリシャ交渉の難航やポルトガルの国債利回 り上昇などを嫌気して、ユーロが下落。リスク回避の動きから円とド ルが買われたが、米国債利回りが低下する中、円は対ドルでも上昇し、 全面高となっていた。

一方、リスク回避が一服する中、この日の東京市場ではドル売り が優勢となり、円も新興国通貨や資源国通貨に対して軟調な展開とな った。

安住淳財務相は31日午前の閣議後会見で、ギリシャ債務交渉の難 航を受けて円高が進んでいることについて、「過度な変動や投機的な動 きがあれば、厳重に注視し、断固たる措置を取る」と述べ、これまで のスタンスは変わらないとの立場を示した。

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